子どもの皮膚病「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)」とは?SSSSの原因・症状・治療法を知ろう

やけどのようにズルりと皮膚が剥がれてしまうブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群。皮膚病の中でも重度の疾患で、特に3歳以下に発症が多くみられます。かぜの症状も出て進行が早いため、初期の症状など、詳しく知っておきましょう。

はじめに ~子どもの皮膚病は秋からも要注意~

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(ぶどうきゅうきんせいねっしょうようひふしょうこうぐん):SSSS(Staphylococcal scalded skin syndrome)は、聞き慣れない病名かもしれませんが、皮膚病の中でも重症の疾患で、皮膚が熱傷(やけど)のようにズルズルと剥がれる全身性の病気です。

特に子ども達に多く、夏の皮膚病が落ち着いたと思った頃に発症しやすく、乳幼児は重症化しやすいため、初期症状からの対処が大切になります。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)の症状から対処法までのポイントを知っておきましょう。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)の原因

細菌が血管に入り全身に広がる

黄色ブドウ球菌は、のどや鼻などに普段から付着している「常在菌」と呼ばれる身近な細菌で、常に悪さをするわけではありませんが、免疫力が低下すると増殖し、活動が活発になります。

子どもがよくかかる「とびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)」も黄色ブドウ球菌による皮膚トラブルですが、とびひなどは、皮膚にできた傷に細菌が感染し、かき壊した傷口から菌が感染することによって広がります。

SSSSの場合は、菌の出す皮膚を剥離する毒素

表皮剥離性毒素:ひょうひはくりせいどくそ」血管に入ってしまい、血流を通して全身の皮膚に達することで発症します。毒素が表皮の角質をはがし、まるでやけどをしたような激しい症状が広がります。

かぜ症候群が引き金にも

SSSSは、とびひが重症化して起こることもありますが、扁桃炎や咽頭炎など、ウイルス性上気道炎(かぜ症候群)が発症のきっかけになることもあります。

かぜやインフルエンザなどが流行する時期には、合わせて注意が必要です。

かかりやすい年齢:3歳以下には特に注意

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)は、主に6歳以下の乳幼児にかかりやすく、特に3歳以下に多く見られます。

まれに成人でも発症することがあります。

年間を通して見られますが、にかけて発症しやすくなります。

夏の終わりに、子どもの皮膚病が治まる頃にも注意が必要です。

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photo AC

感染経路:ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)は人にうつります

SSSSの感染経路は、感染している人の皮膚や粘膜、病原体に汚染された物に触れた手指で、口、鼻、目を触ることによる接触感染や、くしゃみや咳などの飛沫感染です。

子ども同士は接触が多いため、このような経路でのどや鼻に付着し、菌が増殖し、血流に乗って発症します。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)の症状

発症の目安は、かぜ症状と触るのを嫌がったら要注意

SSSSの初期症状は、37~38度の風邪のような症状で始まり、不機嫌や食欲不振などを伴い、皮膚に赤みや発疹が生じます。

接触痛を伴うため、抱っこしたり触ったりすると嫌がり、不機嫌になったら発症の可能性があります。

SSSSの症状の経過

SSSSの症状は、以下の経過をたどります。

・微熱・風邪症

・口・目・鼻の周りが赤くなる

・水疱とびらん(ただれ)、目やにが出る

・リンパ(首・わきの下・足の付け根)の赤み、腫れ、痛み

・口の周りに放射状の亀裂

・全身に水泡とびらんが広がる

・摩擦痛を伴い、皮膚がシート状に剥がれる

・首から手足に向かって皮膚がむけ始め、10日~2週間で治癒

新生児では高熱が出ることもあり、おへそ周りやオムツをあてる場所にも発症し、全身の皮膚が真っ赤になることもあります。

経過中に脱水症状、倦怠感などの全身症状が見られることがあります。

SSSSは、病気の進行がかなり早いため、注意が必要です。

脱水症状や合併症に注意

表皮は簡単にむけていくため、体を保護する皮膚がはがれることで皮膚のバリアが無くなり、他の感染症を引き起こしやすくなります

特に生後1ヶ月以内に発症した時には、「リッター新生児剥脱性皮膚炎」とも呼ばれ、新生児は重症になります。

新生児をはじめ、免疫能の低下した成人のSSSSでは、肺炎や、全身に細菌感染が広がる重篤な敗血症を起こすことがあります。

発熱があり、突然、顔や首、わきの下や足のつけ根などが赤くなり、水疱ができて痛がるようであれば、この病気が疑われます。

症状が見られたら、直ちに小児科皮膚科専門医を受診しましょう。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)の治療の基本は入院治療

SSSSは、自宅や通院でケアできる病気ではありません。

入院治療を必要とし、抗生物質の内服や点滴などにより全身管理を行います。

局所に対しては、抗菌薬含有のワセリン軟膏などの保湿剤も使用します。

脱水症状を防ぎながら、抗生物質の全身投与により、5~6日で徐々に回復し、皮膚が剥離していきます。

およそ10日~2週間で治癒に向かいます。

ただし、抗生物質が効かない種類のものが増えています。これは、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、抗生物質を使い続けているうちに抗生物質が効きにくい、または全く効かない細菌が数十年前から増えているためです。

薬の効きがよくない、なかなか治らない場合はMRSAを疑い、細菌を確認し、用いる薬を慎重に判断していく治療になります。

このようなことから、SSSSは自宅で治療できる病気ではないため、早期の適切な診断と治療が大切になります。

手持ちの薬は使わない

SSSSの治療は、抗生物質により感染を抑えることが重要です。

むやみに手持ちのステロイド剤などを使用すると悪化することがあります。小児科、または皮膚科専門医を受診し、正しい治療を受けましょう。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)の予防法

感染は、接触感染や飛沫感染のため、基本的な感染予防が大切です。子どもは目や鼻をよく触るため、特に帰宅後は石鹸での手洗い、うがいを徹底させましょう。

皮膚のケアとして、すり傷、虫刺さされ、あせもなどは放置せず治療しましょう。

子どもの皮膚病は、ほとんどがかきこわしで悪化します。​爪は短く切っておきましょう。

黄色ブドウ球菌は、普段から身近な細菌ですが、子どもは免疫力が低く、また大人も

体力が落ちている時には感染しやすくなるため、日頃から感染予防を意識しておきましょう。

SSSSはとびひからの進行も多いため、とびひの詳細は関連記事を参考にご覧ください。

とびひは、主に幼児・小児がかかる皮膚の細菌感染で、強いかゆみを伴う水泡が、全身に「飛び火のように広がる」のが名前の由来です。正式名称を「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といい、伝染性が強いため保育園などで集団感染しやすく、まれに成人にもかかることがあるため注意が必要です。
とびひの原因から対処法まで解説します。
 

さいごに

やけどのようにズルりと皮膚がむけるブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)は、子どもにはとてもつらい病気です。

発症から進行が早く、慌ててしまうことが多いのですが、決して珍しい病気ではないため、いざという時のためにこの病気と初期症状を知っておき、早期に正しい対処をしてあげることが大切です。

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