インフルエンザの解熱に座薬は使える?座薬の正しい使い方

インフルエンザの高熱への座薬の使用について、正しい使い方や薬が効かないときの対処などを紹介します。小児科で子どもに座薬が処方される理由も解説します。

インフルエンザで病院を受診した際に、解熱剤として座薬を処方されたことのある人も多いのではないでしょうか。
特に小児科では、子どものインフルエンザに対して座薬を処方することが多いようです。

解熱剤の使用にはさまざまな意見があり、特にインフルエンザの際には合併症などの危険性から解熱剤は使用すべきではないと考える人も多くいます。
たしかにインフルエンザの際の熱はウイルスと戦うために必要なことですが、高熱が続き体力が著しく消耗するような場合には一時的に解熱剤を使用することも効果的です。

しかし、自己判断でインフルエンザに対し座薬を使用した場合に危険があることも事実です。
座薬を使用する場合には必ず医師の指示に従い、使い方を守るようにしましょう。

この記事では、子どものインフルエンザに座薬が処方される理由や、座薬の使い方注意点などを解説していきます。

インフルエンザの発熱に座薬は使える?

インフルエンザなどに感染したときにあらわれる高熱は体がウイルスと戦うための正常な機能であり、無理に熱を下げることはあまり推奨されません。
しかし高熱のあまりよく眠れなかったり、水分もとれないような場合などは医師の判断により座薬タイプの解熱剤が処方されることがあります。

特に小さな子どもは高熱により著しい体力の衰弱を起こすことがあるため、発熱が38.5℃を超えた場合は座薬タイプの解熱剤の使用が検討されます。
また、発熱38.5℃を超えてない場合でも意識が朦朧としていたり、ぐったりしているときは解熱が必要なことがあります。

発熱後、急激な体調の変化や意識の混濁がある場合は早急に病院を受診しましょう。

使われる薬の種類:アンヒバ・アルピニーなど

医師の判断により使われる薬は異なりますが、子どものインフルエンザの高熱に処方される座薬は主に次の3種類です。

アンヒバ坐剤
アルピニー坐剤
カロナール坐剤

これらはいずれも成分がアセトアミノフェンで、用量も50mg、100mg、200mgとあり、使い方も同じで効果にも違いはほとんどありません。
体温低下は最大で2℃ほどのため、38℃以上で使用する点なども同じです。

座薬使用の目安は、体重1キロあたり10~15mgです。
10キロの子どもなら100~150mgとなるため、医師から指示された量を守って使用するようにしてください。

子どものインフルエンザに座薬が処方されるのはなぜ?

座薬タイプの解熱剤は、大人よりも子どもに処方されることが多いようです。
座薬には飲み薬といくつかの違いがあり、その特徴のために子どもによく処方されます。

子どものインフルエンザの発熱において、座薬が処方されることが多い理由は以下の2点です。

座薬は飲み薬より効果があらわれるのが早い

通常の飲み薬よりも座薬は腸で吸収され全身に成分がめぐるまでの時間が早いので、効果が出るのも早いのです。
正しく座薬を入れた場合、早ければ30分、平均では約60分で効果があらわれるとされています。そして効果のピークを迎えるのは、2~3時間後です。
ただし効果があらわれるまでは個人差があるため、30分かからない人もいれば、2倍以上時間がかかる人もいることを知っておきましょう。

なお、急に熱を下げることで体に大きな負担を与えてしまう可能性があるため、座薬の使い過ぎには注意してください。
用法用量を守り、投与間隔は6時間ほど空けるようにしましょう。

水や薬を飲むことが困難な子どもにも使用できる

大人よりも子どもの方が座薬を処方されることが多いのは、高熱でぐったりしている子どもに錠剤を飲ませることよりも座薬を入れる方が簡単であるためです。

また、まだ錠剤を飲めない子どもや粉薬が苦手な子どもにも使用しやすく、薬を吐き出してしまうおそれもありません。

座薬の正しい使い方をマスターしよう!

座薬は飲み薬などと違って最初は使用が難しく、入れるのに苦労してしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで、座薬の正しい入れ方を紹介していきたいと思います。

子どもに座薬を入れる手順

座薬による刺激で排便をする可能性があるので、なるべく排便後に投与しましょう。

1)子どもを仰向けに寝かせます

2)ティッシュを使い、清潔に洗った利き手で座薬を持ちます

3)もう片方の手で子どもの足を持ち上げます

4)尖った部分から、座薬を一気に挿入します
(入りにくい場合は、先端を水やベビーオイルで少し濡らしましょう)

5)ティッシュで肛門を押えましょう
(目安は1~2分)

6)座薬が出てきていないか再確認しましょう
(5分以上経って排出されなければ、問題ありません)

大人が自分で座薬を入れる手順

大人の場合も、できるだけ排便後に投与すると良いでしょう。

1)中腰または横向きに寝た姿勢になります

2)ティッシュなどを使い、清潔に洗った利き手で座薬を持ちます

3)座薬をゆっくりとノズルの付け根まで肛門に差し込みます
(入りにくい場合には、先端から少し薬を出すかベビーオイルなどで濡らしましょう)

4)ゆっくりとすべて薬を出し、容器を抜きます

5)ティッシュで肛門を押えましょう
(目安は1~2分)

6)座薬が出てきていないか再確認しましょう
(5分以上経って排出されなければ、問題ありません)

座薬を使用するときの注意点:薬が効かないときは?

座薬を使用する際の注意点や、座薬が効かないときの原因や対処法について解説します。

座薬を使用する際の注意点

■用量を誤って多く投与してしまった場合
少量であればしばらく経過を観察し、異常があらわれた場合にはすぐに病院を受診しましょう。
ただし2倍以上量を誤ってしまった場合は、早めに医療機関を受診してください。

■座薬を切って投与する場合
包装のまま、清潔なハサミで切りましょう。
使用するのは尖った部分です。残った方は破棄しましょう。

■タミフルと座薬を一緒に処方された場合
タミフルと座薬、両方投与してもいいのか心配する人は少なくありません。
しかし、このふたつは役割が異なります。タミフルは体内のインフルエンザウイルスの増殖を抑制するもの、座薬は熱を下げるためのものです。

どちらも医師や薬剤師の指示にしたがって投与してください。

座薬が効かない原因と対処法

インフルエンザの場合、解熱剤を使っても目に見えて体温が下がらない場合があります。
このとき、効果がでないからといって連続で使用すると体温が急激に下がり異常な低体温を招くことがあるため、使用する際には用法・用量を必ず守ってください。

また、解熱剤は使用前と比べて体温が0.5℃でも下がっていれば効果は出ているとされます。
平熱にまで戻らなくとも、少し体が楽になっているのであれば解熱剤の効果は出ているといえるでしょう。

しかし、座薬タイプの解熱剤を使用したのに全く良くならない場合や、体温が上がってしまうような場合は注意が必要です。
座薬を使用したあとには体調の変化をよく観察し、異常を感じたらすみやかに病院を受診しましょう。

自己判断での座薬などの解熱剤の使用は危険

アスピリンやボルタレンなどの解熱剤を使用すると、意識障害のある重篤な合併症などを引き起こす危険性があります。
解熱剤の使用は自己判断せず、必ず医師の指示に従いましょう。

小児科では、アセトアミノフェンを使用しているアンヒバ・アルピニー・カロナールが処方されるため、その他の解熱剤は処方されません。

■市販の解熱剤に注意!
市販の解熱剤の中には、以下のようなインフルエンザの際に避けるべき成分が含まれているものがあります。
インフルエンザに対して独断で市販薬を使用することは避けるようにしましょう。

【避けたほうが良い成分】
・アスピリン、アセチルサリチル酸(商品名:バイエルアスピリン、バファリンAなど)
・サリチル酸ナトリウム
・サザピリン
・サリチルアミド(商品名:PL配合顆粒・ピーエイ配合錠など)
・エテンザミド(市販薬にも使われるので要注意!)
・ジフルニサル
・ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレン)
・メフェナム酸(商品名:ポンタール)

これらは、非ステロイド性抗炎症薬内の「サリチル酸系+α」と呼ばれるグループの解熱鎮痛・消炎成分です。

インフルエンザの際の市販薬の使用について、あわせて関連記事も参考にしてください。

さいごに

平熱は人によって差があるため、普段から自分や子どもの平熱を把握して発熱の具合を確かめ正しく座薬タイプの解熱剤を使用するようにしましょう。
また、解熱剤の使用についてはさまざまな意見があるため、なにか心配なことがある場合には担当医や薬剤師に相談するようにしてください。

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