花粉の季節に必須のアルガードシリーズ。花粉症に限らず眼の赤みやかゆみに効果があるので、日常的に使用する方も多いのではないでしょうか。
この記事ではシリーズ内の商品の比較からシリーズの使い分けまで、現役薬剤師が解説します!
基本はこれ!通常のアルガードシリーズ
毎年2月3月の花粉の季節になるとアルガードは飛ぶように売れます。シリーズからは通常のアルガードと類似成分の商品がいくつか発売されています。
店頭で最も売れる製品は、通常のロートアルガードとロートアルガードsの2種類です。これら2商品は清涼感が異なるだけで成分的には全く同じです。
アルカードは清涼感があり、クールな差し心地を求める人におすすめです。アルカードsは、清涼感が苦手なお子様や過敏症の方におすすめです。花粉の季節に限らず日常的な眼のかゆみ・赤みにも手軽に使用できるので、家庭用に1本常備するのもよいでしょう。
より清涼感を求める方にはロートアルガードクールEXをおすすめします。売れ筋の面からみても、上記の2製品に次いでよく売れます。また、上記2製品に比べ血管収縮成分が多めに入っているので、充血の気になる方にもおすすめです。
その他、アルガードシリーズからはソフト、ハードコンタクトご使用中の方やお子様向けにもそれぞれ専用の商品が用意されています。必要に応じてご使用ください。
なお、お子様用の「こどもクリア」に関しては、15才未満のお子さんには特に年齢制限なくお使いいただけます。なお、幼児に該当する6才未満など、お子さんが小さくご心配でしたら小児科を受診するのもよいでしょう。
成分のまとめ
参考までに、メーカーページの情報を以下にまとめます。
ロートアルガード | ロートアルガードs | ロートアルガードクールEX | ロートアルガードコンタクトa | ロートアルガードこどもクリア | |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% |
塩酸テトラヒドロゾリン | 0.01% | 0.01% | 0.02% | ||
グリチルリチン酸ニカリウム | 0.25% | 0.25% | 0.1% | ||
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物 | 0.02% | ||||
コンドロイチン硫酸エステルナトリウム | 0.5% | ||||
ビタミンB6 | 0.1% | 0.1% | 0.1% | 0.1% | 0.05% |
L-アスパラギン酸カリウム | 0.2% | ||||
清涼感レベル(メーカー指標) | 4 | 0 | 5 | 4 | 1 |
(出典:メーカーページより)
<成分解説>
・クロルフェニラミンマレイン酸塩 → 抗ヒスタミン成分。かゆみ止め
・塩酸テトラヒドロゾリン → 血管収縮剤。充血止め
・グリチルリチン酸ニカリウム・アズレンスルホン酸ナトリウム水和物 → 炎症止め
・コンドロイチン硫酸エステルナトリウム → 角膜保護成分
・ビタミンB6 → 眼精疲労のための栄養分
・L-アスパラギン酸カリウム → 眼精疲労のための栄養分
効果ばっちり!アルガードの上位シリーズ
同シリーズからは効果のやや強めのシリーズも発売されています。価格帯はやや上昇しますが、医療用と同成分の商品もあり、優れた効き目が期待できます。
ロートアルガードプレテクトは、医療用のアレニスト点眼液0.5%と同一の処方となっています。アレニストの使用経験がある方にはもちろんのこと、かゆみや赤みに総合的に効果を発揮するため、どなたにもおすすめできます。
なお、花粉症の場合は飛散の1~2週間前からの早期使用により、より高い効果が期待できます。
クリアブロックとクリアマイルドの差は清涼感の有無で、ZはEXaの上位種とみてよいでしょう。
いずれも花粉症やアレルギー症状に効く3種類の成分を配合しているため、かゆみや赤みに鋭い効果を発揮します。加えて、角膜を保護するコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを含んでいるため、搔きむしって傷が心配な方にもおすすめです。
成分のまとめ
以下、商品名先頭の「ロート アルガード」は省略しています。
プレテクト | クリアブロックZ | クリアマイルドZ | クリアブロックEXa | クリアマイルドEXa | |
トラニラスト | 0.5% | ||||
クロモグリク酸ナトリウム | 1% | 1% | 1% | 1% | |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 0.03% | 0.03% | 0.015% | 0.015% | |
プラノプロフェン | 0.05% | 0.05% | 0.05% | 0.05% | |
コンドロイチン硫酸エステルナトリウム | 0.5% | 0.5% | 0.2% | 0.2% | |
清涼感レベル(メーカー指標) | 0 | 4 | 0 | 4 | 0 |
(出典:メーカーページより)
<成分解説>
・トラニラスト・クロモグリク酸ナトリウム → 抗アレルギー成分
・クロルフェニラミンマレイン酸塩 → 抗ヒスタミン成分。かゆみ止め
・プラノプロフェン → 炎症止め
・コンドロイチン硫酸エステルナトリウム → 角膜保護成分
眼を洗いたい!アルガードの洗眼薬
アルガードシリーズからは眼の洗浄液も発売されております。
成分名 | 含量 |
イプシロン-アミノカプロン酸(抗炎症剤) | 0.25% |
グリチルリチン酸二カリウム(抗炎症剤) | 0.025% |
クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン剤) | 0.003% |
ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)(ビタミン剤) | 0.01% |
L-アスパラギン酸カリウム(アミノ酸類) | 0.1% |
(出典:メーカーページより)
成分的には目薬と大差ありません。自宅で時間のある時に使うと、すっきりとした使用感が得られるでしょう。
コンタクトを使用している方は、コンタクトの上から使用することはできません。また、薬剤をコンタクトの下に閉じ込めてしまわないよう使用後は再装着まで10分から15分程度待っていただく必要があります。
就寝前など時間に余裕のある際に使うとよいでしょう。
花粉の時期などに、目のかゆみの対処法の選択肢として覚えておくといいですね。
アルガードの副作用
基本のアルガードシリーズ
基本のアルガードシリーズ(ロートアルガード、ロートアルガードs、クールEX、コンタクトa、こどもクリア)には、いずれも充血の悪化、かゆみ、刺激感、痛みといった眼の異常や皮膚の発疹が報告されています。症状がみられた場合には直ちに使用を中止し、かかりつけ医や近くの眼科を受診してください。
アルガードの上位シリーズ
プレテクトには充血の悪化、かゆみ、刺激感、痛みといった眼の異常や皮膚の発疹が報告されております。
また、クリアブロック(クリアマイルド)ZおよびEXaは、消炎成分のプラノプロフェンから眼や皮膚の異常に加えて気道狭窄による息苦しさが報告されております。使用後すぐに息苦しさや皮膚のかゆみ、じんましんが現れた場合にはアナフィラキシーショックと呼ばれる急性のアレルギー反応が疑われます。
使用後に副作用と考えられる症状がみられた場合には、直ちに使用を中止しかかりつけ医や救急外来まで相談してください。
おわりに
花粉症やアレルギー性鼻炎の方は、市販の目薬の加えて飲み薬や点鼻薬も併用するのがよいでしょう。
飲み薬では眼の症状も改善されるかと思います。他にも花粉症の場合にはマスクを使用するなど、眼にばかり負担をかけないよう複合的に対策をしましょう。
アルガードシリーズを正しく使いこなして、快適な生活を送りたいものですね。