アシクロビルは体にやさしい抗ウイルス薬!

アシクロビルはイギリスのバローズ・ウエルカム社の研究者ガートルード・B・エリオンとジョージ・H・ヒッチングスによって1974年に開発された、人体に安全に使用できる「抗ウイルス薬」です。

アシクロビルはウイルス性の病原体を正常な細胞を傷つけずに抑え、ウイルスの繁殖も阻止するはたらきがあります。

アシクロビルは5つの症状に効果を発揮!

アシクロビルは皮膚に生じるウイルス感染症を抑えます。主に以下の5つの症状に効果を発揮します。

単純疱疹(たんじゅんほうしん)

単純ヘルペスともいわれ、「単純ヘルペスウイルス(HSV)」が皮膚や粘膜に感染することで水ぶくれやただれなどの症状が生じます。

血液の元となる細胞移植時の単純疱疹

血液中にある細胞の赤血球、白血球、血小板をつくり出す血液の元になっている造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)を患者に移植する際、単純ヘルペスウイルスや帯状疱疹ウイルスが活性化することを抑え感染症を予防します。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

「痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」が水痘による発疹から神経を伝わり後根神経節内に潜伏感染します。そして、潜伏感染していた帯状疱疹ウイルスが何らかの作用を引き起こし、再活性化して帯状疱疹が発症します。

水痘(水ぼうそう)

小児の場合、水痘(水ぼうそう)の症状にもアシクロビルは効果を発揮します。

水痘帯状疱疹ウイルスによって起こる急性の伝染性疾患です。皮膚に発疹やかゆみ、水ぶくれなどの症状を引き起こします。帯状疱疹を発症している患者と接触することによって水痘が発症することもあります。

性器ヘルペスの再発

性器ヘルペスは「単純ヘルペスウイルス(HSV)」が性器、または周辺に感染し、水ぶくれや潰瘍等の症状があらわれます。

アシクロビル軟膏の使い方や効果・副作用

アシクロビル軟膏は主に単純疱疹の症状に効果があります。

症状があらわれている部分に1日に数回ほど適量塗ってください。

アシクロビル軟膏を使用するタイミングは発症の初期段階に近いほど、改善効果が期待できます。症状があらわれたら早めにアシクロビル軟膏を使用してください。

また、アシクロビル軟膏を7日間使用しても症状が改善しない場合や悪化した場合は使用を中止し医師の診療を受けてください。

アシクロビル軟膏の副作用

アシクロビル軟膏を使用した際に、報告されている副作用と思われる症状は以下の通りです。

・皮膚の刺激感や灼熱感
・皮膚の乾燥やかゆみ
・接触皮膚炎
・紅斑性発疹

他にも副作用と思われる症状があらわれた場合はアシクロビル軟膏の使用を中止し、医師の診療を受けてください。

アシクロビル錠の飲み方や効果・副作用

アシクロビル錠は200mgと400mgがあります。また、症状によって用法用量を調整します。

アシクロビル錠は単純疱疹や帯状疱疹を改善、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症 (単純疱疹)の発症抑制、性器ヘルペスの再発抑制などの効果があります。

【単純疱疹の場合】

通常15歳以上の成人にはアシクロビル錠200mgを1回とし、1日に5回飲んでください。

小児の場合、体重1kg当たりアシクロビル錠20mgを1回とし1日に4回飲んでください。ただし、1回の最高用量は200mgが上限です。

【帯状疱疹の場合】

通常15歳以上の成人にはアシクロビル錠800mg(400mgを2錠)を1回とし、1日に5回飲んでください。年齢や症状によって調節します。

小児の場合、体重1kg当たりアシクロビル錠20mgを1回とし1日に4回飲んでください。ただし、1回の最高用量は800mgが上限です。

【単純ヘルペスウイルス感染症 (単純疱疹)の発症を抑制】

通常15歳以上の成人にはアシクロビル錠200mgを1回とし、1日5回、造血幹細胞移植7日前〜移植後35日まで飲んでください。

小児の場合、体重1kg当たりアシクロビル錠20mgを1回とし、1日4回、造血幹細胞移植施行7日前〜施行後35日まで飲んでください。1回の最高用量は200mgが上限です。

【性器ヘルペスの再発を抑制】

小児の場合、体重1kg当たりアシクロビル錠20mgを1回とし、1日4回飲んでください。1回の最高用量は200mgが上限です。また、年齢や症状によって調整します。

アシクロビル錠の副作用

アシクロビル錠の副作用は発現頻度が明確にはなっていませんが、以下のような症状があらわれた際は副作用の可能性があります。

・発熱、発疹などの過敏症
・下痢や嘔吐、腹痛、胃痛、食欲不振など
・頭痛、全身の倦怠感、失神など

アシクロビル錠を使用した際に体に異常を感じた時はすぐに使用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

目に使えるアシクロビル眼軟膏!

アシクロビル眼軟膏は、単純疱疹ウイルスが目などに感染した際に引き起こされる角膜炎などの症状の改善に効果を発揮します。

「眼軟膏」は目薬よりも効果を長く持続させることができ、無菌製剤処理をおこない調製しているので目の中に入れても安心な薬です。

アシクロビル眼軟膏は患部に適量を1日5回ほど塗って使用します。症状によって使用する回数や量を調整します。

また、アシクロビル眼軟膏を使用するときはコンタクトレンズの着用を控えてください。

アシクロビル眼軟膏を塗るときの主な手順

アシクロビル眼軟膏を目の中に塗る主な手順は以下の通りです。

①事前に手を洗い清潔にしておきます。

②下まぶたをひっくり返し、薬剤のチューブの先端が眼球などに触れないようにして下まぶたにアシクロビル眼軟膏をのせます。

③塗ったあとは目を閉じ、軽くやさしくマッサージします。

④使用後のチューブは先を綺麗なティッシュ等で拭き取り清潔にしておきます。

うまくアシクロビル眼軟膏を塗れないなどの場合は医師や看護師に相談してください。

アシクロビル眼軟膏の副作用

アシクロビル眼軟膏の主な副作用は以下の通りです。

・びまん性表在性角膜炎、結膜びらん、結膜炎など
・接触皮膚炎、血管浮腫、蕁麻疹など

上記以外でも副作用と思われる症状があらわれた場合は使用を中止し、医師の診療を受けてください。

アシクロビルの使用でアシクロビル脳症を発症するケース

アシクロビル脳症とは?

アシクロビルの内服や注射剤を使用すると、まれにアシクロビル脳症を発症するおそれがあります。

アシクロビル脳症とはアシクロビルの使用によって引き起こされる精神神経症状です。特に腎不全の患者が発症するケースが多く報告されています。

アシクロビル脳症の主な症状は以下の通りです。

・意識障害、構音障害(声や発声をうまく出せない障害)
・幻覚、錯乱など
・昏睡、傾眠など

症状はアシクロビルの使用開始から3~5日で発症することが多く、頭部MRIや髄液検査では異常がほとんど確認できないというのが特徴です。

アシクロビル脳症の治療は、まずアシクロビルの使用中止や血液透析などで血液を浄化することによって症状は改善します。

アシクロビルのジェネリック医薬品

アシクロビルのジェネリック医薬品は「沢井製薬」「田辺三菱製薬」「武田テバ」「東和薬品」など様々なメーカーから販売されています。

各メーカーから販売されているアシクロビルの情報が以下のリンク先に掲載されているのでぜひごらんください。

おわりに

アシクロビルは医師から処方される処方薬です。軟膏や錠剤、顆粒タイプなど様々な剤形があり用法用量も異なります。

アシクロビルは単純ヘルペスなどの初期症状になるべく早く使用することで効果を発揮しますので、症状にお悩みの方はなるべく早めに医師の診療を受けることも大事です。