パリエットとは

パリエットは胃酸の分泌を抑える薬で、プロトンポンプインヒビター(PPI:プロトンポンプ阻害薬)に分類されます。

プロトンポンプは胃の細胞膜にある胃酸を分泌する機能をもった組織のことです。パリエットなどのPPIはプロトンポンプに胃酸の分泌を抑えるように働きかける作用を持っています。

PPIにはパリエットのほかに、オメプラール(オメプラゾール)、タケプロン(ランソプラゾール)、ネキシウム(エソメプラゾール)などがあります。

パリエットの特徴は、胃酸の分泌を速やかに抑えて自覚症状を改善すること、低用量アスピリンの使用による潰瘍にも効果があることです。

パリエットの成分はラベプラゾールです。

パリエットは錠剤の販売のみで、5mg、10mg、20mgの規格で販売されています。なお、パリエットはじめPPIの薬は作用が強力なため、市販薬では販売されていません。

パリエットの効能・効果

胃散の分泌を強力に抑え、胃痛や胸やけなどの症状を速やかに改善します。

胃・十二指腸・ふん合部の潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger‐Ellison症候群、非びらん性胃食道逆流症、低用量アスピリン使用時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制に効果があります。

また、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の除菌が必要とされる胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がんでの内視鏡治療後の胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎では、胃酸が抗生物質の働きを妨げてしまうので胃酸を抑えて抗生物質がピロリ菌に対してしっかりと働くように除菌を補助する薬として使用します。

パリエットの用法・用量

胃潰瘍・十二指腸潰瘍・ふん合部潰瘍・Zollinger‐Ellison症候群の場合

成人は、通常1回10mgを1日1回使用します。症状が重い場合や再発性・難治性の場合には1回量を20mgまで医師の判断により増やします。

なお、通常の使用期間は胃潰瘍やふん合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までとされています。

逆流性食道炎の場合

成人は、通常1回10mgを1日1回経口使用します。病状によっては1回量を20mgまで医師の判断により増やします。なお、通常の使用期間は8週間までとされています。

また、通常用量では効果が不十分な場合、1回10mgまたは1回20mgを1日2回、さらに8週間まで使用できます。ただし、1回20mgを1日2回使用するのは胃粘膜の荒れ方がひどいケースに限ります。

再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法では、成人は通常1回10mgを1日1回使用します。

非びらん性胃食道逆流症の場合

成人は、通常1回10mgを1日1回使用します。なお、通常の使用期間は4週間までとされています。

低用量アスピリン使用時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制の場合

成人は、通常1回5mgを1日1回使用しますが、通常用量では効果が十分に現れない場合は1回10gを1日1回使用します。

ピロリ菌の除菌補助の場合

成人は、通常パリエットを1回10mg、サワシリン(一般名:アモキシシリン)を1回750mg(力価)およびクラリス(一般名:クラリスロマイシン)として1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間使用します。

なお、クラリスロマイシンは必要に応じて医師の判断により増量します。

パリエットはいつ飲むの?

基本的には食後に使用しますが、食前・食後に関係なく使用できます。

ただし、パリエットは食前と食後で効果の現れ方に差があるため、パリエットを使用するタイミングを変更したい場合は医師・薬剤師に相談しましょう。

パリエットの使用上の注意

パリエットを使用してじんましんなどの過敏症状を起こしたことがある方は使用できません。

また、パリエットは胃では溶けずに腸内で溶ける薬なので、かんだり砕いたりせずに飲み込んでください。

妊娠中・授乳中の注意

妊婦の方、妊娠している可能性のある方、授乳中の方は、医師に妊娠や授乳の旨を伝えて指示に従ってください。

15歳未満の注意

15歳未満に対しては使用経験が少なく安全性が確立されていませんが、医師の判断により使用されるケースがあります。

飲み合わせ

パリエットはレイアタッツ(アタザナビル)、エジュラント(リルピビリン)の作用を弱めてしまうため併用できません。

また、ジゴキシン、メチルジゴキシン、イトラコナゾール、ゲフィチニブ、水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤、メトトレキサートには併用する上での注意点があります。現在使用している薬がある場合は、必ず医師・薬剤師に伝えてください。

パリエットとロキソニンの飲み合わせについては問題ないので、安心して使用してください。

なお、ロキソニンで起こりやすい胃の荒れを予防するためにはパリエットなどPPIの薬ではなく、ムコスタ(レバミピド)などの胃粘膜保護薬がよく処方されます。

パリエットの副作用

パリエットは比較的副作用が起きにくい薬ですが、下痢や軟便、便秘などの胃腸症状が起こる可能性があります。

また、パリエットの成分が肝機能に影響する可能性もあるので、血液検査をするケースがあります。

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血、劇症肝炎、肝機能障害、黄だん、間質性肺炎、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、急性腎不全、間質性腎炎、低ナトリウム血症、横紋筋融解症の重大な副作用が報告されています。

パリエットを使用後に体調に変化が現れた場合は医師・薬剤師に問い合わせ、重大な副作用について確認してください。

類薬で起こった重大な副作用

オメプラゾールというパリエットと似ている薬では、視力障害や錯乱状態の副作用が報告されています。

視力の低下や異常行動・幻覚・不安・攻撃性などの症状が現れた場合は重大な副作用の可能性があるので、パリエットの使用を中止し医療機関を受診してください。

パリエットのジェネリック医薬品

パリエットのジェネリック医薬品は「ラベプラゾールNa錠」、「ラベプラゾールナトリウム錠」、「ラベプラゾールNa塩錠」という名前で、10mg、20mgの規格がさまざまな製薬メーカーから販売されています。なお、5mgの規格にジェネリックはありません。

ジェネリック医薬品の薬価は2017年8月現在、10mgでは53.3~67.2円となっており、パリエットよりも安価で入手が可能です。

ジェネリック医薬品への切り替えを希望する方は医師・薬剤師に相談しましょう。

  パリエット ラベプラゾール
5mg 63.4円 ×
10mg 115.7円 53.3~67.2円
20mg 218.9円 91.2~130.9円

(2017年8月現在の薬価)