アムロジピン・ノルバスク・アムロジンはいずれもアムロジピンという成分の高血圧や狭心症を治療するお薬です。
(アムロジピン錠はノルバスク・アムロジンのジェネリック医薬品です)
 

高血圧は日本人にもっとも多い病気で、約4300万人(国民の約三分の一!)もの方がいると推定され、その中でも900万人もの方が診療を受けています。(※1)

ノルバスク・アムロジンを始めとしたアムロジピン製剤は高血圧を治療する降圧剤の中でもメジャーなお薬で世界中で使われており、国内でもこの薬で治療を受けている方は多くいます。

これらのお薬はしっかりと継続して使用して、体内のお薬の濃度を維持することで効果を発揮するお薬ですので、長期間使用することが多いほか、毎日しっかりと継続して飲んでいくことが非常に大切なお薬になります。

しかし、高血圧はなかなか自覚症状がわきにくいこともあり、飲み忘れて慌ててしまうことも少なくありません。

そこで今回は万が一アムロジピン・ノルバスク・アムロジンを飲み忘れてしまった時の対応方法を現役薬剤師がレクチャーします。
 

アムロジピン・ノルバスク・アムロジンの飲み忘れ対応をフローチャートでチェックしよう

アムロジピン・ノルバスク・アムロジンの飲み忘れ時の対応判断やシチュエーションとしては大きく2つの観点があるでしょう。

①処方医(かかりつけ医)とルールを決めている場合はそちらに従う
②特にルールを決めていない場合

それぞれの状況下、シチュエーションでの対応方法をフローにしましたのでご参考ください。

アムロジピン・ノルバスク・アムロジンの飲み忘れ時の対応の流れ

アムロジピン・ノルバスク・アムロジンの飲み忘れ時の対応判断は以下のようになります。(まずは処方してもらったかかりつけ医に相談するのが原則です

ここでは上記の手順ごとに詳細を解説します。

 

ルール1.かかりつけ医と飲み忘れ時の対応方法を事前に決めている場合はそちらを優先して従いましょう

万が一、飲み忘れが起きた時に慌てないように、アムロジピン・ノルバスク・アムロジンを処方する際に医師からレクチャーを受けている方も多いでしょう。

担当医とよくコミュニケーションを取れている良い証拠でもあります。

担当医はみなさん個別にあったアドバイスをされていますので、基本的には担当医のアドバイス通り対応することで問題ないでしょう。

逆に疑問が生じた時は、担当医・かかりつけの医師に対応方法が問題ないか確認していきましょう。
 

ルール2.「当日気づいたか」どうかで対応方法が変わります

まずは、処方してもらったかかりつけ医に相談するのが原則です。医師に相談ができそうでしたらまずは相談してみましょう。

また、日本高血圧学会という医師の中でも高血圧のスペシャリストである方が集まった学会が、血圧の治療薬(降圧剤)を飲み忘れた時の対応方法についてガイドラインを出しています。(※2)

このガイドラインでは、1日1回服用するタイプの降圧剤、1日2回服用するタイプの降圧剤、1日3回服用するタイプの降圧剤によって飲み忘れが起きた後の対応方法を分けて説明しています。

薬のタイプ 飲み忘れのタイミング 対応方法
1日1回飲むタイプ 朝食後の服用を忘れた 寝るまでに気づいたら飲む。
1日2回飲むタイプ 朝食後の服用を忘れた 夕食までに気づいたらすぐ飲み、
夕食分は時間をずらして寝る前に飲む。
1日2回飲むタイプ 昼食後の服用を忘れた 寝るまでに気づいたら飲む。
1日3回飲むタイプ 朝食後の服用を忘れた 昼までに気づいたらすぐ飲み、
​昼食分は時間をずらして夕食後に飲み、
夕食分は時間をずらして寝る前に飲む。
1日3回飲むタイプ 昼食後の服用を忘れた 夕食までに気づいたらすぐ飲み、
​夕食分は時間をずらして寝る前に飲む。
1日3回飲むタイプ 夕食後の服用を忘れた 寝るまでに気づいたら飲む。


アムロジピン・ノルバスク・アムロジンは基本的に1日1回タイプです。(そうでない処方の場合は、飲み忘れ時の対応も含めて処方医に確認しましょう)

ですので、飲み忘れが発生した時の対応方法としては、「当日中に寝るまでに気づいたら飲む」がガイドライン上の正解になります。
 

注意したいのは、当日飲み忘れに気づかず翌日に気づいた時の対応方法です。
くれぐれも2回分を一度に服用しないように気をつけて下さい。

その後の対応は、飲み忘れ分を朝に、当日分を昼〜夕に飲むなどの対応とる場合があるほか、当日分を飲まないで対応することもあります。

この辺りは、みなさんの血圧の状況や飲み忘れの頻度などによって医師の判断も変わってきますので、原則かかりつけ医に確認していくことになります。

 

アムロジピン・ノルバスク・アムロジンの特徴について

アムロジピン・ノルバスク・アムロジンはジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗薬(カルシウム・チャネル・ブロッカー:Calcium Channel Blocker, CCB)と呼ばれるグループのお薬です。

このお薬を服用すると、血管を収縮させる筋肉の収縮が弱まり、結果的に血管の収縮を弱めることで血圧の低下につながります。

カルシウム拮抗薬は効果の発現が比較的早いグループで、高血圧の治療として第一選択として使われることの多いお薬です。

中でも、アムロジピン・ノルバスク・アムロジンは比較的長時間作用するお薬で、1日1回の服用で済むこともあり広く使われています。

 

アムロジピン・ノルバスク・アムロジンの服用で注意したいこと

服用中はめまいやふらつきに注意しましょう

お薬の服用で、血圧が下がることで逆にめまいやふらつきといった副作用が出ることがあります。
特に、お薬の飲み始めや、お薬の量を増やした時に発生しやすいです。

これらの副作用はお薬を継続的に服用することで徐々になくなっていくことがほとんどですが、めまいやふらつきといった症状が強く出てしまった時は医療機関にご相談ください。

また、特に飲み始めや増量した後は、自動車や自転車の運転など注意力が必要な作業や危険を伴う作業は避けて、安静に過ごすなどのケアをしましょう。

 

服用中止後もしばらくは注意しよう

このお薬は比較的効果時間が長いです。

そのため、服用中止後もしばらくの間は血圧を下げる効果が続きます。
このお薬が中止になったり、この薬からほかの薬に切り替える際も、しばらくはこの薬の効果が体に残っていることを念頭に、血圧の変化のチェック、めまいやふらつきへの注意などをしていきましょう。

 

グレープフルーツはなるべく避けましょう

アムロジピン・ノルバスク・アムロジンはグレープフルーツジュースで薬の効果が強まったり、効果時間が延長してしまうことがあるので、このお薬の服用中はグレープフルーツやグレープフルーツジュースの飲用を避けることをお勧めします。

 

アムロジピン・ノルバスク・アムロジンと飲み合わせの注意が必要なものはこちら

以下のお薬はアムロジピン・ノルバスク・アムロジンとの相互作用が注意されています。
禁止されているわけではないので医師の診断のもと一緒に処方されることはあります。

重要なのはかかりつけ医としっかりと相談して診断して処方してもらうことです。
念のため以下のものは把握しつつ治療にあたりましょう。

  • ほかの血圧を下げるお薬
    血圧を下げる薬をセットで服用すると効果が強まることがあります。
    ただ、治療中にほかの高血圧のお薬をセットで処方されることは多くあります。この時は医師の診断のもと処方されているのでセットで飲んで大丈夫です。
    初めてセットで服用する時は血圧が下がってふらつきが出ることもあるので注意しながら服用し、服用後は安静に過ごしましょう。
    また、ふらつきなどが強い時はかかりつけ医にしっかりと治療方針を相談するようにしましょう。
     
  • シンバスタチン、リポバス(コレステロールを下げるお薬の一つ)
    シンバスタチンの効果や持続時間が強化されるという報告があります。
    コレステロール、高脂血症、脂質異常症等の治療をされている方は、医師に高血圧のお薬も飲まれていることを伝えておきましょう。
     
  • タクロリムス、プログラフ、グラセプター(免疫抑制剤)
    タクロリムスの血中濃度が高まり、作用の強化や、副作用が発生しやすくなる可能性が指摘されています。
     
  • エリスロマイシン、ジルチアゼム、リトナビル、イトラコナゾールなどCPY3A4阻害薬
    アムロジピン・ノルバスク・アムロジンの効果が強まる可能性が指摘されています。
    ほかにお薬を服用する際は、必ず高血圧のお薬を服用中であることを医師に伝えてください。
     
  • リファンピシンなどCPY3A4誘導薬
    アムロジピン・ノルバスク・アムロジンの効果が弱まる可能性が指摘されています。
    ほかにお薬を服用する際は、必ず高血圧のお薬を服用中であることを医師に伝えてください。

 

終わりに

アムロジピン・ノルバスク・アムロジンを処方してもらった担当医と相談ができていない時は今回のガイドラインも参考になるでしょう。

ただ、重要なのは、処方してもらった担当医・かかりつけ医と相談して決めることです。

長期間付き合うことの多いお薬ですので、いざという時に担当医とコミュニケーションをしっかり取れるようにしていきましょう。

 

脚注

※1 高血圧症の人数:日本高血圧学会・一般向け「高血圧治療ガイドライン 2014」解説冊子より

※2 高血圧薬の飲み忘れ時の対応方法:日本高血圧学会・一般向け「高血圧治療ガイドライン 2014」解説冊子より