アタラックスとは

アタラックスはじんましんや皮ふのかゆみなど、皮ふのアレルギー症状をおさえる抗アレルギー薬の一つです。

また、不安をおさえ興奮を鎮める精神安定剤でもあり、眠りをうながす作用もあります。

アタラックス錠とアタラックス-Pの違いは?

アタラックス錠とアタラックス-Pの違いは、主成分と剤形の違いです。

  主成分 剤形
アタラックス錠 ヒドロキシジン塩酸塩 錠剤
アタラックス-P ヒドロキシジンパモ酸塩 カプセル剤・散剤(粉薬)・シロップ剤・注射液

主成分のヒドロキシジン塩酸塩とヒドロキシジンパモ酸塩は、成分の構造が違うために名前が異なりますが、効果にはほとんど違いがありません。

アタラックス-Pの主成分であるヒドロキシジンパモ酸塩は、ヒドロキシジン塩酸塩に比べて苦味が少ないため、カプセル以外の剤形で使用する場合に多少飲みやすくなっています。アタラックス-Pは年齢や症状に応じて使用する剤形を使い分けています。

アタラックスの効果

アタラックスは、じんましんやかゆみなど皮ふのアレルギー症状をやわらげるために使用されます。

アレルギー症状はヒスタミンという物質により引き起こされます。アタラックスはヒスタミンの作用をおさえ、じんましんや皮ふのかゆみをやわらげる効果があります。

また、神経症における不安や緊張、抑うつにも効果を発揮するため、手術前には不安を抑えるために麻酔の補助薬として使用されるケースもあります。

アタラックスの使い方

アタラックスは皮ふのアレルギー症状に使用される場合と、神経症に使用される場合で使い方が異なります。

なお、ドライシロップは使用する直前に水に溶いて使用します。

皮ふのアレルギー症状の場合

製品名 用法・用量(15歳以上の成人)
アタラックス錠 1日30~60mgを2~3回に分割
アタラックス-Pカプセル 1日50~75mgを2~3回に分割
アタラックス-Pドライシロップ
アタラックス-Pシロップ
アタラックス-P散
1日85~128mg(成分として50~75mg)を2~3回に分割

神経症の場合

製品名 用法・用量(15歳以上の成人)
アタラックス錠 1日75~150mgを3~4回に分割
アタラックス-Pカプセル 1日75~150mgを3~4回に分割
アタラックス-Pドライシロップ
アタラックス-Pシロップ
アタラックス-P散
1日128~255mg(成分として75~150mg)を3~4回に分割

アタラックスの使用上の注意

アタラックス錠やアタラックス-Pの成分、セチリジン・ピペラジン誘導体・アミノフィリン・エチレンジアミンを使用して過敏症状を起こしたことがある方、またポルフィリン症の方は使用できません。

妊娠中・授乳中の方の使用について

妊娠中の方や妊娠している可能性のある方は、アタラックス錠・アタラックス-Pを使用できません。

妊娠初期(約3か月)の人がアタラックスを使用した際に、口蓋裂などの障がいをもつ子どもが出産されたと報告されています。また、妊娠初期以後のアタラックスの使用により傾眠や筋緊張低下、離脱症状などさまざまな精神神経系症状、新生児低酸素症が現れたとの報告があるためです。

妊娠の有無や妊娠の可能性について、必ず医師に報告してください。

また、授乳中にアタラックスを使用する場合は、授乳を避けてください。授乳中の新生児に中枢神経抑制や緊張低下が現れたとの報告があります。

慎重投与

下記の症状・病気の経験がある方や治療中の方は用量を調節し、様子を見ながら使用することがあります。治療中の病気や過去の病歴について、必ず医師に伝えてください。

■てんかん等の痙攣性疾患

■肝・腎障害

■緑内障

■前立腺肥大など下部尿路の閉塞性疾患

■重症筋無力症

■認知症

■狭窄性消化性潰瘍

■幽門十二指腸閉塞など消化管運動の低下

■不整脈をが現れやすい

アタラックスの副作用について

アタラックス錠・アタラックス-Pの使用後は、眠気や倦怠感、口・喉のかわきといった症状が現れることがあります。

眠気はとくに起こりやすいため、アタラックス錠・アタラックス-Pの使用後は自動車や工業機械など重大な事故の危険性がある機械類の運転をしないでください。

重大な副作用

滅多に起こることはありませんが、次の重大な副作用を起こすおそれがあります。初期症状に注意し、症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診してください。

症名 初期症状
ショック、アナフィラキシー じんましん、胸の不快感、のどのむくみ、呼吸困難、顔面蒼白、血圧低下など
QT延長、心室頻拍
(torsades de pointesを含む)
心拍数の上昇など
肝機能障害、黄だん 肝機能検査値の異常、皮ふや白目が黄色く変色するなど
急性汎発性発疹性膿疱症 38℃以上の高熱、皮ふの広い範囲が赤くなる、赤くなっ た皮ふ上に小さな白いブツブツ(小膿疱:しょうのうほう )が出るなど

アタラックスの入手方法

アタラックスは医師の処方せんが必要な薬なので、医療機関以外では手に入れることができません。

個人輸入品などを販売しているインターネットサイトなどもありますが、個人輸入で手に入れた薬は「副作用救済制度」が受けられず、万が一、体に異変が生じた場合や後遺症が残った場合などに補償を受けることができません。

アタラックスが必要な場合は医療機関を受診し、医師に処方してもらいましょう。

アタラックスに市販薬はある?

2017年8月現在、アタラックスと同じ成分が配合された市販薬はありません。

じんましんやかゆみなどの症状が軽い場合は、自然に治まるのを待つか、市販のかゆみ止めなどを使用しましょう。