バルトレックスってどんな薬?

バルトレックスとは、グラクソ・スミスクラインから販売されている薬の商品名です。

主な成分はバラシクロビルという成分で、水疱瘡などの原因である帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルス(ヘルペスウイルス)に効果があります。

バラシクロビルは、今までヘルペス治療に使用されていたゾビラックスという成分をより効きやすく改良した成分であるため、ゾビラックスよりも少ない服用回数で効果が期待できます。

バルトレックスは現在、錠剤と顆粒の二種類の剤形で販売されています。体重が40kg以下の子どもが服用する場合には、顆粒の用量を調節して処方されることが多いです。

バルトレックスの薬価や購入方法:ジェネリックは?

バルトレックスは、ヘルペスの再発を予防するために手元に常備しておきたい!という人も多いでしょう。

予防のための処方薬の値段や、バルトレックスの購入方法などについてまとめました。

バルトレックスは高い?!

バルトレックスは保険適用内でも一錠薬400円~500円以上という高価な薬です。

実際にヘルペスなどの症状が発症していれば保険が適用されますが、再発予防のために処方してもらおうとすると保険適用外になり、一錠1000円以上というお金がかかります。

再発抑制のための処方も「再発頻度が目安として年6回以上である」などの決まりがあるため、なかなか処方してもらえない、という声もあります。

バルトレックスの購入方法

■バルトレックスの市販薬はある?
現在、バルトレックスなどのバラシクロビルを主成分とする薬の市販薬はありません。

口唇ヘルペス用の治療薬としては再発の場合に限り市販薬を購入することができます。バラシクロビルは配合されていませんが、患部に塗ることで症状を抑えることが可能です。

■個人輸入のメリットとデメリット
最近は安価の個人輸入ができる通販サイトなどが増え、利用している人も多いようです。

通販サイトによってはとても安く販売しているところもあり、法的にも問題はありません。しかし、副作用が出たときに「医薬品副作用被害救済制度」という公的制度を受けられないというデメリットもあります。

個人輸入を考えている場合は、そのリスクなどについてしっかりと理解したうえで、一度医師や薬剤師に相談してみるといいでしょう。

バルトレックスのジェネリックはあるの?

バルトレックスは多くの製薬会社からジェネリック医薬品が販売されています。名称はバルトレックスではなく、「バラシクロビル錠+製薬会社名」であることが大半ですが、主成分や効果に違いはありません。

薬価も先発品と比べると約半分ととても安くなっています。ジェネリック医薬品を希望する場合は医師や薬剤師に相談するといいでしょう。

バルトレックスの効果

添付文書に記載されているバルトレックスの効能・効果は以下の通りです。

・単純疱疹
・造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制
・帯状疱疹
・水痘
・性器ヘルペスの再発抑制

バルトレックス錠500添付文書/バルトレックス顆粒50%添付文書

では、具体的にはどのような病気や症状に効果があるのでしょうか?

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

大人の水疱瘡ともいわれる帯状疱疹ですが、この原因はヘルペスウイルスです。

バルトレックスの主成分であるバラシクロビルはヘルペスウイルスに対する効果があるため、帯状疱疹の治療にはバルトレックスが使用されます。

帯状疱疹は人からうつるのではなく、子どものころに感染した水疱瘡のウイルスが何年も体内に潜伏し、免疫力が弱ったころに増殖することで発症します。

発症後できるだけ早くバルトレックスを服用すれば症状を軽減できるので、早めに医療機関を受診してください。

水疱瘡(みずぼうそう)

ほとんどの子どもが感染するといえる水疱瘡ですが、バルトレックスを服用することで症状を軽減することができます。

水疱瘡の原因もヘルペスウイルスであるため、バルトレックスの服用によりウイルスの増殖を抑えることができます。また、帯状疱疹と同じように、できるだけ早く服用したほうが症状は軽くなります。

水疱瘡の兆候があらわれたら、早めに医療機関を受診してください。

ヘルペス

バルトレックスは、ヘルペスウイルスが原因である口唇ヘルペス性器ヘルペスの治療に効果があります。

口唇ヘルペスの再発の場合、症状が出始める前に服用することで発症を抑える効果があるため、再発の兆候がみえたらすぐに服用するといいでしょう。

また、バルトレックスは性交渉による性器ヘルペスの感染を抑制する効果もあると認められています。

その他の症状

バルトレックスはクラミジアなどの性感染症や、ヘルペスウイルスが原因で起こる口内炎やニキビの治療にも使用されます。

※クラミジアや淋菌にはバルトレックスは効果がありません。マクロライド系の抗生物質などが使われます。また、ニキビはアクネ菌によるものなのでヘルペスウイルスとは関係ありません。

また、近年はウイルスが原因の耳鳴りにも効果があることが分かり、突発性難聴の治療にも使用されています。

バルトレックスの飲み方(用法・用量)、服用期間は?

バルトレックスの用法・用量は、服用する剤形や治療する症状により異なります。

それぞれの用法・用量について見ていきましょう。

バルトレックス錠500

単純疱疹(性器ヘルペス・口唇ヘルペスなど)
成人:通常、バラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
小児:通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。

帯状疱疹
成人:通常、バラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。
小児:通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。

水痘(水疱瘡)
成人:通常、バラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。
小児:通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。

性器ヘルペスの再発抑制
成人:通常、バラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。
小児:通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。

バルトレックス錠500添付文書

バルトレックス顆粒50%

単純疱疹(性器ヘルペス・口唇ヘルペスなど)
成人:通常、バラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
小児:通常、体重10kg未満の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回、体重10kg以上の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日2回経口投与する。ただし、1回最高用量は500mgとする。

帯状疱疹
成人:通常、バラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。
小児:通常、小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回経口投与する。ただし、1回最高用量は1000mgとする。

水痘(水疱瘡)
成人:通常、バラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。
小児:通常、小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回経口投与する。ただし、1回最高用量は1000mgとする。

性器ヘルペスの再発抑制
成人:通常、バラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。
小児:通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。

バルトレックス顆粒50%添付文書

どちらの場合も食後に服用することが一般的です。

子どもが服用する場合は体重により用量が異なるため、処方の際に医師から指示された用量を守って服用してください。

口唇ヘルペスの治療の場合、5~7日間処方されることが多いです。

症状が消えたあとも飲み続けることで再発の可能性を下げる効果があるため、処方された期間内は飲み続けてください。

バルトレックスの使用上の注意:副作用や飲み合わせなど

バルトレックスは安全性にも考慮された薬ですが、使用の際にはいくつかの注意事項があります。副作用の症状や、他の薬との飲み合わせ、妊娠中・授乳中の服用などについて、くわしく解説していきます。

副作用

バルトレックスは比較的安全な薬といえますが、薬である以上いくつかの副作用があります。

服用の際には体の状態に注意し、少しでも異常を感じたらすぐ医師に相談してください。

バルトレックスの副作用の症状や発症する確率は、年齢により異なります。それぞれ見ていきましょう。

■成人の場合
成人については、単純疱疹(口唇ヘルペスなど)の治療の場合に16.1%、帯状疱疹の治療の場合に21.4%、性器ヘルペスの再発抑制の場合は29.2%の確で頭痛などの副作用が起こる、という数値が出ています。

重大な副作用が起こる確率は低いですが、頭痛や眠気、腹痛などの副作用が起こる可能性はあるといえるでしょう。

バルトレックスを服用した成人に起こる主な副作用と確率は以下の通りです。

治療対象 症状 確率
単純疱疹 頭痛 2.8%
眠気などの意識低下 2.5%
肝機能検査値の上昇 1.3%
帯状疱疹 肝機能検査値の上昇 5.8%
腎障害 3.2%
性器ヘルペスの再発抑制 頭痛 9.6%
嘔吐 6.4%
腹痛 3.2%

また、極めてまれですが、重大な副作用としてアナフィラキシーショックや間質性肺炎などの症状も報告されています。

■子どもの場合
子どもが服用した際の副作用については、水疱瘡の治療の場合4.7%の確率で発症すると報告されています。主な症状は肝機能検査値の上昇や蕁麻疹、下痢・便秘などです。

子どもの場合も極めてまれですが、アナフィラキシーショックやてんかん発作などの重大な副作用が報告されています。

飲み合わせ

■アルコールとの飲み合わせ
バルトレックスに限らず、一般的に薬とアルコールの飲み合わせは危険だとされています。バルトレックスに関しても飲酒は避けたほうがいいでしょう。

ただし、ヘルペスの再発はストレスによる免疫力の低下です。無理にお酒をやめることであまりにもストレスがたまるような場合は、適量の飲酒であれば可能かどうか主治医とよく相談してください。

■薬との飲み合わせ
バルトレックスとの併用に注意が必要な薬は、プロベネシド(痛風の薬)、シメチジン(胃の薬)、ミコフェノール酸モフェチル(免疫抑制薬)、テオフィリン(喘息の薬)などです。

そのほか気になる薬との副作用をまとめました。ご参考ください。

  飲み合わせ
ロキソニン 併用に注意が必要な場合があります。一度医師に相談してください。
バファリン 併用に注意が必要な場合があります。一度医師に相談してください。
アラセナ 問題ありません。
胃薬 シメチジンを服用する際は注意が必要です。一度医師に相談してください。
クラビット 問題ありません。

妊娠中・授乳中の服用

妊娠中・授乳中の服用はほとんどの場合問題ありません。

大量に摂取しなければ胎児や乳児への影響もないとされているので、処方の際には医師に妊娠中・授乳中であることを伝え、適切な量を処方してもらってください。

その他の注意

■処方された分を飲み切ろう!
抗ウイルス剤であるバルトレックスの効果は眼に見える症状を消すことだけではありません。症状が消えたあともバルトレックスを服用し続けることで、体内に残るウイルスを減らし再発の可能性を下げるという効果があるのです。

独断で薬の服用をやめたりせず、医師から処方された分はしっかりと飲み続けるようにしてください。

■腎機能の低下に注意!
腎機能が低下している人は、バルトレックスの副作用により腎機能障害や精神神経症状の危険性が高まると判断されるため、服用することが難しくなります。また、腎機能の低下を起こしやすいという点で、高齢者への処方も慎重に行うべきと考えられています。

服用する前は腎臓に問題がなかった人も、バルトレックスの服用により腎機能が低下し脱水症状を起こす危険性が高くなります。

バルトレックス服用中はいつもより水分を多めにとるよう心がけてください。

まとめ

帯状疱疹や水疱瘡などを引き起こすヘルペスウイルスに効果的があるバルトレックス。少し値段は高めですが、その効果は間違いないといえるでしょう。

ジェネリックがおよそ半分の価格で販売されているので、医師に相談してみてください。

ヘルペスの再発を抑えるためにも医師とよく相談し、正しい使い方を心がけましょう。