防已黄耆湯はダイエットに効果はある?
防已黄耆湯にダイエット効果はありませんが、肥満症を改善する効果はあります。
肥満症とは、肥満によって健康状態に悪影響が出ていたり、内臓脂肪が過剰に蓄積したりしている状態のことを指します。
防已黄耆湯は、余分な水が体にたまりやすい水太りタイプの肥満症を改善することで、肥満症の方のダイエットのサポートが期待できます。
防已黄耆湯が適している方
防已黄耆湯は、水太り体質の方やむくみやすい方の肥満症に適した漢方薬です。
防已黄耆湯には、水分代謝を活性化させむくみの原因となる余分な水分の排出を促す働きや、脂質代謝を活性化させ余分な脂肪を分解・燃焼する働きがあります。これらの働きにより、水太り体質の方やむくみやすい方の肥満症に効果をあらわします。
効能効果 |
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体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症( 筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり) |
効果があらわれるまでの期間
防已黄耆湯を服用しはじめてから効果があらわれるまでの具体的な日数には、個人差があります。
なお、防已黄耆湯を服用後、1か月程度経過しても効果が現れない場合は、薬が合っていないなど、他の原因が考えられるため、一度医師または薬剤師に相談してください。
防已黄耆湯が配合された市販薬
コッコアポL錠
コッコアポL錠 60錠【第二類医薬品】
効能効果 |
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体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり) |
防已黄耆湯が配合された錠剤タイプの漢方薬です。5歳から服用できます。
錠剤自体が生薬特有の味やにおいを感じにくいようフィルムコーティングされているため、漢方薬に慣れていない方でも比較的服用しやすいです。
防已黄耆湯エキス錠Fクラシエ
クラシエ防已黄耆湯エキス錠F 180錠【第二類医薬品】
効能効果 |
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体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり) |
防已黄耆湯が配合された錠剤タイプの漢方薬です。漢方の味やニオイが苦手な方におすすめです。
5歳から服用できます。
ビスラット アクリアEX
ビスラットアクリアEX 70錠【第二類医薬品】
効能効果 |
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体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)、むくみ、肥満に伴う関節の腫れや痛み、多汗症 |
防已黄耆湯が配合された錠剤タイプの漢方薬です。漢方の味やニオイが苦手な方におすすめです。
1日2回だけ飲めば良いので、お仕事などで日中薬が飲めない方や昼間に飲み忘れの多い方にもおすすめです。
15歳から服用できます。
ツムラ漢方防已黄耆湯エキス顆粒
ツムラ漢方防已黄耆湯エキス顆粒 20包(第2類医薬品)【第二類医薬品】
効能効果 |
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体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり) |
防已黄耆湯が配合された顆粒タイプの漢方薬です。2歳から服用できます。
顆粒タイプのため、錠剤を飲み込むのが苦手な方に適しています。
1日2回だけ飲めば良いので、お仕事などで日中薬が飲めない方や昼間に飲み忘れの多い方にもおすすめです。
防已黄耆湯の副作用
防已黄耆湯の副作用として、次のような症状が報告されています。
防已黄耆湯を服用後に副作用とみられる症状があらわれた場合や、気になる症状がある場合は、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
関係部位 | 症状 |
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皮膚 | 発疹・発赤、かゆみ など |
消化器 | 食欲不振、胃部不快感 など |
■重篤な副作用があらわれた場合について
まれに、下記の重篤な副作用があらわれる場合があります。その場合は直ちに医師の診療を受けてください。
症状の名称 | 症状 |
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間質性肺炎 | 階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空せき、発熱等がみられ、これらが急にあらわれたり、持続したりする |
肝機能障害 | 発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる |
防已黄耆湯と他の薬との飲み合わせ
防已黄耆湯と他の薬を併用するときは、服用前に医師または薬剤師に相談してください。
複数の薬を服用すると配合されている成分が重複し、作用が強く出過ぎたり、思わぬ副作用を引き起こすおそれがあります。
防已黄耆湯と同じく肥満症に効果のある漢方薬
肥満症に効果のある漢方薬には、防已黄耆湯の他にも防風通聖散や大柴胡湯などがあります。
それぞれ適した体質や症状が異なるため、ご自身の体質や症状に合わせて適切なものを選びましょう。
体質や症状に合わない漢方薬を服用すると、効果がないばかりか思わぬ副作用を起こすおそれがあります。
防風通聖散や大柴胡湯が配合された漢方薬については、以下の記事で紹介しています。
防已黄耆湯の肥満症改善の効果を高めるために大切なこと
防已黄耆湯の肥満症改善の効果を高めるためには、薬を服用するだけでなく、食生活や運動習慣、生活スタイルを見直すことが大切です。
食生活を見直す
体重の増減は、摂取エネルギーと消費エネルギーの差で決まるため、食生活においては摂取エネルギーを適正に保つことを意識しましょう。
また、肥満症の食事療法では以下の内容が推奨されています。
・摂取エネルギーは1日あたり25kcal×標準体重kg以下とする(例:標準体重60kgの場合、1日あたり1,500kcal以下) ・栄養素の配分目安は糖質50〜60%、たんぱく質15〜20%、脂肪20〜25% |
なお、糖質制限食は短期的に減量効果は大きいものの、長期的には差が見られないことも多いため、極端な糖質制限は推奨されていません。
運動習慣を見直す
運動においては、有酸素運動が効果的で、散歩や、プールの中で歩く水中歩行などの低〜中程度の運動を週5日程度行うと良いとされています。
運動の強さは、血圧も脈拍もそれほど上がらない程度が望ましいとされています。
なお、身体の状態には個人差があるため、運動を行う際には一度医師に相談するとよいでしょう。自己判断で急に激しい運動をすることは控えましょう。
生活スタイルを見直す
肥満につながる生活習慣や行動を分析し、改善を目指すことも肥満症の改善には大切です。
例えば、ストレス解消のために食べ過ぎてしまう、朝食を抜いている、夕食をいつも遅い時間に食べるなど、問題となりそうな習慣や行動パターンを探してみましょう。
無意識のうちに行っていることに問題があるかもしれないため、食事日記を書くことで問題が見つかることもあります。