インフルエンザ予防接種の副作用:ワクチン注射で熱が出る?

インフルエンザの予防接種で熱が出る、これはワクチンの副作用である可能性があります。発熱や吐き気など予防接種の副作用について解説。

インフルエンザが流行する12~3月頃といえば、クリスマス、お正月、受験とビッグイベントが目白押し。大事なときにインフルエンザにかかることは避けたい!そのためにも、予防接種を受けることはとても有効です。
しかし、インフルエンザの予防接種に副作用があると聞いたことのある方もいるのではないしょうか。

2016-2017年シーズンは、かつて新型インフルエンザと呼ばれていた型も含めた、4種混合ワクチンを注射します。

インフルエンザの予防接種は、ウイルスなどの病原体を身体にいれることで抗体をつくります。予防接種で使われるのは、病原性をなくすための処理をほどこした「不活性ワクチン」のため安全性が高いものです。予防接種後に現れる副作用(副反応)は、ワクチン投与後に抗体を作ろうとする体の自然な反応といえるのです。

この記事では、インフルエンザ予防接種の副作用として現れる症状について解説します。
 

インフルエンザ予防接種で熱が出る?

インフルエンザの予防接種の副作用には、発熱があります。これは、予防接種を受けた人の5~10%にみられます。

インフルエンザの予防接種による発熱の症状は、通常2〜3日で治まります。基本的には自然に治るのを待ちましょう。

ただし、38.5度以上の高熱であったり、発熱が長引く場合は、医師の診断を受けることをおすすめします。

熱が出たときの対処法

太い血管がある部分を、保冷剤や熱冷ましシートなどで冷やします。具体的には、脇の下、太ももの付け根の内側、首の横(頸動脈)がおすすめです。保冷材はタオルにくるんで、直接肌にはあてないようにしましょう。

おでこは冷やすと気持ちよさを感じますが、熱を下げる効果は少ない部位です。

熱に薬は使える?

もし発熱や頭痛といった症状が辛い場合は、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソニンなどの解熱鎮痛剤を使用することも可能です。

ただし、インフルエンザを発症している場合は、使用できない解熱剤があるため注意が必要です。

吐き気・頭痛など全身に出る症状

接種部位の周辺以外で、発熱以外にも次のような全身症状が出ることもあります。これも、予防接種を受けた人の5~10%にみられる副作用です。

吐き気・嘔吐・下痢・腹痛

全身症状の中でも、消化器系の症状があらわれることがあります。

これらの症状は、通常2~3日程度で治まりますが、嘔吐や下痢による脱水症状には注意しましょう。

頭痛・めまい

頭痛やめまいの症状も、2〜3日で自然におさまります。自然に症状が消失するのを待ちましょう。ただし、どうしても痛みに耐えられ無い場合は、発熱時と同様に解熱鎮痛剤を使用することも可能です。

倦怠感(体がだるい)・動悸・リンパ節の腫れ

他にも、体のだるさや動悸、リンパ節の腫れなどの全身症状を訴える方もいます。接種した側の脇の下が腫れることが多いようです。

これらの症状も、2〜3日で快方に向かいますが、長引くようなら病院を受診しましょう。

 

腫れ・蕁麻疹など接種したところに出る症状

インフルエンザの予防接種では、注射した部位の周辺の腫れ、蕁麻疹、発疹、湿疹、かゆみ、痛みなどの軽度な副作用が10〜20%にみられます。軽度な副作用は、ほとんどが予防接種後24時間以内に発生します。

しびれ・喘息・アナフィラキシーなど重篤な副作用

インフルエンザの予防接種では、まれに重篤な副作用がみられるケースがあります。
異常を感じた場合は、すぐに医療機関に相談しましょう。

喘息発作や咳

呼吸時にゼーゼーと音がする喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難、咳が特徴です。

アナフィラキシー

非常に強いアレルギー反応により、意識障害や頻脈、血圧の低下などが起こります。素早い処置が求められます。

アナフィラキシーは、予防接種後30分以内に起こることが多いとされています。

ギランバレー症候群

短時間で末梢神経が麻痺し、その結果、手足に力が入らなくなったり、しびれが出ます。重度の場合は、呼吸不全になる可能性もあります。

急性散在性脳脊髄炎

脊髄や脳などに炎症がみられます。呼吸困難になる危険性のほか、重い後遺症を残す可能性もあります。

血小板減少性紫斑病

鼻血、歯ぐきの出血、皮下出血、手足に点状出血、あおあざができやすい、出血しやすい(歯ぐきの出血・鼻血・生理が止まりにくい)などの症状が出ます。

指先のしびれは副作用?

予防接種が原因になる指先のしびれは、2~3日で治る一過性のものもあれば、副反応が原因で重症化を招き、健康に影響を及ぼす場合があります。

このうち指先のしびれに関連する重篤な疾患は、ギラン・バレー症候群と急性散在性脳脊髄炎です。

指先のしびれが発症したきっかけが予防接種だとしても、本当にワクチンが原因なのかそれとも他に原因があるのか、自分で判断することは危険です。原因を把握するためにも、しびれを感じたら医療機関を受診しましょう。その際に受診する科は、全身の神経や筋肉の病気を専門的に扱う神経内科になります。

厚生労働省の重篤副作用疾患別対応マニュアルでは、急性散在性脳脊髄炎の詳細を紹介しています。

インフルエンザ予防接種の死亡例はある?

インフルエンザワクチン接種後の副反応報告において、接種との因果関係がるとして報告された死亡例は、ここ数年1例~3例ほどあります。ただ、死亡とワクチン接種の直接の明確な因果関係があるとされた症例は認められておらず、また死亡例のほとんどが基礎疾患等がある高齢の方となっています。

子ども・妊婦の副作用について

子どもにみられる副作用

子どもは自分では症状をうまく伝えられないため、副作用が出ていても気付くのが遅れてしまう場合があります。
予防接種の後に次のような症状が現れていないか、子どもの様子を観察することを心がけましょう。とくに予防接種を受けてから24時間は注意してください。

◼︎1歳から3歳の赤ちゃん・子どもにみられる副作用
・顔がむくむ
・鼻水が出る、あるいは増える
・湿疹
・湿疹などが見られなくても、かゆみを感じる

◼︎3歳から13歳未満の子どもにみられる副作用
・食欲減退
・鼻水が出る、あるいは増える
・湿疹や炎症が見られなくても、かゆみを感じる
・腫脹(炎症によって腫れあがった状態)

◼︎2回目の接種は別の部位に

生後6か月~13歳未満の子どもは、およそ2~4週間隔で2回ワクチン接種をします。2回目の注射のときは、反対の腕、あるいは同じ腕でも前回の注射部位とは違う部位に接種を受けるようにしましょう。

妊婦の副作用

妊娠中の方の場合も、通常の大人と同じような副作用があらわれます。

妊娠初期を含めた妊娠中に、インフルエンザワクチンの接種を受けたことにより流産や先天異常の発生リスクが 高くなったという報告は現在のところありません。

予防接種の副作用が現れる時間はどれくらい?

副作用は24時間以内に起こりやすい

ワクチン接種による副作用は、接種後24時間以内に起こりやすいといわれています。副作用を起こさないためにも、次のようなことを心がけましょう。

◼︎注射部位は清潔にしておく
◼︎接種した当日は激しい運動は避ける
◼︎摂取した当日は発熱がなければお風呂に入って構わない。ただし、接種部位をこすらないようにする
◼︎接種当日はお酒を飲むのは控える
◼︎高熱やけいれんなどの異常反応や体調の変化があれば速やかに医師の診察を受ける

アナフィラキシーは30分以内に起こる

ワクチン接種によるひどいアナフィラキシー反応は、ワクチン接種後30分以内に起こることが多いので30分程度は注意してください。

小さい子どもに関しては、ワクチン接種後30分程度は病院内で様子を観察するか、医師とすぐ連絡がとれるようにしましょう。

 

おわりに

インフルエンザの予防接種時に注意したいのが当日の体調です。大人に比べて免疫力や体力がない子どもや高齢者に副作用が現れやすいことからも、体調の良し悪しは副作用の有無に関係がないとはいえません。

予防接種前には必ずインフルエンザの予防接種予診票で体調以外にも、アレルギー、病歴、服用中の治療薬などを確認しますが、もう一度振り返ってみましょう。

副作用の症状は通常2〜3日で症状は治まりますが、改善しない場合は早めに医師に相談しましょう。

ミナカラ
インフルエンザの基礎知識・予防・治療・お薬まで

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