タミフルはA型・B型インフルエンザウイルスに効果あり!

タミフルは、A型・B型インフルエンザウイルスの増殖をおさえる抗インフルエンザ薬です。

カプセル剤とドライシロップの二種類が販売されており、飲みやすく薬の効果を安定的に得やすいことが特徴です。他の抗インフルエンザ薬が吸入薬や点滴剤であることに対して、カプセル剤とドライシロップがあるのはタミフルのみです。

また、5歳未満の小児や乳幼児にも使用できることもメリットです。

インフルエンザ発症後の治療としてだけではなく、発症前の予防としても使用することができます。

タミフルについて詳しくは関連記事をごらんください。

タミフルの副作用

タミフルカプセルとドライシロップの副作用の症状は大きく変わりはありません。

タミフルの主な副作用は、下痢、吐き気、嘔吐です。その他にも、腹痛、低体温・発疹なども報告されています。

タミフルの副作用の発生率

製薬会社の販売後の調査では、タミフルカプセルは2.1%、ドライシロップ剤(1~12歳の幼小児対象)は5.7%の副作用発生率が報告されています。

鎮痛薬のロキソニンの副作用発生率が3.03%であることと比較すると、タミフルが他の薬と比べて副作用が起きやすいということはいえません。

重大な副作用

頻度は不明ですが、重大な副作用として以下のような副作用が報告されています。

・ショック、アナフィラキシー
・肺炎
・劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
・皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)
・急性腎不全
・白血球減少、血小板減少
・精神・神経症状
・出血性大腸炎

タミフルを服用後に以下のような体調の変化が現れた場合は、重大な副作用につながるおそれがあります。副作用と考えられる不調が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

◼︎動悸・血圧低下、蕁麻疹・息苦しい
◼︎白目が黄色くなる
◼︎全身の皮膚の発赤・ただれ・水ぶくれ・口内炎・結膜炎
◼︎尿量の減少・むくみ
◼︎出血しやすい
◼︎血便
◼︎意識がぼんやりする、意識がなくなる、うわごとを言ったり興奮したりする
◼︎普段と違うとっぴな行動をとる、幻覚が見える

その他の副作用

その他にもさまざまな症状が副作用として報告されています。

タミフルカプセルとドライシロップで副作用は基本的には同じであるため、タミフルカプセルの場合を掲載します。

皮膚 皮下出血、紅斑(多形紅斑を含む)、そう痒症、発疹、蕁麻疹
消化器 口唇炎、血便、メレナ、吐血、消化性潰瘍、下痢(0. 9%)、腹痛(0.6%)、悪心(0. 5%)、嘔吐、口内炎(潰瘍性を含む)、食欲不振、腹部膨満、口腔内不快感、便異常
精神神経系 激越、振戦、悪夢、めまい、頭痛、不眠症、傾眠、嗜眠、感覚鈍麻
循環器 上室性頻脈、心室性期外収縮、心電図異常(ST上昇)、動悸
肝臓 ALT(GPT)増加、γ-GTP増加、Al-P増加、AST(GOT)増加
腎臓 血尿、蛋白尿
血液 好酸球数増加
呼吸器 気管支炎、咳嗽、鼻出血
視覚障害(視野欠損、視力低下)、霧視、複視、結膜炎、眼痛
その他 疲労、不正子宮出血、耳の障害(灼熱感、耳痛等)、発熱、低体温、血中ブドウ糖増加、背部痛、胸痛、浮腫

タミフルと異常行動の関係は?

タミフルを服用後に、異常行動を起こし重大な事故につながったニュースが一時期話題を呼んだことを覚えている方も多いのではないでしょうか。

厚生労働省では、2006年から抗インフルエンザ薬と異常行動に関する調査を毎年行っており、調査結果による研究がすすめられています。

タミフルと異常行動の因果関係

厚生労働省は015/2016シーズンに行った調査発表によると、服用した薬の種類と異常行動の発生割合は下のとおりです。

服用した薬の種類 異常行動の発生割合
タミフルのみ 7%
イナビルのみ 12%
リレンザのみ 5%
アセトアミノフェン(解熱鎮痛成分)のみ 14%
タミフル+アセトアミノフェン 17%
イナビル+アセトアミノフェン 22%
リレンザ+アセトアミノフェン 5%

また、薬を使用しなくてもインフルエンザになった人が異常行動が起こった件数は14%でした。

タミフルを服用したから異常行動が起こる、または異常行動の発生頻度が高くなるということは、必ずしもいえないことがわかります。

異常行動についての厚生労働省の見解

厚生労働省では、異常行動の発生状況のデータから「抗インフルエンザ薬の種類や使用の有無と異常行動には特定の因果関係がない」としています。

また、タミフル・リレンザ・イナビルなどの抗インフルエンザ薬を使用しているときより、薬を使用していないときの方が重度の異常行動の発症率が高いとの調査結果を発表しました。

しかし、報告の中には飛び降りなど命に関わる行動が含まれており、抗インフルエンザ薬との因果関係は確認できなくても、インフルエンザの患者に異常行動がでることは事実としています。

タミフルなどの抗インフルエンザ薬の服用の有無に関わらず、インフルエンザが発症した場合は、異常行動が起きないように注意することが大切です。

異常行動の具体例

異常行動の具体的な行動として、大きな事故につながるおそれがあるものは「突然走り出す」「飛び降り」です。

この他にも、以下のようなさまざまな異常行動が報告されています。

・会話中、突然話が通じなくなる
・おびえ、恐慌状態
・無いものが見えるという
・激しいうわごと、寝言
・わめく、泣き止まない
・暴力、興奮状態
・はねる
・徘徊
・無意味な動作の繰り返し

インフルエンザの異常行動の特徴

インフルエンザで起こる異常行動の特徴は、厚生労働省が調査を開始した2006年から毎年の調査結果で共通しています。

異常行動が起こりやすい特徴のポイントを確認し、該当する方や時間帯は特に注意しましょう。

1)特に10歳前後の小児において発生しやすい

2)男性の割合のほうが多い

3)異常行動は「眠りから覚めて直ぐ」が起こりやすい

4)特に発熱後1日以内、2日目に注意

タミフルの副作用は大人でもでる?

タミフルの副作用は年齢にかかわらず発生するおそれがあります。

また、インフルエンザの異常行動が発生しやすい年齢は10歳前後とされていますが、大人でも副作用や異常行動が起こるおそれがあります。

飛び降りなどの危険な行動だけでなく、悪夢を見る、夢と現実が曖昧になる、いらいらするなどのせん妄症状も異常行動の一種です。

タミフルを飲み始めてから少なくとも2日間は、薬の服用後の体調の変化に注意しましょう。

高齢者はタミフルの服用に注意

65歳以上の高齢者と成人の間に、副作用の発生頻度の差はないとされていますが、一般的に高齢者は腎臓などの機能が低下しているため、副作用がでやすいとされています。

インフルエンザで病院を受診した際は、治療中の病気や慢性疾患がある場合は医師に申告し、タミフルを処方されたときには医師の指示のもと用法・用量を守りましょう。

また、服用後は体調の変化を観察し、異常が見られた場合はすぐに病院を受診してください。

妊婦や授乳中はタミフルを飲める?

妊娠中や妊娠の可能性がある場合は、医師により薬の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ処方されることがあります。

インフルエンザで病院を受診する場合は、必ず妊娠の有無や可能性を医師に申告しましょう。

タミフルは母乳に移行されることが報告されています。授乳中の場合は、薬を服用している期間は授乳を避けてください。なお、授乳を再開する時期は、薬を飲む期間が終了してから2日間(48時間)が経過してからが推奨されています。

子供はタミフルの副作用がでやすい?

タミフルの副作用が起きやすい年齢について、製薬会社から明確な情報はでていません。幼児や小児などの子供にとりたてて副作用が多いというわけではありません。

ただし、インフルエンザにかかる年齢は子供が圧倒的に多いので、薬の使用頻度が高いため結果的に副作用も多く発生し、子供に副作用がでやすいというイメージにつながっているのです。

また、タミフルの副作用として話題に上ることの多い異常行動ですが、タミフルと異常行動の直接的な因果関係はないとされています。

ただし、タミフルの服用に関わらず異常行動が最も頻繁に起こる年齢は8歳との報告もあります。万が一を予防するためにも、タミフルを服用後少なくとも2日間は、子供が一人きりにならないように保護者がしっかり配慮しましょう。

低体温の副作用

1〜12歳を対象にしたタミフルドライシロップの副作用の調査報告では、低体温の副作用が報告されています。

薬の副作用として起こる医学的な低体温症では、体の中心部の温度が35℃以下になるとされています。

低体温症では体温を上昇させようとして熱を発生させる「寒冷反応」などが起こります。また、低体温症がさらに悪化すると不整脈や心臓のトラブルにつながるおそれがあります。

タミフル服用後に頭痛がある場合

タミフルは発症後に48時間以内に服用することで、効果を最大限に発揮することができます。発症から48時間以上がたち、タミフル服用前からインフルエンザの症状として頭痛が続いている場合は、服用後も頭痛が続く場合があります。

また、頻度はまれですが、頭痛もタミフルの副作用として報告されています。タミフルの服用後に頭痛が起こった場合は、すみやかに医師に相談してください。

なお、インフルエンザのときに市販の頭痛薬を使う場合は成分に注意する必要があります。頭痛薬の成分によっては、肝臓の機能異常やライ症候群などの合併症を引きおこしてしまう可能性もあります。

常備してある頭痛薬を使用する場合は、事前に薬局などで薬剤師に相談することをおすすめします。

幻覚やめまいはタミフルの副作用?

タミフルの添付文書によると、頻度は不明ですが重大な副作用として意識障害、 異常行動、譫妄、幻覚、妄想、痙攣などの精神・神経症状があげられています。

また、めまい・頭痛・不眠症は発生頻度が0.1%以上、傾眠・嗜眠(高熱などのため眠った状態になること)・感覚が鈍くなるなどは0.1%未満となっています。

タミフルを服用後に、なんらかの精神症状がでている場合は、副作用のおそれもあります。経過をしっかり観察して、症状に不安がある場合は医療機関を受診しましょう。

おわりに

タミフルは他の薬と比較して副作用がでやすい薬とはいえません。タミフルは医師の指示に従って正しく使用すれば副作用も比較的少なく優れた薬といえるでしょう。

しかし、発生頻度は高くはないですが、大人や子供に関わらず気をつけるべき副作用が報告されています。また、タミフルとの因果関係はないとされていますが、インフルエンザの発症で異常行動が起こるおそれがあることは事実です。

薬を服用後は体調の変化に十分に注意し、副作用と考えられる不調が現れた場合は医師に相談しましょう。