トランサミンの美白効果・副作用・市販薬について解説

トランサミンは美白効果があることで有名です。また風邪による喉の痛みを抑えます。その効果や副作用、使用上の注意などについて詳しく解説します。薬局で購入できる市販薬も紹介します。

トランサミンとは?

トランサミンとはトラネキサム酸を主成分とする薬で、第一三共株式会社(第一三共ヘルスケア)から販売されています。

トランサミンは体内のプラスミンというたんぱく質の働きを阻害する作用があるため、抗プラスミン薬と呼ばれます。

昔から風邪をひいたときの喉の痛みを抑える薬として使用されていましたが、近年トランサミンにシミを消すなどの美白効果があることが分かり、大変注目を集めています。

トランサミンの効果

最近になり美白作用やシミ治療などの美容効果がある薬として注目されているトランサミン。しかし、本来は風邪による喉の炎症を抑えたり、血液の凝固を防ぐなど、病気の治療に使用される薬です。

添付文書に記載されているトランサミンの効能効・効果は以下の通りです。

○全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
  (白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、及び手術中・術後の異常出血)
○局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
  (肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)
○下記疾患における紅斑・腫脹・そう痒等の症状
  湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹
○下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状
  扁桃炎、咽喉頭炎
○口内炎における口内痛及び口内粘膜アフター

トランサミン錠250mg/トランサミン錠500mg/トランサミンカプセル250mg/トランサミン散50%添付文書
トランサミンシロップ5%添付文書
トランサミン注5%/トランサミン注10%添付文書

これによれば、トランサミンの効果としてまず上げられるのは、出血異常や不正出血などを治す止血効果であることが分かります。

では、トランサミンの効果について、現在一般的に使用されている風邪治療の目的から見ていきましょう。

風邪による喉の痛みをしずめる!

トランサミンが作用するプラスミンというタンパク質分解酵素は、痛みの原因となるプロスタグランジンや炎症の原因であるヒスタミンを発生させる物質です。

プラスミンが発生すると、連鎖的にヒスタミンやプロスタグランジンなどが発生し、腫れや痛みを引き起こします。その結果、風邪や咽頭炎・扁桃腺炎などの症状が発生します。

トランサミンには炎症の原因となるプラスミンを抑制し、喉の痛みや咳、鼻炎、鼻水を止める効果などもあるため、まさに風邪のひきはじめにうってつけの薬といるでしょう。また、喘息の治療のために処方されることもあります。

トランサミンの風邪治療や市販薬については以下の記事で詳しく解説しています。

《関連記事》トラネキサム酸の効果:喉の痛みや美白に効くメカニズムと副作用

トランサミンに美白効果があるってホント?!

シミや日焼け、色素沈着の原因であるメラニン。このメラニンの発生に深くかかわるのが、プロスタグランジンなどのシミの原因物質です。

トランサミンにはこのプロスタグランジンを抑制し、メラニンの発生を防ぐという効果があります。メラニンの発生を防ぐ効果のため、トランサミンには美白効果がある!といわれるのです。

トランサミンはどんなシミにも効果があるのか?

トランサミンは、すべてのシミに効果があるわけではありません。トランサミンが効果を発揮するとされるシミは、肝斑、老人性色素班、炎症後色素沈着とされています。

【肝斑】
両頬の骨あたりあらわれます。ほぼ左右対称に発生し、輪郭がハッキリしない形が特徴です。妊娠やピルの服用、ストレスなどが引き金になることから、女性ホルモンとの関わりも示唆されています。

肝斑治療の場合、2か月間を目安に服用することが一般的です。

【老人性色素班】
紫外線による肌ダメージが積み重なってできたもので、早いと20代後半から出始めます。現在、シミと呼ばれているほとんどの症状はこの老人性色素斑です。

輪郭がハッキリしているのが特徴で、顔だけでなく、二の腕や手の甲といったあらゆる部位にできます。美肌に欠かせないコラーゲンを傷付けるため、肌の老化の原因にもなります。

【炎症後色素沈着】
年齢に関係なく、肌の炎症による色素沈着が原因となって生じます。主にニキビの傷跡に色素が沈着するほか、虫刺されや火傷、化粧品の刺激が原因となることもあります。

トランサミンの効果は美白だけじゃない!

シミや肝斑に対する効果で注目されているトランサミンですが、効果を発揮するのはシミだけではありません。

トランサミンが抑制するプラスミンは、肌荒れの原因物質でもあります。肌荒れとは一般的にプラスミンが過剰に働いている状態のことであるため、トランサミンを服用することで肌の炎症を抑えることができます。

また、肌の炎症を抑えるため、蕁麻疹(じんましん)などの治療にも効果があります。

ビタミンCを一緒に摂ると効果的!シナールとの併用も可能

多くの人が知っているように、ビタミンCは肌の健康に欠かせないビタミンであり、トランサミンと同時に服用することでより高い美白効果が期待できます。

皮膚科ではトランサミンと同時にシナールを処方することが多くあります。シナールとはビタミンCなどを配合した複合ビタミン薬で、美白のために飲んでいる、という人も増えています。

トランサミンと一緒にシナールも服用したい場合には、かかりつけの医師に一度相談してみるといいでしょう。

トランサミンの剤形とそれぞれの使い方:ジェネリックや市販薬はあるの?

トランサミンには錠剤やカプセルなどのさまざまな剤形があります。それぞれトラネキサム酸の含有量や用法・用量に違いがありますが、基本的な効果は同じです。

1日の服用量は年齢や病状により異なりますが、口から飲んで服用する剤形においては

トラネキサム酸として、通常成人1日750~2,000mgを3~4回に分割経口投与する。

トランサミン錠250mg/トランサミン錠500mg/トランサミンカプセル250mg/トランサミン散50%添付文書
トランサミンシロップ5%添付文書

というのが基本の用量です。

では、具体的には1日に薬をいくつ飲んだらいいのか、剤形別に見ていきましょう。

トランサミン錠250mg/トランサミンカプセル250mg

■剤形

錠剤/カプセル

■トラネキサム酸含有量

1錠(カプセル)中にトラネキサム酸250mgを含有

■1日の服用量

トランサミン錠250mg/トランサミンカプセル250mgを服用する場合、1日に3~8錠(カプセル)を3~4回に分けて服用してください。服用する量は年齢や症状によって医師が決めるので、処方された際に医師から指示された用量を守ってください。

ミナカラ薬辞典:トランサミン錠250mgトランサミンカプセル250mg

トランサミン錠500mg

■剤形

錠剤

■トラネキサム酸含有量

1錠中にトラネキサム酸500mgを含有

■1日の服用量

トランサミン錠500mgを服用する場合、1日に2~4錠を3~4回に分けて服用してください。服用する量は年齢や症状によって医師が決めるので、処方された際に医師から指示された用量を守ってください。

ミナカラ薬辞典:トランサミン錠500mg

トランサミンシロップ5%

■剤形

液体状(シロップ)

■トラネキサム酸含有量

1mL中にトラネキサム酸50mgを含有

■1日の服用量

トランサミンシロップ5%を服用する場合は年齢により服用量が異なります。以下の表を参考にし、1日に3~4回に分けて服用してください。

年齢 1日量
~1才 1.5~4ml
2~2才 3~7ml
4~6才 5~13ml
7~14才 8~20ml
15才~ 15~40ml

服用する量は症状によって医師が決めるので、処方された際に医師から指示された用量を守ってください。

ミナカラ薬辞典:トランサミンシロップ5%

トランサミン散50%

■剤形

散剤(粉薬)

■トラネキサム散含有量

1g中にトラネキサム散500mgを含有

■1日の服用量

トランサミン散50%を服用する場合、1日に1.5~4gを3~4回に分けて服用してください。服用する量は年齢や症状によって医師が決めるので、処方された際に医師から指示された用量を守ってください。

ミナカラ薬辞典:トランサミン散50%

トランサミン注5%/トランサミン注10%

■剤形

液体(注射や点滴などの方法で投与されます)

■トラネキサム酸含有量

1アンプル中にトラネキサム酸250mg/2.5mL/1g/10mLを含有

■用法・用量

トランサミン注5%
通常成人1日5~10mL(1~2アンプル)を1~2回に分けて静注又は筋注する。術中・術後等、必要に応じ1回10~50mL(2~10アンプル)を点滴静注する。

トランサミン注10%
通常成人1日2.5~5mLを1~2回に分けて静注又は筋注する。術中・術後等、必要に応じ1回5~10mLを静注するか、又は5~25mLを点滴静注する。

トランサミン注5%/トランサミン注10%添付文書

トランサミン注5%/トランサミン注10%は口から飲んで服用するのではなく、点滴や注射などの形で投与してもらいます。用量は年齢や症状によって異なります。

ミナカラ薬辞典:トランサミン注5%トランサミン注10%

トランサミンのジェネリックはある?

トランサミンと同じ成分のジェネリック医薬品はいくつか販売されています。名称は”トラネキサム酸錠250mg「YD」”など、主に「トラネキサム酸錠○○mg+「製薬会社名」として販売されていますが、主成分や効果に大きな違いはありません。

錠剤、カプセル、シロップ、注射剤にはジェネリック医薬品がありますが、散剤(粉薬)のみジェネリック医薬品の取り扱いがないので、注意してください。

ジェネリック医薬品と先発品の薬価を比較した場合、トランサミン錠500mgのみ薬価がおよそ半分になります。トランサミン錠500mg以外の剤形の場合は、価格にほとんど差がないため、ジェネリック医薬品の使用については医師や薬剤師とよく相談するといいでしょう。

トランサミンの市販薬はある?

現在、トランサミンおよびトランサミンと同等のトラネキサム酸を含有した薬は市販されていません。

個人輸入の通販サイトなども存在しますが、副作用が出た際に公的制度の補助が受けられないなどのデメリットもあるため、できるだけ医療機関で処方してもらうようにしましょう。

処方薬と市販薬の違いは?

トラネキサム酸を含有する市販薬は薬局やドラッグストアなどで販売されていますが、処方薬よりもトラネキサム酸の含有量が少なくなっています。

処方薬の場合、1日最大で2000mgのトラネキサム酸を摂取することが可能ですが、市販薬の場合だと、1日に摂取できるトラネキサム酸の量は750mgまでとなっています。

処方薬を服用したほうが効果も高いですが、病院に行く時間がない場合や、すぐに服用したいときなどは市販薬を活用するといいでしょう。

トランシーノII

トランサミンを販売している第一三共ヘルスケアが取り扱う、トランシーノⅡです。肝斑治療薬として宣伝されているため、広告やCMを見たことがある人も多いでしょう。

トランシーノⅡには、1日量(4錠)中にトラネキサム酸が750mg配合されています。トランシーノホワイトCにはトラネキサム酸は含まれていません。

トランシーノⅡ以外にも、化粧水などの薬用ホワイトニングシリーズにはトラネキサム酸が配合されています。自分の肌の状態にあったものを選んで使用してください。

こちらもトランサミンを販売している第一三共ヘルスケアが取り扱う薬です。1日量中にトラネキサム酸が750mg配合され、喉の痛みや腫れに効果があります。

トランサミンの副作用:生理への影響は?

美容にいい!ということで気軽な気持ちで飲み始める人が多いトランサミンですが、もちろん薬であるため、使い方を間違えれば副作用の危険があります。トランサミンの主な副作用は、血が止まりやすくなる作用(止血作用)によるものです。

血が止まりやすくなる、といえば女性が心配になるのは生理のこと。トランサミンは生理に影響を与えるのでしょうか?

トランサミンを飲むと生理が止まるってホント?

トランサミンは血が止まりやすくなる作用(止血作用)があり、海外では過多月経の一般的な治療薬になっています。しかし、トランサミンを飲んだからといって必ずしも生理が止まるわけではありません。

添付文書中には副作用としての月経不順の記載はなく、女性ホルモンに影響を及ぼすこともないと考えられています。トランサミンの服用により生理が遅れたり止まったりした場合も、薬の服用を中止すれば2~3日で元に戻る、という場合が一般的です。

もしもトランサミン服用中に経血量に変化があったり、生理が遅れた場合は、いったんトランサミンの服用を止めて様子を見てみましょう。2~3日たっても改善しない場合は、担当の医師や薬剤師に相談してください。

その他の副作用

トランサミンの副作用として最も多いのは、食欲不振(0.61%)や悪心(0.41%)です。比較的副作用の少ないトランサミンですが、まれに痙攣などの重大な副作用が起こることもあるため、服用中は体の状態をよく観察しましょう。

発症確率は0.1%と低いですが、眠気の症状も報告されています。トランサミン服用中に車などを運転する場合には注意するようにしましょう。

その他の副作用は、頭痛、発疹、薬疹、下痢、嘔吐、胸やけなどで、いずれも確率は0.1~0.1%未満です。

また、トランサミン服用中に手足などが異常にむくむ、という場合は血栓ができて血管が詰まっている場合があります。そのような症状が出た場合にはすぐに医師に相談してください。

トランサミンの使用上の注意:妊娠中・授乳中の注意や飲み合わせについて

トランサミン服用中に最も注意が必要なのは、血栓のある人(脳血栓・心筋梗塞などを発症したことのある人)や高血圧の人など、血栓症があらわれるおそれのある人です。
トランサミン服用により血栓が安定化し、血液がつまってさまざまな病気を引き起こす可能性があります。

今までに血栓が原因の病気にかかったことがある人は、服用の際に医師や薬剤師とよく相談するようにしてください。

妊娠中・授乳中の服用について

トランサミンは妊娠中・授乳中に服用しても大きな危険はない、とされている薬です。
胎児や乳児への影響も報告されていません。

ただし、自分の判断だけで服用をすることは危険です。妊娠中・授乳中にトランサミンを服用したい場合はまず産婦人科の主治医によく相談するようにしましょう。

また、皮膚科や整形外科など産婦人科以外にトランサミンを処方してもらう場合も、まず最初に自分が妊娠中・授乳中であることを伝えるようにしましょう。

子どもの服用について

トランサミンは安全性も高く、0才から服用が可能な薬です。そのため、小児科などで喉の痛みを抑えるために処方されるということも多いでしょう。

子どもが服用した際の重大な副作用などは報告されていないため、基本的には安心して使うことができます。

子どもが服用する場合、服用量は体重によって異なります。処方された際に医師から指示された用量などをきちんと守って服用すれば、危険性はほとんどないといえるでしょう。

薬との飲み合わせ

トランサミンとその他の薬との飲み合わせで最も注意が必要なのは、止血剤(トロンビンなど)との飲み合わせです。

止血剤は歯医者で処方されることもあり、トランサミンと一緒に飲んでしまうと血栓ができる危険性が上がってしまいます。歯医者などで止血剤を処方された際には、トランサミンの使用を控えるようにしましょう。

その他、気になる薬との飲み合わせをまとめました。

  飲み合わせ
アドナ 医師の判断で同時に処方された場合は問題ありません。
しかし、アドナもトランサミンも止血効果のある薬です。
独断で併用すると血栓ができる危険性が高まるため、注意してください。
ロキソニン 問題ありません。風邪の治療としてよく処方されます。
ムコダイン 問題ありません。風邪の治療としてよく処方されます。
カロナール 問題ありません。
フロモックス 問題ありません。
ワーファリン 併用には注意が必要です。一度医師に相談してください。
サワシリン 問題ありません。
ブルフェン 問題ありません。
葛根湯 問題ありません。
ピル トランサミンは女性ホルモンに影響を与えることはないと考えられていますが、
併用は控える医療機関が多いようです。
併用する際には必ず一度医師に相談してください。

お酒との飲み合わせについて

トランサミンとアルコールの飲み合わせに関しては、重大な危険はないとされています。しかし、薬とアルコールの併用はどのような副作用を起こすかわからない、というのが一般的な考えです。

トランサミン服用中は過度な飲酒は控えるようにしましょう。

まとめ

美白効果などが注目されていることから、サプリメント感覚で服用する人も多くなったトランサミン。危険性の少ない薬ではありますが、本来は病気の治療に使用される薬です。そのため、使用方法を間違えれば副作用などの危険性もあります。

トランサミンの服用を希望する場合は、まず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

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