超短時間〜長時間型睡眠薬の選択法と服用中にケアすべきポイント(ハルシオン・マイスリー・デパスなど)

睡眠剤の違いと選択方法を解説。睡眠薬を使用しているときに気をつけるべきポイントもご紹介します。

はじめに

不眠は実はとても身近な症状。悶々と悩まれている方も多いのではないでしょうか。

2014年に厚生労働省が行った国民健康・栄養調査によると「睡眠で休養が十分にとれていない人」は約20%であり、実に日本人の約5人に1人が不眠に悩んでいるといえます。

厚生労働省の「抗不安薬・睡眠薬の処方実態についての報告」によると、2009年における睡眠薬の推定処方率は4.7%であり、医師から処方される抗不安薬や睡眠薬を飲んでいる人は全国で600万人いると考えられます。市販の睡眠改善薬もありますが、しっかりと治療するために処方薬を使われている方も多いのです。

ミナカラにも「ハルシオンとマイスリーはどちらが強いの?」「ハルシオン・マイスリー・ルネスタの使い分けはどうするのがいいの?」といったような、睡眠剤の違いの悩みをご質問いただく事がたくさんあります。

今回は睡眠薬の種類や選択について解説します。

なお、睡眠薬とセットで処方されることが多い「抗不安薬」を使われている方はベンゾジアゼピン系抗不安薬の解説記事も併せて確認しておくとよいでしょう。

この記事のポイント

① 睡眠薬の選択法を紹介

睡眠薬を使っている時にケアするポイントを紹介

睡眠薬の選択法について:不眠の種類・睡眠薬の効果時間・不安の強弱と治療薬との関係

睡眠薬の選択法を整理してみましたのでまずはこちらの図をご覧ください。

寝付きに問題があるのか夜間に目が覚めてしまうのかで選択肢が変わる

まず、不眠の種類によって薬の選択が変わってきます。

寝付きが悪い方(ふとんに入って眼を閉じてもなかなか睡眠状態に入れない方)は効きが早い「超短時間型・短時間型」の睡眠薬が検討されます。

超短時間型の代表例にはハルシオン(トリアゾラム)・マイスリー(ゾルピデム)・アモバン(ゾピクロン)・ルネスタ(エスゾピクロン)などがありますが、超短時間型の睡眠薬は服用後10〜20分程度で効果が出てきて、6時間ほど効果を発揮します。

一方、十分な睡眠時間が取れていないまま夜間や早朝に目が覚めてしまう方には効きが長い「中間型・長時間型」の睡眠薬が検討されます。

これらの薬は12時間以上効果が続き、途中で目が覚めるのを防いでくれます。

睡眠以外の症状によっても選択肢が変わる

不眠の理由が不安などの神経症状的なものから来ている方も多いかと思います。

また、関連して肩こりや体の緊張等がある方も多いものですが、そういった症状をお持ちの方は不安症状にも効果のある睡眠薬を使うことがあります。

たとえば、ハルシオンには不安症状を改善する効果もあり、不安症状と寝付きに悩んでいる方に使われる事が多いです。また、不安が強い時は不安を抑える効果のあるレンドルミン(ブロチゾラム)、デパス(エチゾラム)などが併用されることも多いです。

なお、同じ超短時間の薬でもマイスリーには睡眠の質を改善する(徐波睡眠(ノンレム睡眠のステージ3、4)を強化して、しっかりとした睡眠をとりつつ、6時間で効果が切れるのですっきりと眠れる事ができる)といったメリットやふらつきや脱力感などの副作用が少ないといったメリットもあります。

薬ごとの特徴を活かす形で悩みに合わせて選択肢を変えることもできるでしょう。

睡眠薬を使っている時にケアするポイント

睡眠薬は医薬品なので副作用も含めて注意するべきポイントを確認しましょう。

日中に眠気が出てしまうこともあるので運転や注意力のいる作業には気をつける

作用が「睡眠効果」であることから、効きすぎたり、効果の時間が長かったりすることで翌朝以降にも薬の影響が見られたり日中に眠気がでることもあります。薬を飲んだ日の翌日はあまり無理のない生活を送るようにしましょう。

お酒で効果が出過ぎてしまう事があるので気をつける

アルコールや他の中枢神経系を抑制する薬を一緒に飲むと、睡眠薬の効果が強く出てしまい、副作用も含めてさまざまな症状がでる可能性があるので、なるべくお酒は飲まないようにしましょう。

長期間毎日使っている場合は自己判断で中止しないように気をつける

睡眠薬を長期間連続で飲んでいて突然飲むのをやめるとかえって眠れなくなることがあります(反跳性不眠)。

また、頭痛・めまい・耳鳴り・しびれ・不安などの症状が出てくる事もあるので(退薬症状)、長期間連続で使っている方は、徐々に薬の量を減らしていって中止する等のケアが必要な場合があります。

睡眠薬はあくまで処方薬なので自己判断で中止せず、病院で処方量を徐々に減らしてもらいながら止めていってくださいね。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の代表的な副作用

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の代表的な副作用としては以下のようなものがありますので使用中は注意しましょう。

・持ち越し効果
目が覚めてからも睡眠効果が影響してしまう副作用です。具体的には眠気やふらつきといったものが日中に出る事があります。

・筋弛緩作用
これも「肩こり」や「緊張」を改善するという効果の裏返しですが、脱力感や転倒などに繋がることがあります。

・記憶障害
前向性健忘といって、眠る直前の記憶を忘れてしまうような副作用があります。これは超短時間型の薬に特徴的な副作用です。

・常用量依存
薬へ依存をしてしまう副作用があげられています。睡眠薬に耐性はないので、無闇に飲む量を増やさないようにしましょう。

・離脱症状・退薬症状・反跳性不眠
突然薬を飲むのを止めると不眠、不安、イライラ感、筋肉痛などが起きる事があります。自己判断で増やしたり減らしたりするのは避けましょう。

おわりに

不眠症は医療機関で相談しながら丁寧に治療をしていくことで治す事ができる病気です。薬を使用するときは、注意すべきポイントを抑えつつ、自分にあった薬を見つけていってくださいね。

ミナカラ
【現役の薬剤師が教えます】

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