生理中から生理後まで続く下痢!生理で下痢になる原因と仕組みを解説

生理トラブルの中でも下痢や下腹部痛は多くの女性が経験する悩み。普段は便秘気味なのに、生理期間になると下痢になりやすいのはなぜなのでしょうか。生理と下痢の関係、原因とプロセス、注意点について解説!

生理痛とひとことで言っても、その症状は人によってさまざま。

生理に関するトラブルは、生理前から起こるPMS(月経前症候群)をはじめ、生理が始まると生理痛になり、時には月経困難症など日常生活が困難になるほど生理トラブルにみまわれる人も少なくありません。

特に生理中は子宮や腸の働きが変化するため、普段は便秘気味だという人が、生理中には約15~20%の人が下痢になるといわれています。

生理が始まってから次の生理までの間には、時期によって分泌されるホルモンの量が異なり、女性の身体はホルモンバランスに大きな影響を受けているためです。

生理周期に見られるホルモンの変化

生理周期は人によって異なりますが、正常範囲は25日~38日とされ、平均で28日周期といわれています。

女性の生理周期は、①月経期→②卵胞器→③排卵期→④黄体期という4つの周期を繰り返します。

周期ごとにホルモンの分泌量は、以下のように変動しています。

エストロゲン(卵胞ホルモン)

エストロゲンは、生理が終わってから排卵までに多く分泌されます。

子宮の活動を活発にしたり代謝を高めるなど、女性らしさや若々しさを促すホルモンです。

プロゲステロン(黄体ホルモン)

プロゲステロンは、排卵後から生理までに多く分泌されます。

受精や着床を助けて妊娠に備えるためのホルモンで、栄養や水分を蓄えるために代謝を下げ、むくみや肌の不調、腸の働きを鈍らせます。

これら2つのホルモンに加え、生理の直前から生理中には、プロスタグランジンの分泌も加わります。

プロスタグランジン

妊娠しなかった場合に、生理直前から生理中に分泌されます。

子宮を収縮させて経血を体外へ排出させる役割がありますが、子宮だけではなく胃腸も収縮させる作用があります。

生理に下痢になる主な原因は、生理周期によってこれらのホルモンバランスが変動することによるものです。

生理中に下痢になるプロセス

生理周期に関わる下痢は、特にプロゲステロンとプロスタグランジンが深くかかわっています。

下痢が起こるプロセスを見ていきましょう。

プロゲステロンの低下

排卵後には、妊娠、出産に備えるために、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が多くなります。

その際、排卵後から生理前には代謝の低下や腸の動きが鈍り、まずは便秘が起こりやすくなります。

ところが、妊娠が成立しなければ生理に向かってプロゲステロンの分泌は低下します。

すると、これまで抑えらていた代謝や腸の動きが元に戻って活発になり、蓄えられていた水分を一気に排出しようします。

そのため生理直前から生理中にかけては下痢になりやすくなるのです。

プロスタグランジンの増加

生理直前に、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が低下したことで、腸の動きが活発になると同時に、プロスタグランジンという物質も活発に分泌されます。

プロスタグランジンは、出産の時には陣痛を促す物質で、子宮周辺の筋肉を収縮させる作用があります。

妊娠が成立しなかった場合は、必要がなくなった子宮内膜を経血とともに外に排出する働きをします。その際、子宮だけではなく腸も収縮させてしまい、過剰な収縮が腸を刺激して、下痢や腹痛を引き起こします。

生理痛の強い人は、生理痛の少ない人より、プロスタグランジンの量が多いことが分かっています。

吐き気・腹痛・腰痛なども起こす

プロスタグランジンは痛みのもとともいわれる物質で、過剰に分泌すると下痢だけでなく吐き気や下腹部痛・腰痛をはじめ、頭痛やだるさなど、生理痛が悪化します。

一般的に生理が終われば、下痢や生理痛は治まりますが、生理中に発生するプロスタグランジンの分泌量が多いと、腸の収縮が続き、生理後も下痢や腹痛などが続いてしまいます。

逆にプロスタグランジンの分泌が少ない人は、生理痛がほとんどないこともあります。

生理以外のトラブル・妊娠の可能性について

生理の症状には個人差がありますが、単なる生理痛ではないものもあるため注意が必要です。

月経困難症

生理痛の中でも日常生活に支障が生じるような状態、治療が必要な状態を月経困難症といいます。

主な症状は、生理に伴う下腹部痛、下痢、腰痛、頭痛、イライラ、食欲不振、吐き気、嘔吐をはじめ、失神することもあるなどの激しい生理痛です。

月経困難症は2つのタイプに分かれます。

■プロスタグランジンの過剰分泌による(機能性)

■子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が隠れている(器質性)

特に器質性月経困難症は、不妊症の原因となることもあります。単なる重い生理痛ではないこともあるため、とてもつらいと感じる場合は、一度婦人科を受診しましょう。

生理後の下痢・吐き気は妊娠の可能性も

生理だと思っていた出血は着床出血だったということもあります。

着床とは、精子と卵子が融合してできた受精卵が子宮内膜に根つくことをいい、妊娠の成立を意味します。

着床出血は、妊娠超初期症状として見られるもので、受精卵が子宮内膜にもぐり込む際に、子宮内膜を少し傷つけるために出血が起こるものです。正式には月経様出血といいますが、わかりやすく着床出血といわれています。

着床出血の特徴は、出血はごく少量で、2~3日で治まりますが、生理と間違えやすく、あとで着床出血だったとわかることも多いです。

妊娠超初期症状は、腹痛、下痢、胸の張り、腰痛、強い眠気、倦怠感、吐き気などがあり、吐き気は妊娠初期のつわりかもしれません。

生理と着床出血は間違えやすいのですが、見極めの目安として普段から基礎体温を付けたり、下痢症状の他にも、合わせて妊娠初期症状があるかどうかをチェックしてみましょう。

妊娠の判定については、出血が見られてから2週間後であれば、妊娠時のホルモン(hCG)が検出されるため、妊娠検査薬で確認できます。

下痢は生理前にも起こりやすいため、妊娠との見分け方や薬の使用・注意点などは連記事をご覧ください。

生理前に決まって下痢になる…下腹部が痛い…など生理前にはさまざまな不調が起きることがありますが、そのカギとなるのが女性ホルモンの変動です。また生理前には妊娠初期症状として下痢が起きることも!生理前に起きる下痢の原因について解説!

さいごに

生理で下痢が起こる原因やプロセスがお分かりいただけると思いますが、時に病気が隠れていることもあるため、強い生理痛がある場合は、一度婦人科で診察を受けることをオススメします。

生理に伴う症状はさまざまで、妊娠や他の病気との見分けが付きにくいこともあるため、生理前後の下痢が起きる原因やプロセスを知っておくとよいですね。

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