夜になかなか寝付けない・・夜中に起きてしまう・・現在、睡眠に悩まされている人は数多く、日本人の5人に1人は不眠に悩んでいるとも。不眠の症状をしっかり治療するためには、病院で症状にあった薬を処方してもらうことが大切です。

アモバン(成分名:ゾピクロン)は1989年に販売が開始され、睡眠薬の中でも歴史の古い薬です。
この記事では、アモバンの効果・作用時間と半減期・副作用・入手方法・他の睡眠薬との違いにについて解説していきます。

アモバンとは?

​アモバンは非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、即効性があることが特徴です。
非ベンゾジアゼピン系の薬は、脳の機能を抑えて眠気を誘発するベンゾジアゼピン受容体を活性化させることで眠りを促します。

また、比較的、安全性も高い薬だとされています。

アモバンの剤形

アモバンの錠剤は、7.5mgと10mgの2種類。OD錠はありません。
アモバン錠10 の薬価は26.00円、アモバン錠7.5の薬価は21.60円です。

また、アモバン錠には、ジェネリック医薬品が発売されています。
「アモバンテス錠」をはじめ、その他にもさまざまな名前で多数の製薬メーカーから販売されています。

どのジェネリック医薬品も先発医薬品と比較すると半額以下の薬価となっています。
不眠の治療中は継続して薬を服用することになるので、薬代を抑えることができるジェネリック医薬品も選択肢のひとつです。

アモバンおよびジェネリック医薬品の詳しい剤形・薬価は以下をご確認ください。
アモバンの剤形一覧まとめ

アモバンの入手方法

アモバンは処方薬であるため、薬の購入には医師の診断のもと処方箋が必要になります。

また、ジェネリック医薬品の購入には先発医薬品と同じく医師の処方箋が必要です。ジェネリック医薬品を個人輸入で購入した場合は、使用後の副作用など全てが自己責任になります。

病院で処方してもらった医薬品で重大な副作用が起きた時は、医薬品副作用被害救済制度などで補償されることがありますが、個人輸入の医薬品などは補償の対象外です。
基本的に、個人輸入ではなく国内の医療機関で処方された薬を使用することをお勧めします。

なお、アモバンと同成分を使った市販薬は現在販売されていません。(2016年3月時点)

アモバンの効能・効果と用法用量

添付文書による効能・効果、および用法用量は下記の通りです。

不眠症

通常、成人1回、ゾピクロンとして、7.5~10mgを就寝前に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、10mgを超えないこと。

アモバン錠7.5/アモバン錠10添付文書

就寝の直前に服用しましょう。睡眠途中で一時的に起床し、仕事などで活動する可能性があるときは服用を控えましょう。薬の睡眠誘発による思わぬ事故を招く危険性があります。

・効果には個人差があるため、少量(高齢者は1回3.75mg)からの服用を開始しましょう。やむをえず量を増やす場合は、医師と相談のもと慎重に服用し、10mgを超えてはいけません。

・服用中は、自動車の運転や危険を伴う機械の操作は避けてください。

抗不安作用もある

アモバンには、不安な気持ちを和らげる抗不安作用も含まれており、不安や緊張感をほぐす作用も睡眠誘導の助けとなることがあります。
不眠の原因が精神的なものにある場合、薬の効果は感じられやすくなります。

長期使用には注意が必要

非ベンゾジアゼピン系の薬は、従来使用されてきたベンゾジアゼピン系の睡眠薬と比べると依存性・耐性ともにおこしにくいといわれています。
また、アモバンは向精神薬ではないため、処方制限日数がなく約3ヶ月ほどの長期の処方も可能です。

しかし、睡眠薬は依存性の危惧がある薬であり、使用方法を誤れば重篤な副作用につながる危険性があります。睡眠薬の使用は医師の指示のもと用法用量を守って服用してください。

アモバンの作用時間と半減期

睡眠薬は作用時間によって大きく分けて4種類に分類されています。

薬のタイプ 半減期
超短時間型 2〜4時間
短時間型 6〜10時間
中時間型 12〜24時間
長時間型 24時間以上

 

アモバンは、超短時間型に分類される睡眠薬です。
同じ超短時間型の睡眠薬には、ルネスタマイスリーハルシオンなどがあります。

ルネスタとの違いについて、詳しくは以下の記事をご確認ください。
関連記事:睡眠薬ルネスタとアモバンの違いは?効果の共通点から薬価の違いまで

アモバンはすぐに眠りにつきたい方向け

アモバンは即効性があり、不眠症の症状の中でも寝つきが悪い入眠障害や、すぐに眠りにつきたいという方にとって効果を発揮しやすくなっています。

アモバンの服用後、体の中で有効成分の濃度が最も高くなる最高血中濃度到達時間1時間前後で、薬の濃度が体内で半分になる半減期はだいたい4時間以内とされています。
つまり、アモバンは薬を飲み始めてから1時間ぐらいで効きはじめ、そこから3時間ぐらい効果を発揮するといえます。

■ぐっすりと眠りたい場合は?
アモバンは、効果の持続時間は他の睡眠薬と比較するとそれほど長くありません。そのため、長時間ぐっすり寝たいという方や、夜中に何度も起きてしまう中途覚醒の方にとってはあまり向いていません。

寝つきが悪い方にはよく処方されるアモバンですが、ぐっすり眠りたいとう方にはリスミーサイレースレンドルミンベルソムラロヒプノールなどの睡眠薬が向いています。

アモバンの副作用

添付文書によると、全体の7.12%の方に副作用の症状が認められています。

最も頻度が高い副作用は苦味

どの成分が苦味を感じさせるのかははっきりわかっていませんが、全体の4.18%(副作用を感じる方のうち半分以上)の方が苦味を感じているとしています。
苦味を感じる程度には個人差があり、薬を飲むときだけ苦みを感じる人もいれば、苦味が翌日まで残るほどの人もいます。

その他の主な副作用

苦味以外には、以下の通りの副作用が報告されています。

ふらつき(0.89%)、眠気(0.51%)、口渇(0.48%)、倦怠感(0.41%)、頭重(0.22%)、頭痛(0.19%)、嘔気(0.19%)、不快感(0.13%)、めまい(0.12%)など

重大な副作用

頻度は少ないですが、以下の副作用の危険性があります。

■依存性
使用を続けることにより、薬物依存を生じる場合があります。
また、断薬により離脱症状があらわれることがあるので、服用を中止する場合も、少しづつ減薬するなど慎重に行う必要があります。

■一過性前向性健忘、もうろう状態
もうろう状態や、自分では覚えていないが歩いたり人と話したりしてしまう一過性前向性健忘となってしまう場合があります。

その他、頻度は不明ですが、肝機能障害、幻覚やせん妄などの精神症状、意識障害、アナフィラキシーなどを引き起こす可能性があります。
体調に異常を感じた場合は、かかりつけの医師に相談してください。

副作用への対処法

人によって副作用の苦味の程度はさまざまですが、苦味があまりにも気になる場合は、薬の切り替えもひとつの対処法です。
同じ超短時間型の睡眠薬には、マイスリーハルシオンなどがあります。副作用がきになる場合は他の睡眠薬に切り替えられるか医師に相談しましょう。

また、その他の副作用の対処法としては、量を減らすことも選択肢のひとつです。
量が減ると、半減期が多少短くなる場合もありますが、眠気などを翌日に持ち越してしまう症状も抑制できます。ただし、自己判断での服用量の変更は大変危険です。必ず医師と相談のうえ、副作用に対処しましょう。

アモバン使用上の注意

アモバンの服用に際しては、以下のことに注意が必要です。

服用してはいけない方

・ゾピクロンやエスゾピクロンに対してアレルギーなどを起こしたことのある方
・重症筋無力症
・急性狭隅角緑内障の方

また、肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害などで呼吸機能が高度に低下している方の服用も原則的には認められていません。服用に際しては、医師の慎重な処方が必要です。

服用に注意が必要な方

・肝障害、腎障害のある方
・脳に器質的障害のある方
・衰弱している方
・心障害のある方

上記の方はアモバンの使用には注意が必要とされています。
アモバンの作用が強くあらわれてしまったり、元々の症状が悪化する場合があります。
該当する方は必ず医師、薬剤師に報告しましょう。

高齢者・妊娠中・授乳中の方、および小児の服用

■高齢者
高齢者の服用は、運動失調や副作用が起こりやすいとされています。服用する場合は、少量(1回3.75mg)からとなります。

■妊娠中・授乳中の方
妊娠中の方がアモバンを使用した場合の安全性は確立されていません。治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用ができますが、できるだけ避けることが望ましいでしょう。
授乳中の方がやむをえずロゼレムを使用する場合は、薬の効果が持続しているタイミングでの授乳は避けてください。

■小児
小児に対する安全性も確立していません。

他の薬との飲み合わせ

アモバンは、筋弛緩薬や中枢神経抑制剤などの併用には注意が必要です。
その他、服用中の薬がある場合は、事前に医師に報告をしましょう。

■マイスリー・レンドルミンとの併用は?
医師が必要と判断した場合には併用可能です。
必ず、医師の指示のもとで服用を行ってください。

アルコールとの飲み合わせ

アモバン服用中の飲酒には注意が必要です。
アルコールの中枢神経抑制作用により、薬との相乗効果で薬が効きすぎてしまったり、副作用が起こりやすく可能性があります。

アモバンは脳の機能・中枢神経を抑制することで眠りを促しますが、アルコールも中枢神経に影響を及ぼします。ろれつがまわらない・まっすぐ歩けないなどの運動障害、眠くなるなどの意識障害などを引き起こします。

アモバンと酒・アルコールの両方の作用が出すぎてしまうことにより、翌日になっても眠気を感じたり、副作用がでやすくなったりします。
車の運転や機械を操作する作業に従事している方は特に注意しましょう。

また、睡眠薬の酒・アルコールとの併用を続けると、薬の依存性や耐性形成も急速に進むとされているのでお控えください。

■アモバンとアルコールを一緒に飲んでしまった場合には

アモバンと酒・アルコールを併用してしまった場合、まずは様子をみましょう。
酒・アルコールを飲んだ時間とアモバンを飲んだ時間の間が空いていれば、強く副作用がでない場合もあります。

眠気が翌朝まで続いたり重大な副作用が出た場合、体を安静にして症状が治まったら、医療機関に相談しましょう。

睡眠薬は医師の指示のもとで正しく使用することが大切です

睡眠薬の服用で忘れてはいけないことは、医師の指示のもと正しく使用することです。

そして、睡眠薬は漫然と飲み続けないことも重要です。試用期間が長くなるほど薬への耐性形成のリスクはあがります。あくまで不眠が解消されるまでの期限付きの使用であり、睡眠薬に依存しないことが大切です。

症状が改善した際も、自己判断で薬の服用をやめずに、医師と相談の上で薬の停止方法を検討しましょう。

アモバンの剤形一覧まとめ

アモバンの主成分「ゾピクロン」を含むお薬には以下のようなものがあります。
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