ジャディアンスとは?

ジャディアンス錠は、2型糖尿病の治療に使われる薬です。

糖尿病治療の基本である食事療法と運動療法を十分に行い、効果が得られなかった場合に使用します。

2型糖尿病の治療薬の中では新しい薬で、2015年2月に販売が開始されました。

SGLT2阻害薬に分類される

糖尿病治療薬は作用の違いによって種類が分かれますが、ジャディアンス錠は「SGLT2阻害薬」に分類される薬です。

SGLT2阻害薬であるジャディアンス錠は、腎臓に作用することで血糖値を下げます。尿中に糖を出して血糖値を下げる、という発想がSGLT2阻害薬の開発につながりました。

ジャディアンスの効果

腎臓で糖を血中に戻さず、余分な糖を尿中に排泄することで血糖値を低下させる効果があります。

糖尿病の方の腎臓は、糖を運ぶたんぱく質である「SGLT2」の働きが強くなるため、正常よりも多くの糖を再吸収しています。ジャディアンス錠の有効成分エンパグリフロジンは、SGLT2の働きを阻害する作用があります。

ジャディアンスの用法・用量

通常、15歳以上の方は、エンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前か朝食後に飲みます。

効果が得られない場合には、医師の指示のもと25mgを1日1回に増量することがあります。

ジャディアンスの副作用

ジャディアンス錠の主な副作用として、頻尿、低血糖、口の渇き、便秘などがあります。なかでも低血糖は重大な副作用に含まれるため注意が必要です。

また、そのほかにも重大な副作用として、脱水、ケトアシドーシス、腎盂腎炎、敗血症が起こるおそれもあります。

低血糖

ジャディアンス錠とほかの糖尿病治療薬の併用で、低血糖が現れたという報告があります。ほかの糖尿病治療薬(特にスルホニルウレア剤やインスリン製剤)を併用する場合には、必ず決められた薬の量を守って使用してください。

また、糖尿病治療薬との併用以外でも低血糖を起こす場合があります。

脱力感や発汗といった低血糖の初期症状が現れた場合には、砂糖や糖質を多く含む缶ジュースなどをとって低血糖を予防しましょう。

脱水症状

脱水症状もジャディアンス錠の重大な副作用のひとつです。

ジャディアンス錠の使用で尿中に糖の排泄が増えると、水とナトリウムの再吸収が減少し利尿作用が起こるため尿量が増加します。

利尿が起こると脱水になりやすくなるため、ジャディアンス錠を使用しているときは十分な水分補給をしましょう。また、脱水は脳梗塞などの血栓症につながるため、脱水を起こしやすい高齢者は特に注意してこまめに水分をとってください。

口の中が渇いたり血圧が低下するといった脱水の初期症状が現れた場合には、点滴などの適切な処置が必要となるため医師の診察を受けましょう。

ジャディアンスの使用上の注意

ジャディアンス錠が使用できない方

以下に当てはまる方はジャディアンス錠が使用できません。

・重いケトーシスの方
・糖尿病性昏睡や前昏睡の方
・重い感染症の方
・手術前後の方
・重い外傷がある方

また、高度腎機能障害の方や透析中の末期腎不全の方はジャディアンス錠の効果が期待できないため使用することはできません。

妊婦や授乳中の方

ラットの実験では妊娠中にジャディアンス錠を使用すると腎盂や尿細管の拡張や胎児に薬剤が移行することが報告されています。そのため、妊婦や妊娠している可能性のある方の糖尿病の治療には、基本的にジャディアンス錠ではなくインスリン製剤を使用します。

また、母乳にも薬剤が移行することが報告されているため、ジャディアンス錠の使用中は授乳を避けてください。

尿路感染症や性器感染症に注意

ジャディアンス錠の使用により、尿路感染症や膣カンジダ症などの性器感染症を起こすおそれがあります。尿路感染症は、腎盂腎炎や敗血症などの重い感染症になる危険性もあります。

ジャディアンス錠の使用開始時には、感染症の症状や対処方法について、医師からしっかりと説明を受けてください。

過度な糖質制限・食事量の不足などに注意

ジャディアンス錠は余分な糖を尿と一緒に排泄するため、血糖コントロールが良好な方であっても脂肪分解の増加により糖が必要以上に喪失してしまう場合があります。

そのため、以下に当てはまる方は糖の喪失によるケトアシドーシスが生じるおそれがあります。

・過度に糖質を制限した方
・食事を十分にとっていない方
・インスリン注射などの減量や中止をした方
・感染症の方
・脱水症状の方

おう吐、悪心、呼吸困難、過度に口が渇くといったケトアシドーシスの初期症状が現れた場合にはすぐに医師の診察を受けてください。

ジャディアンスのダイエット目的での使用は危険!

SGLT2阻害薬を使用すると、エネルギー源である糖が排出されて脂肪の利用が増えるため、体重の減少がみられます。

そのため、痩せることを目的にジャディアンス錠を個人輸入する方もいるようですが、糖尿病ではない方がジャディアンス錠を使用するのは副作用の危険性が高くなるため注意が必要です。

血糖値が正常な方がジャディアンス錠を使用すると低血糖になるリスクが増え、重度の低血糖は脳に障害が残ることもあります。また、脱水症状、膀胱炎、尿路感染、外陰部膣カンジダ症などの副作用が現れるおそれもあります。

ジャディアンス錠は、痩せるための薬ではなく、糖尿病の治療を考えて作られた薬です。2型糖尿病の治療のために医師から処方された方以外は、絶対に使用しないでください。

さらに、個人輸入した医薬品を使用して重大な健康被害が起きた場合、医薬品副作用被害救済制度(医薬品を正しく使用した場合に起きた重大な健康被害を救済する公的制度)は適用されません。個人輸入の必要性と危険性をよく理解しておきましょう。

まとめ

ジャディアンス錠は、2型糖尿病の治療に使用される薬です。副作用や使用方法について医師から十分な説明を受けてから使用してください。

また、体調が良くなったからといって自己判断で薬の使用を止めてしまったり、使用量を変えてしまうと糖尿病が悪化してしまうことがあります。必ず医師の指示を守って使用を続けましょう。