プロトピックはどんな薬?

プロトピックは医師などの処方箋が必要な処方箋医薬品(処方薬)でアトピー性皮膚炎の治療に使われる免疫抑制剤です。

プロトピックには「タクロリムス」という成分が含まれます。

プロトピックの歴史

1989年12月よりプロトピックの成分となるタクロリムスの外用剤を製剤化する研究が行われました。

アトピー性皮膚炎に対する効能・効果が認められたのは1999年6月で、その後、成人のアトピー性皮膚炎を治療するための外用薬「プロトピック軟膏0.1%」として販売されました。

また、小児のアトピー性皮膚炎に対して「プロトピック軟膏0.1%」の成分量などが調整された「プロトピック軟膏0.03%小児用」が2003年12月に販売されました。

プロトピックの効果

プロトピックはアトピー性皮膚炎の治療に効果があります。

成分のタクロリムスは免疫をおさえる作用があり肝移植、腎移植、肺移植、 心移植、膵移植などの臓器移植においては拒絶反応をおさえる効果があります。

皮膚にプロトピック使用した際、皮膚の免疫をおさえ炎症をしずめることができ、アトピー性皮膚炎の皮膚症状を改善します。

また、炎症性細胞の肥満細胞にも直接作用しヒスタミンをおさえることでかゆみなどの症状を緩和させる効果もあります。

プロトピックの副作用

プロトピックの副作用は熱感、ずきずきと疼くような痛み、そう痒感、毛嚢炎(もうのうえん)、ざ瘡(ニキビ)、カポジ水痘様発疹症、単純疱疹(たんじゅんほうしん)などがあります。

カポジ水痘様発疹症や単純疱疹は皮膚のウイルス性感染症です。

単純疱疹は一般的には「ヘルペス」といわれ、皮膚の熱感やかゆみなどの症状と、水ぶくれができるという特徴があります。単純疱疹は免疫抑制剤による免疫力低下などが原因で発症することがあります。

その他の副作用はプロトピックを使用した患部に皮膚の刺激感や乾燥が起こるなどがあります。

副作用と思われる症状があらわれた場合はすぐに医師の診療を受けてください。

プロトピックのリバウンドについて

リバウンドとは?

医師や薬剤師から処方された薬で治療をおこなっている時に、自らの判断などで薬の使用を急にやめた場合、薬によっておさえられていた症状が悪化することがあります。このことをリバウンド現象といいます。

薬によって段階的に量を減らしたり、効果の弱い薬に替えることで医師はリバウンド現象を防ごうとしています。

症状が改善したからといって、自らの判断で薬を減量したり使用をやめたりすることはやめてください。

プロトピックはリバウンドする?

アトピー性皮膚炎は症状がおさまったり、悪くなったりを繰り返す慢性的な皮膚の病気で再発や再燃のデータを取ることが難しいとされています。

そのため日本ではプロトピックによるリバウンド現象が起こる可能性についてはっきりと確立されたデータがありません。

ただし、アトピー性皮膚炎の治療に使われるプロトピックは米国および欧州の治験によると、リバウンド現象が起こる可能性は低いと考えられています。

プロトピックは顔やまぶたに使用できる?

プロトピックは顔などにも使用できます。顔や首などの頸部、両手両足や胴体にある皮膚の発疹を改善することが臨床試験にて認められています。

まぶたなどの眼の周囲に使用する場合は、眼に入らないように注意し使用してください。万が一眼に入った場合はすぐに水で洗い流し、刺激感や違和感などがある場合は医師の診療を受けてください。

また、皮膚以外の粘膜や外陰部などには使用しないでください。

プロトピックの使用上の注意

プロトピックはアトピー性皮膚炎の治療に精通している医師の判断により使用することができます。

また、アトピー性皮膚炎の治療に関してステロイド薬などの治療では効果が不十分な場合や、副作用によりステロイド薬の投与ができないなどの理由でプロトピックによる治療が適切だと医師が判断した場合に使用します。

プロトピックを使用する上での注意点が以下となります。

重要な基本的注意

1. 重度の皮疹もしくは塗布面積が広範囲にわたる場合は、血中濃度が高くなる可能性があるので、本剤使用開始の2~4週間後に1回、その後は必要に応じて適宜腎機能検査を行い、異常が認められた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。

2. 本剤使用時は日光への曝露を最小限にとどめること。また、日焼けランプ/紫外線ランプの使用を避けること。

3. 2年以上の長期使用時の局所免疫抑制作用(結果として、感染症を増加させたり、皮膚がんの誘因となる可能性がある)については、臨床試験成績がなく不明である。

4. 皮膚感染症を伴うアトピー性皮膚炎患者には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する場合には、感染部位を避けて使用するか、又はあらかじめ適切な抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤による治療を行う、もしくはこれらとの併用を考慮すること。

5. 使用後、一過性に皮膚刺激感(灼熱感、ほてり感、疼痛、そう痒感等)が高頻度に認められるが、通常、皮疹の改善とともに発現しなくなるので、皮膚刺激感があることについて患者に十分説明すること。

プロトピック軟膏0.1%10mg

プロトピックの使用に注意が必要な方

腎障害、高カリウム血症のある方は症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。

意識障害をともなう高度の肝障害のある方も薬物代謝能が低下し、プロトピックの血中濃度が上がる可能性があります。

また、全身に皮膚の発疹、皮膚の赤みや皮膚が剥離などがある場合も使用には注意が必要です。プロトピックは皮膚からの吸収性が高く、広範囲に使用するとプロトピックの血中濃度が上がります。

プロトピックの使用ができない方

以下の場合はプロトピックを使用できません。

・皮膚の表層が欠損した状態の糜爛(びらん)や潰瘍(かいよう)、皮膚に平らに盛り上がった隆起がある糜爛への使用はできません

・妊娠している方や授乳中の方

・小児は安全性が確立されていないため使用できません

・プロトピックの成分に対して過敏症があらわれたことがある方

・PUVA療法(光化学療法)等の紫外線療法を実施中の方

また、皮膚感染症をともなう方は皮膚感染症が悪化するおそれがあるため、原則として使用はできませんが医師の判断により使用する場合もあります。

プロトピックの用法・用量

通常15歳以上の成人には1日1~2回、適量を患部に塗布します。1回あたりの塗布量の上限は5gまでです。

1日に2回プロトピックを使用する場合は、およそ12時間の間隔をあけて使用してください。

2週間以内に皮疹の改善が認められない場合にはプロトピックの使用が医師の判断により中止されることがあります。

また、プロトピックを使用して症状が改善された場合も医師の判断により使用が中止されることがあります。

おわりに

プロトピックはステロイド剤の薬の替わりにも使用される薬です。副作用や使用上の注意などもしっかり確認し医師の指示を必ず守り使用することが大事です。

また、プロトピックは「プロトピック軟膏0.1%」と「プロトピック軟膏0.03%小児用」があり含まれる成分の量なども違います。

「プロトピック軟膏0.1%」「プロトピック軟膏0.03%小児用」の薬の詳細を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

出典:独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ