インフルエンザの解熱剤:アンヒバ座薬の使い方

インフルエンザの解熱に処方されるアンヒバ座薬を解説。子どもに座薬が処方されたときに役立つ座薬の使い方から副作用、注意点まで徹底解説します!

アンヒバ坐剤(アンヒバ座薬)はインフルエンザの解熱に処方されることが多い座薬の解熱剤です。特に子どもに多く処方される薬です。

大人より体が弱い子どもにとって、発熱はデリケートな問題です。どんな種類の解熱剤でも熱が出たら好きなように使用してもよいという訳ではありません。
発熱への対処や解熱剤の使用を誤ると、重い合併症を招く可能性があります。

この記事では、インフルエンザに使用できる解熱剤や、アンヒバ坐剤について徹底解説します。

インフルエンザに使用できる解熱剤とは?

解熱剤に使用される成分はさまざまありますが、最も安全な成分といわれているのはアセトアミノフェンです。
アセトアミノフェンは、体温調整中枢や中枢神経に作用して、解熱・鎮痛効果を発揮する成分です。血管を拡張して体から熱をのがし、痛みの感じ方を鈍くする作用があります。また発熱時の他に、頭痛・歯痛・生理痛などにも効果があります。
穏やかに効いて副作用も少ないことから、子どもでも安全に使用することができます。

アセトアミノフェンを使用した座薬タイプの解熱剤は、アンヒバ坐剤(アルピニー坐剤)、カロナール坐剤があります。どれも使い方は同じで解熱効果に違いはほとんどありません。
薬の在庫状況や医師の判断によって、どの坐剤をしようするか選択します。

インフルエンザの解熱剤でインフルエンザ脳症に?!

インフルエンザの重い合併症のひとつに、インフルエンザ脳症があります。インフルエンザ脳症は進行が非常に早いことが特徴で、発熱から1~2日で発症します。高熱や喉の痛みといった症状のほか、痙攣や意識障害、異常行動(突然大声を出す、幻覚、幻聴など)がみられ、5歳以下の子どもがかかることが多いとされています。

インフルエンザ脳症の原因は、未だはっきりしていません。しかし誤った解熱剤の使用が重症化を招くことは判明しています。具体的にはアスピリンやボルタレン、メフェナム酸などの成分が含まれた解熱剤の使用です。
インフルエンザの際は、自己判断で薬を使用しないよう十分にご注意ください。


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インフルエンザ治療に使うアンヒバ坐剤の使い方

アンヒバ坐剤は、正しく使用されていれば使用後30〜60分で効果がでます。経口薬と比べると、腸に届いて全身に成分が行き渡るまでが早いことが座薬の特長です。
ただし、効果の発生時間は多少の個人差はあります。

座薬は慢性的に使用する薬ではなく、必要な時だけ使うものとして処方されます。複数回正しく使用して、それでも熱が40℃より下がらない場合は、医師の診断を仰いでください。

用法用量

通常、乳児、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10~15mgを直腸内に挿入します。
1日総量の限度は60mg/kgです。投与間隔は4~6時間以上空ける必要があります。

≪1回あたりの目安量≫
・体重5kg→50~75㎎
・体重10kg→100~150㎎
・体重20kg→300~450㎎

アンヒバ坐剤の用量は、50mg、100mg、200mgとあります。
ミナカラおくすり辞典:アンヒバ坐剤小児用50mg/100mg/50mg

アンヒバ坐剤の使い方4ステップ

アンヒバ坐剤を正しく使うためのコツを4ステップに分けて解説します。

①準備編

挿入する人は手をきれいに洗いましょう。座薬によって便意を促す可能性があるので、排便後の使用がベストです。
カットする必要がある場合は尖った部分を残して包装のままカットし、残りは破棄してください。

②アンヒバ坐剤の挿入

座薬はティッシュペーパーを使って、利き手で持ちます。
子どもを仰向けに寝かせ、もう片方の手で足を持ち上げてください。座薬は尖った方から一気に押し込んでください。挿入後1~2分、ティッシュで肛門を押えてた後、少しずつ足を伸ばしてあげましょう。
入りにくい場合は、先端に水やベビーオイルを少量塗ると良いでしょう。

③座薬が排出されていないか確認しましょう。

数分でほぼ形が残ったまま出てきてしまった場合は、新しいものを入れても構いません。
5分以上経ち、座薬が排出されなければ、きちんと吸収されたと考えてよいでしょう。

④アンヒバ坐剤の保管

アンヒバ坐剤は涼しい場所で保管してください。最も良いのは冷蔵庫です。
万が一軟らかくなってしまった場合は、尖った部分を下にして垂直に立て、冷蔵庫で冷やしましょう。

体温と子どもの様子で使用を判断

インフルエンザウイルスは熱さに弱いので、発熱によって増殖が難しくなります。
一方、人間の体は体温が38~40℃になったとき免疫力のピークを迎えます。つまり自分の体を守るためには、ある程度の発熱は欠かせないのです。

解熱剤を使う目安は体温だけでなく、子どもの様子も観察して総合的に判断します。

■38.5℃を超えても機嫌が良いなら経過観察

一般に38.5℃以上の発熱が解熱剤を使う目安をされていますが、機嫌が良い場合は経過観察をします。
しかし40℃を超えた場合は、使用を検討する必要があります。

■辛そうにしていたら38℃前後でも使用する

辛そうにしていたり、震えが止まらない、手足が冷えている場合は38℃前後であっても解熱剤を使用します。

アンヒバ坐剤の使用上の注意点

◼︎市販薬や医師から処方された薬を服用中の場合は、事前に必ず知らせましょう。

◼︎喘息発作を誘発する恐れがあるので、喘息やアレルギーの人は診察時に医師に知らせましょう。

◼︎低出生体重児、新生児及び3ヶ月未満の乳児に対する使用経験は、安全性が確立されていません。

◼︎家にアンヒバ坐剤が残っている場合
アンヒバ坐剤を処方された日にちが分かっており、それが1年以内であれば問題ないでしょう。処方された薬局に問い合わせることで使用期限を確認できるケースもあります。

◼︎用量を誤って多めに使ってしまった場合
少量の誤りであれば基本、経過観測で構いません。ただし、2倍以上用量を誤ってしまった場合は早めに医師に相談しましょう。

アンヒバ坐剤の副作用

アンヒバ坐剤は比較的副作用が少ないですが、まれに食欲不振、下痢、軟便、嘔吐、皮疹などがみられます。

ただし、息苦しさや意識の低下、蕁麻疹や吐き気、皮膚や白目の黄色化、むくみなどがみられた場合は重篤な副作用である可能性があります。こういった場合は、初期症状の段階で早急に医師に指示を仰いでください。

重篤な副作用は以下の通りです。

・ショック、アナフィラキシー
・中毒性表皮壊死融解症
・肝臓や腎臓の重い障害
・間質性肺炎
・喘息発作の誘発 ・・・など

アンヒバ坐剤ƒだけじゃない!インフルエンザの発熱対策

発熱は子どもから体力を奪います。座薬による解熱だけでなく、適切な対処でインフルエンザを撃退しましょう。ポイントは水分補給と環境整備です。

◼︎水分は一度に摂らず、こまめに少量ずつ摂る
◼︎首回りやわきの下、ももの付け根を冷やす
◼︎発熱のピークを迎えるまでは布団を厚くする
◼︎こまめに汗を拭き、着替えをする
◼︎部屋の湿度は50~60%、室温は18~20℃を目安に
◼︎1時間に3回程度の換気を行う
◼︎使用したマスクやティッシュはフタつきのゴミ箱へ

周囲の家族は感染予防の対策を

インフルエンザは非常に感染力が強いです。そのため家族間での感染には充分注意しなければいけません。

手洗いうがいをこまめに行うほか、積極的にマスクを着用しましょう。また免疫力を低下させないために、睡眠と栄養バランスのとれた食事を心がけてください。

それでも体調が悪いと感じた場合は無理をせず、早めに病院を受診しましょう。


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おわりに

急性感染症であるインフルエンザが、最も勢いを増すのが熱が出てから48時間以内です。この期間内に治療を始めないと、治療薬の効果が薄れてしまうとされています。
つまり、病院へ行く最も良いタイミングは、インフルエンザ発症から12~24時間後です。
ただし痙攣や呼吸困難、呼びかけても返事しないなどの意識障害、チアノーゼといった症状がみられる場合は、早急に病院を受診しましょう。

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