生理前の吐き気の原因は?妊娠とPMSの違いを見わけよう

生理前の吐き気にはさまざまな原因が考えられます。特に注意したいのは妊娠の初期症状。PMS(月経前症候群)とは症状やタイミングが異なります。妊娠の初期症状を見逃さないためにも、生理前の吐き気について確認しましょう!

生理前におこる吐き気の原因は?

生理前には、胃や下腹部の痛み、下痢や便秘、頭痛、のぼせやめまいなどさまざまな体調の変化がみられます。

基本的にこれらは、PMS(月経前症候群)の症状だと考えられています。

PMSとは、生理が始まる前の間におこる心と身体のさまざまな不調のこと。

原因はまだはっきりしていないのが現状ですが、

 

■プロゲステロン(黄体ホルモン)の影響

■ビタミンやミネラルの欠乏

■脳内物質の低下

 

などが主な要素であると考えられています。

 

身体の症状に影響するのはプロゲステロンとビタミンやミネラルの欠乏です。

プロゲステロンは女性ホルモンの一種で、排卵〜生理前に分泌される黄体ホルモンです。プロゲステロンは脳内物質や水分代謝に影響を及ぼすため、体調が不安定になると考えられています。

また、PMSの人はビタミン・ミネラルなどの栄養素が欠乏状態にあるといわれているため、これらの栄養素がPMSに関係しているとの考えもあります。

 

心に関する症状には脳内物質の低下が影響しているといわれています。

排卵後は卵胞ホルモンの分泌が減少します。すると、喜びを感じる脳内物質であるセロトニンが急激に低下し、ネガティブが感情を引き起こすと考えられているのです。

 

生理前の吐き気もPMSの症状の一つといわれています。

しかし、生理前の吐き気はすべてPMSだといい切れない場合があります。

 

その理由が妊娠の初期症状としての吐き気。

いわゆるつわりの場合があり、どちらも生理前におこるため見分けがつかない場合があるのです。

 

妊娠でのつわりの場合、PMSの吐き気とは対処の仕方や吐き気を伴う期間が異なります。何より妊娠初期は、できるだけ早く妊娠を確認し、身体をいつも以上に大切にしなければいけない時期でもあります。

 

この記事では、妊娠にともなう生理前の吐き気について解説していきます。

 

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妊娠が原因の吐き気は妊娠4〜7週頃におこる

妊娠初期症状の吐き気(つわり)の原因はまだ解明されていません。

しかし、ホルモンの変化が最大の原因であると考えられています。

 

吐き気に関わるのはhCGホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピンホルモン)です。

妊娠することによりhCGホルモンの分泌が急激に増えます。hCGホルモンの分泌が急激に増えると脳の嘔吐中枢を刺激し、吐き気がおこるといわれています。

 

つわりは妊娠4〜7週頃に始まり、8〜11週にピークをむかえ、12〜16週頃に終わる人が多いとされています。

つわりは個人差が激しく、軽い症状であったり、まったくつわりを感じない人もいれば、妊娠期間中ずっと嘔吐症状が続く人もいます。

 

つわりが異常に重症化した状態を妊娠悪阻(にんしんおそ:hyperemesis gravidarum)といい、軽度の妊娠悪阻の場合は脱水症状、尿たんぱく、尿中ケトン体の出現などの症状がみられることがあります。

重度の場合は、肝機能の低下や不整脈、脳障害(ウェルニッケ脳症)がおこることもあります。

気をつけるべき症状

  • つわりの症状が持続的で激しい吐き気や嘔吐をもよおす
  • 体重が5kg以上減少
  • 一日に何度も吐いてフラフラしたり脱水状態になる
  • 数日間ほとんどなにも食べられない

上記の症状が現れた場合はすぐに産婦人科を受診しましょう。放っておくと新たな病状があらわれる可能性もあるばかりか、赤ちゃんへの影響も心配されます。

「PMSだろうからいずれおさまるだろう」と思ったり、「つわりは妊婦にとって当たり前のことだから」と無理をする必要はないのです。

 

通院治療で済む場合もあれば、入院での治療が必要な場合もあります。医師の指示に従い、きちんとした対策をとりましょう。

つわりの症状は吐き気だけではありません

つわりと聞くと吐き気や嘔吐を真っ先に想像する人が多いのではないでしょうか。

しかし、つわりというのは妊娠初期の不快な症状の総称であり、吐き気以外にも様々な症状があります。

 

■においづわり

ご飯が炊けるにおいや煮物の湯気など、それまではなんともなかった香りが急に不快になったりすることがあります。自律神経が不安定になることで起きると考えられています。

 

■眠りつわり

疲れが溜まっていたり、睡眠不足になっているわけでもないのに、眠くなってしまうことがあります。

これは妊娠によるホルモンバランスの変化に身体が追いついていけないために起こるといわれています。

 

■食べつわり

ずっと何かを食べ続けていないと、吐き気をもよおしてしまうつわりの種類です。胃がムカムカする症状も、食べつわりが要因になっている可能性があります。

 

■よだれつわり(膵液過多症)

妊娠すると消化機能が低下するため、母体の水分代謝が悪くなります。そのため、体の中でドロドロの水のようなもの(水毒)が溜まり、唾液や鼻水が増える要因になります。

 

■頭痛

痛みかたは人それぞれですが、頭の片側がズキズキ痛んだり、偏頭痛を感じたりします。

妊娠によるホルモンや体調の変化、ストレスなどで脳血管が拡がり、神経が圧迫されたり引っ張られることで生じます。

また、痛みの種類が生理痛の時に起こるような頭痛を感じる人もいます。

 

吐き気の原因にもなっているhCGホルモンもつわりの原因ですが、その他の原因として、

 

・女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンの分泌が活発になるため

・環境や体調の変化によるストレス

・ホルモンバランスの変化で自律神経が失調するため

・精子の侵入や胎児を母体が異物と判断してアレルギー反応をおこすため

 

などが考えられています。

妊娠の初期症状とPMSの吐き気の違い

妊娠初期症状の吐き気とPMSの吐き気の決定的な違いは吐き気を感じる期間です。

 

妊娠によるつわりの場合、妊娠初期だけでも数週間に渡って吐き気が続きます。

PMSの場合は生理の3〜10日前ぐらいから吐き気を感じ、生理が始まればおさまります。

10日以上、吐き気を感じる場合はPMSではなく、妊娠の可能性も考えられます。

 

女性は妊娠すると初期症状として、

 

■吐き気

■匂いに敏感になる

■頭痛

■腹痛、チクチクする下腹部の痛み

■腰痛

■おりものの変化

■微熱が出た時のようなだるさが続く

■異様な眠気

 

などがあります。吐き気を含めたこれらの症状はPMSでもみられ、妊娠の初期症状であるのを見逃してしまうこともあるので注意が必要です。

妊娠の兆候に気づくには基礎体温表が有効

妊娠すると基礎体温が下がらなくなったり、普段より高体温が続くという症状がみられます。

 

生理前におこることから、妊娠とPMSの吐き気は見分けづらいものですが、どちらが原因かを調べる上で基礎体温の変化が大きな手がかりになります。

高温期が続き、下がる傾向が見られないときには妊娠初期の可能性が高いといえます。

 

生理前に吐き気の症状がよくある、妊娠の兆候に早く気づきたい、そのような方は特に普段から基礎体温をつけておくことをおすすめします。

 

そして、基礎体温の記録から妊娠の兆候を感じたら、妊娠検査薬を使ったり婦人科を受診することで妊娠の確認をするようにしましょう。

 

妊娠の兆候を調べるのに便利なグッズはインターネットでも購入可能です。

つわりによる吐き気の対策

生理前の吐き気がつわりだった場合、長期間、吐き気と闘わなければならない人もいます。

ここでは、つわりによる吐き気を乗り切るポイントを紹介していきます。

食べられるときに食べられるものを

つわりによる吐き気が辛い時期には、1日3食を摂るなどの規則正しい食生活が難しい状況になります。

 

食べられるものや調理法が限られる場合もあるので、この時ばかりは食べられる時間帯に食べられるものを食べるようにしましょう。

少量であってもお腹の中に入れて栄養にするのが大切です。

 

また、水分が不足すると脱水症状や尿の濃度も増してしまいます。食べ物はなかなか摂れなくても、水分だけはきちんと摂るようにしましょう。

 

妊娠初期なら栄養の量やバランスはさほど気にしなくてもよい時期とされています。つわりによる吐き気でおもうような食事を摂れないからといって、過剰に心配をしなくてもいいので安心してください。

サプリメントを有効に使う

ビタミンB群の一種である葉酸の不足は流産や胎児の奇形の原因になることが多いとされています。

 

吐き気によって食べ物を受けつけない時はサプリメントを使って必要な栄養を摂取しましょう。

葉酸とともに、葉酸の吸収に必要なビタミンB12、B6、ビタミンCなどの栄養も同時に摂ると効果的です。

 

食物の中ではイチゴ、グレープフルーツ、ほうれんそう、ブロッコリーなどに葉酸が含まれています。

 

赤ちゃんに必要な栄養は母親から赤ちゃんに優先的に行くようなしくみになっています。大切な栄養は積極的に摂るようにしましょう。

無理をしない

吐き気だけではなく、その他にもさまざまなつわり症状がでる可能性もあります。炊事や公共の交通機関の中で感じるにおいにも敏感になったり、心身ともに不安定になりがちです。

 

家族の理解を求め、食事の準備を変わってもらったり惣菜を買って済ませるなど、無理をせず、つわりを誘発しないようにしましょう。

 

精神的な要因もありえるので、体調がよければ好きな雑誌や映画をみたり、家の近くを散歩するなど、外出して気分転換をするのもいいでしょう。

 

また、仕事を持っている方は男女雇用機会均等法により、通勤による負担を減らすための時差出勤や短縮勤務をすることが可能です。

産院の医師に必要事項を母子手帳へ記入してもらい、職場に申請すれば権利を取得することができます。

 

[参考] 厚生労働省:働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について

妊娠していたら吐き気止めなどの薬を飲むのは危険です!

PMSで吐き気が強い場合、婦人科を受診すると吐き気に対して効果のあるナウゼリンなどの薬を処方してもらう場合が稀にあります。

 

しかし、PMSではなく妊娠による吐き気だとしたら、ナウゼリンをはじめとした吐き気止めの薬を飲むのは危険です。薬を飲むことによって胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

生理前の吐き気が強いようなら無理をせず、婦人科を受診するようにしましょう。

もしも手元に吐き気止めの薬を持っていたとしても、自己判断で飲むことは避け、必ず医師の指示に従うようにしましょう。

おわりに 〜吐き気が知らせるサインを見逃さない〜

妊娠の可能性が考えられる方は、生理前に吐き気をもよおした場合、PMSと共に妊娠の可能性を考えましょう。

 

PMSと妊娠。どちらが原因かわかりづらい場合もありますが、妊娠の場合は食べるのを控えたほうがいい食物、飲むのを控えたほうがいい飲み物もあります。

また、PMSのために飲む薬でも妊娠中であれば控えたほうがいいものもあります。

 

原因が違えば対処の仕方や注意事項もかわります。自己判断せずに吐き気をもよおしはじめたタイミングや基礎体温をはかり、表につけてみるなどして冷静に判断をするようにしましょう。

 

そして、あまりに症状がひどい場合や原因が分からない場合は無理をせず、婦人科を受診するようにしましょう。

 

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ミナカラ
インフルエンザの基礎知識・予防・治療・お薬まで

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