インフルエンザは何種類?A型B型C型の特徴や違いについて

インフルエンザについて、A型・B型・C型の3種類の特徴や症状などの違いをまとめました。A型B型の両方に感染する可能性や同時感染についても解説します。

インフルエンザウイルスは型によって種類が異なり、それぞれ症状や流行の時期にも違いがあります。
インフルエンザウイルスはA型・B型・C型の3種類に大別され、さらにA型の中でもソ連型や香港型、B型の中でも山形系統やビクトリア系統など細かく分けることもできます。

正しい対処のためにも、それぞれの違いや特徴を知っておくことが大切です。

この記事ではA型・B型・C型の違いについて、種類ごとの特徴をもとに解説していきます。

A型・B型・C型:種類ごとの特徴や違いは?

インフルエンザには大きく分けて3つの種類があり、それぞれに特徴があります。

インフルエンザにはA型・B型・C型の3種類がある

インフルエンザは、ウイルスの種類により大きくA型・B型・C型の3つに分けられます。
このうち、冬になると流行し一般に”インフルエンザ”と呼ばれるのはA型とB型のふたつであり、C型とは分けて考えられることがほとんどです。

また、”新型インフルエンザ”や”鳥インフルエンザ”、”香港型インフルエンザ”などはすべてA型インフルエンザの一種です。

症状などは、ウイルスの種類によって異なる部分もありますが共通している部分もあります。
そのため、A型かB型かを見分けるには病院で検査を受ける必要があります。

また、C型インフルエンザは症状が風邪程度であることが多く、一般の病院では検査を行っていません。

インフルエンザの種類ごとの違いは?

インフルエンザの3つの型について、その違いを簡単にまとめました。

  A型 B型 C型
種類 144種類 2種類 1種類
ウイルスの変異 しやすい あまりしない ほとんどしない
感染する対象 人、鳥、豚など 人のみ 人が中心
感染しやすい
年齢
年齢問わず 年齢問わず 子どもが中心
流行時期 冬(12~2月) 冬(2~3月) 通年
主な症状 ・38℃以上の高熱
・悪寒、寒気
・体の痛み
・咳や喉の痛み
・発熱
(微熱や平熱のことも)
・下痢や嘔吐
・鼻かぜに似ている
・鼻水、鼻づまり
・微熱

では、A型、B型、C型それぞれの特徴や症状について詳しくみていきましょう。

A型の特徴:もっとも症状が激しく危険なインフルエンザ

インフルエンザ、と聞いて多くの人が思い浮かべるのが”インフルエンザA型”です。
毎年流行の中心となり、新しいウイルスがあらわれた年には世界的な大流行となることもあります。

インフルエンザA型の詳しい症状や治療薬について、詳しくは関連記事をご覧ください。

A型ウイルスの特徴

インフルエンザA型ウイルスには、ウイルスの表面を覆うタンパク質の構造の違いにより144もの種類が存在します。

さらにそのウイルスは毎年小さな変異を繰り返すため、以前に感染したときにできた免疫では感染を防げないことが多くあります。
そのため、A型インフルエンザは毎年流行し、新しいインフルエンザがあらわれたシーズンには世界的な流行を引き起こすのです。

また、A型インフルエンザウイルスの特徴として人間以外にも鳥や豚などの動物に感染することがあげられます。
鳥や豚などへの感染を通してウイルスが変異するため、人間にとって新しいインフルエンザになる危険性が多くなっています。

A型にはさまざまな種類がある

インフルエンザA型にはさまざまな種類があり、今までに人間の間で流行したものだけでも数種類に上ります。

その中でも代表的なものに、

・A(H3N2)亜型…A香港型
・A(H1N1)亜型…ソ連型や2009年に新型インフルエンザとして流行したH1N1pdm
などがあります。

■新型インフルエンザもA型のひとつ
毎年ニュースなどで取り上げられる”新型インフルエンザ”もA型インフルエンザのひとつです。
たとえば現在A(H1N1)亜型として流行しているH1N1pdm09は、2009年に新型インフルエンザとして流行したものです。
新型インフルエンザが1シーズンだけでなく毎年のように流行するようになると、季節性のインフルエンザと呼ばれるようになります。

■鳥インフルエンザもA型のひとつ
鳥インフルエンザと呼ばれるインフルエンザもA型インフルエンザの一種であり、”H5N1亜型鳥インフルエンザウイルス”というウイルスが原因で起こります。
鳥インフルエンザは、名前の通り鳥類の間で流行するインフルエンザですが、ウイルスの変異によって人間に感染する力のあるウイルスになることがあります。

鳥インフルエンザについて、詳しくは関連記事をご覧ください。

インフルエンザA型の症状:高熱・悪寒・体の痛み

インフルエンザ、と聞いてすぐに思い浮かぶものの多くはインフルエンザA型の症状です。
とくにインフルエンザA型の3大症状といわれるものに、
・38~40℃の高熱
・悪寒や寒気
・全身の関節痛や筋肉痛

があり、これらの症状がある場合にはA型インフルエンザが疑われます。

一般的な風邪との違いは、咳や喉の痛み・鼻水などの局所的な症状が出る前に、高熱や体の痛みなど全身の症状があらわれるところです。

また、B型インフルエンザと比べて咳や喉の痛みなど呼吸器系の症状が重く出ることも特徴です。

重症化や合併症の危険性が高い

インフルエンザA型は肺炎などの合併症を起こし重症化することが多く、特に高齢者は注意が必要です。
また、1~2才の乳幼児はA型インフルエンザが原因で”インフルエンザ脳症”を起こしやすく、命にかかわる場合や運動障害・知的障害・まひなどの重い後遺症を残す場合があります。

その他にも気管支炎や中耳炎、副鼻腔炎、関節炎、急性胃腸炎、心筋炎などの合併症を起こすことがあります。

インフルエンザの合併症や重症化について、詳しくは関連記事をご覧ください。

B型の特徴:風邪と間違えやすい症状に注意

近年流行の規模が増えつつあり、A型と同様やシーズンによってはそれ以上の注目が集まるのが”インフルエンザB型”です。
症状がA型ほど重くないため市販薬などで対処する人が多く、そのために症状が長引いたりすることが多いという特徴があります。

インフルエンザB型の詳しい症状などについて、詳しくは関連記事をご覧ください。

B型ウイルスの特徴

インフルエンザB型のウイルスには”ビクトリア型””山形型”の2種類が存在します。
ウイルスの変異はありますが、A型ほどは変異しないためA型よりも免疫がつきやすく一度感染すればある程度の抗体はできるといわれています。

しかし、ビクトリア型と山形型はウイルスが異なるため、例えば山形型に感染したあとにビクトリア型に感染してしまう、ということもあるため注意が必要です。

また、以前は2年に一度のサイクルで2月~3月に流行していたインフルエンザB型ですが、近年は毎年のように流行することや2月より前に流行することも増えています。

インフルエンザB型の症状:微熱や下痢・嘔吐

インフルエンザB型の症状の特徴としては、消化器症状と高熱が出ないことがあげられます。

■高熱ではなく微熱・平熱のことも
インフルエンザというと38℃以上の高熱が出るイメージですが、B型インフルエンザの場合高熱が出ずに微熱や平熱であることが多いようです。
また、A型であれば通常1日ほどで熱が下がりますが、B型の場合は3日ほど微熱が下がらないこともあります。

■下痢や腹痛、吐き気、嘔吐などの消化器症状が特徴
インフルエンザB型の特徴として、下痢や嘔吐などお腹の症状があらわれることがあげられます。
B型ウイルスは胃腸にダメージを与えることが多く、胃腸炎を引き起こして下痢や嘔吐などの症状があらわれます。
このとき、薬などで無理に下痢や嘔吐を止めてしまうと治りが遅くなることがあるため、独断で下痢止めや嘔吐止めは服用しないようにしましょう。

B型は風邪やノロウイルスとの間違いに注意!

■風邪との見分け方は?
インフルエンザB型はA型ほど急激な症状があらわれないため、単なる風邪だと思ってしまうことが多くあります。
症状の違いとしては消化器症状のあらわれなどですが、見分けるひとつの目安が感染した時期です。
インフルエンザB型が流行しやすい2月~3月に症状が出た場合はインフルエンザである可能性が高いため、一度病院を受診するようにしましょう。

■ノロウイルスなど胃腸の病気との間違いに注意!
B型インフルエンザは下痢や嘔吐などの症状があらわれるため、同じく冬場に流行するノロウイルスと間違えることがあります。
この見分けは難しいため、どちらか分からない場合にはすみやかに病院を受診してください。
また、どちらの場合であっても下痢や嘔吐により脱水症状を起こす危険性が高いため、こまめに水分補給をするようにしましょう。

C型の特徴:症状は軽いが子どもの重症化に注意

インフルエンザの中では最も知名度が低く、知らない人も多いのが”インフルエンザC型”です。
症状もA型やB型に比べると軽いですが、乳幼児の場合は重症化することもあるため注意が必要です。

インフルエンザC型の詳しい症状などについて、詳しくは関連記事をご覧ください。

C型ウイルスの特徴

インフルエンザC型はA型やB型と違い、種類がひとつしかありません。
ウイルスの形が変異することもないため、一度感染すれば免疫がつきその後再び感染することはごくまれです。

C型インフルエンザに感染するのは免疫のまだできていない子どもがほとんどであり、特に4才以下の乳幼児に多くなっています。
ごくまれに大人にも感染することはありますが、ほとんどが子どもへの感染となっています。

インフルエンザC型の症状:鼻かぜと似ている

C型インフルエンザの症状は、A型やB型のものよりもかなり軽いことがほとんどです。

症状としては、
・鼻水、鼻づまり
・くしゃみ
・喉の痛み、咳
・発熱(微熱)

などであり、一般的は鼻かぜのものとよく似ています。

高熱が出ることも少なく、関節痛や悪寒などの症状が出ることもあまりありません。

2才以下は重症化に注意!

比較的症状の軽いC型インフルエンザですが、まれに重症化し以下のような症状があらわれることがあります。
・高熱
・嘔吐
・下痢、腹痛
・発疹

また年齢の低い場合に重症化しやすく、特に2才未満の入院率が高いという報告があります。
入院するほどの症状ではなくてもひどい鼻水や鼻づまりなど小さな子どもにはつらい症状が出ることが多いため、感染した場合には保護者が体調の変化をよく観察するようにしてください。

A型とB型両方に感染することはある?同時に感染する可能性は?

A型B型の両方やA型に2回感染する可能性も!

ウイルス性の病気に一度感染すると、免疫ができるため同じ病気にはかかりにくくなります。

しかしインフルエンザの場合、A型とB型、C型ではウイルスが違うため、A型に感染してもB型に対する免疫は出来ません。
そのため、1シーズンにA型とB型の両方に感染することがあります。

また、B型には2種類、A型にはさらに多くの種類があり、それぞれウイルスが異なります。
そのため、B型に2度感染したり、A型に何度も感染するという可能性もあります。

インフルエンザは一度かかったらもうかからない、ということはないため、油断せずに予防対策を行っていくようにしましょう。

ごくまれにA型B型同時に感染することも!

インフルエンザA型とB型のウイルスは異なるため、2つのインフルエンザに同時に感染することがあります。
A型とB型では流行時期が異なるため同時に感染することはごくまれですが、実際に同時感染の例は国内外でいくつか報告されています。

また、完全に同じ時期ではなくとも「A型インフルエンザの治りかけで体力が落ちているときにB型にかかってしまった」というようなパターンは珍しくないようです。

同時に感染すると症状が重くなる?

同時感染というと深刻なように感じられますが、A型とB型の同時に感染したからといって特別に症状が重いわけではないようです。
症状としては、どちらか一方のインフルエンザに感染したときとそこまで違いはないことがほとんどです。

しかしAB同時感染については報告が少なく分からないことも多いため、重症化する可能性がまったくないとは言えません。
さらに近年インフルエンザB型は流行時期が早まる傾向にあるため、今後2つのインフルエンザに同時に感染する人が増える可能性も考えられます。

重症化を防ぐためにも、特に妊娠中の人や子ども・高齢者などは早めに予防接種を受けると良いでしょう。

さいごに

インフルエンザにはA型・B型・C型の3種類があり、それぞれ特徴や症状が異なります。
特にA型とB型は誰でも感染する可能性があり症状も重いため、感染予防につとめましょう。

最も効果的な予防法は、予防接種です。
また、手洗い・うがい・マスクの着用などの予防対策をしっかり行い、十分な睡眠と栄養を取って免疫力を落とさないようにしていきましょう。

ミナカラ
インフルエンザの基礎知識・予防・治療・お薬まで

インフルエンザ特集2016〜2017

インフルエンザは例年12月から2月にかけて猛威を振るいます。
インフルエンザ予防の予防接種・感染しないための方法や、もしかかってしまった場合の対処について特集しています。