どんなに寒さ対策をしていても、この時期悩まされる人の多い「冷え性」。

「冷え性」と聞くと、女性特有のものと思われがちですが、最近は男性にも多く、現代病の一つとして捉えられています。

冷え性は病気とまではいかないものの、病気の手前の症状であり、東洋医学でいうところの「未病」です。放っておくと後々さまざまな病気の元凶になるいわれています。

冷え性対策の一つに漢方薬があります。

この記事では、冷え性対策の漢方薬である「ルビーナめぐり」について解説します。

冷え性とは

東洋医学では、冷え性は「気・血・水」の乱れから起こると考えられています。

「気・血・水(き・けつ・すい)」とは漢方の理論の一つで、体を構成する要素を3つに集約したものです。

:目に見えず、身体の血や水を循環させる「気」そのもの。気力・精神状態などと考えることもできます。

:一般的に言う血液、身体に栄養などを巡らせるもの。

:血液以外の体液(リンパ液など)、ホルモンや免疫物質もこちらに入ります。

健康な状態とは、「気・血・水」がうまく循環し、「身体の恒常性」を保っているということがいえます。

すなわち、気力があり、血液が身体にしっかり循環し、余分や水分などが身体の中に存在しないということです。

冷え性は「気・血・水」の循環が上手く運用されなくなることで起こります。

気力が無く体中に血液を巡らせることが難しくなることを「気虚(ききょ)」また、血液の循環が滞ることを「瘀血(おけつ)」といいます。

また、血液の循環も悪くなることで、身体の余剰な水分が排出されず体内に留まってしまいます。この状態を「水毒(すいどく)」といいます。

冷え性は「気・血・水」の乱れ、つまり現代的な言葉に置き換えると「身体の恒常性」の乱れから起こります。

具体的には、手足の先端に血が行きづらくなり、手足が冷える、むくみが出るなどの症状があります。

冷え性対策の漢方薬「ルビーナめぐり」

ルビーナめぐり

武田薬品工業株式会社の「ルビーナめぐり」は、漢方の処方でいうと「当帰芍薬散加人参(トウキシャクヤクカニンジン)」になります。

当帰芍薬散は、冷え性や更年期障害に昔から用いられている漢方薬で、名前の「加人参」というのは「当帰芍薬散に人参を加えた」という意味になります。

漢方薬は基礎となる処方に患者の体調などに応じて生薬を付け足したり、取り除いたりすることができます。これを「加減方」と言います。

【当帰芍薬散】
当帰(トウキ)
芍薬(シャクヤク)
川芎(センキュウ)
白朮(ビャクジュツ)
※蒼朮(ソウジュツ)の場合もあり
沢瀉(タクシャ)
茯苓(ブクリョウ)

【人参】
人参(ニンジン)

瘀血に効くもの 

瘀血などに効く働きとして「補血」というものがあります。これを担っているのが、当帰・芍薬・川芎です。

当帰や川芎は代表的な補血作用のある生薬で、「性味」という生薬の性質を決めるカテゴリーでも「温」とされており、昔より血を補ったり身体を温めることに用いられてきました。

水毒に効くもの

水毒は身体に水が溜まった状態を指しますので、利尿作用などが挙げられます。これを担っているのが、白朮・沢瀉・茯苓です。

特に茯苓は利尿剤として有名で、もっぱら水毒の改善に役立つとされる漢方薬の「五苓散」の中心となる生薬です。二日酔いなども身体が水毒にあるため、五苓散などは身体の余剰な水分を排出してくれます。

当帰芍薬散は以上の「瘀血」「水毒」を改善するものです。

気虚に効くもの

瘀血や水毒を改善しても、それらを巡らす気が満ちていないと何も始まりません。そんな気力を取り戻すのが人参の働きになります。

人参は漢方を知らない方でも、馴染みのある生薬だと思います。朝鮮人参などはこの人参のことを指し、食用のニンジンとは別物です(生薬のニンジンはウコギ科、食用のニンジンはセリ科)。

人参は補精・強壮・健胃整腸などに用いられ、まさに元気を補うにふさわしい生薬です。

ルビーナめぐり(当帰芍薬散加人参)は当帰・芍薬・川芎で「瘀血」を改善して血の流れを交通整理し、白朮・沢瀉・茯苓で「水毒」の余剰な水分を身体の外へ排出、そして人参で気を補って血と水を巡らせ身体の恒常性を元に戻そうとする働きがあります。

 

その他冷え性に効く代表的な漢方薬

ルビーナめぐり(当帰芍薬散加人参)の他にも、冷え性対策の漢方薬があります。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

冷え性を改善する当帰芍薬散と並ぶメジャーな漢方薬です。
頭はのぼせいているのに、下半身が冷えるなど、比較的「瘀血」の症状が強い方に向いているようです。

多くの製薬会社が製品を発売しており、剤形もエキス顆粒から中には古典的な丸剤で提供している会社もあります。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)

身体を芯から温めるとされている呉茱萸や生姜が入った漢方薬です。冷えが強い方、冷えで手足がしびれるような方に向いていると言われています。剤形はエキス顆粒がほとんどで、桂枝茯苓丸・当帰芍薬散より扱っている会社は少なめです。

冷え性にも様々なタイプがありますので、自分の冷え性はどういうものなか一度観察してみて、薬を選ぶのがよいでしょう。

 

冷え性の原因

冷え性になりやすい要因は日常のいたるところにあります。当てはまることがあれば気をつけましょう。

月経周期によるホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスが崩れると自律神経系の働きに支障が出てくるために、血液の循環や水の排出が上手くいかなくなることがあります。

もちろん、男性の方も、不摂生な生活をしているとホルモンバランスは崩れていくので注意が必要です。

外環境によるストレス

ストレスを受けることで自律神経の働きが乱れ、最終的に血行などが悪くなります。

身体を冷やす食べ物・飲み物を摂取し過ぎる

こちらは、秋冬だけに限らず、春夏なども気をつけなければいけません。

生野菜(ウリ科などの野菜)やアルコールなど、多く摂取し過ぎると身体の内側の体温を下げます。少し体の調子が悪かったり、ストレス最近受けている感じるときは気をつけましょう。

長時間同じ姿勢

同じ姿勢は、血行が悪くなるのはもちろん、血液が足先などにたまりむくみの原因になります。

温度管理ができていない空間に長時間いる

夏場にクーラーが効きすぎている、冬場に頭の方は暖房で暑く足元が寒いなどの、長時間体温調節ができない環境も血行が悪くなる原因になります。

 

まとめ 

冷え性は「未病」の代表格ですが、長期的に放置しておくと、不妊・更年期障害などにつながると考えられています。

市販の漢方薬を使用してもなかなか治らないと感じた方は、医療機関に一度相談してみましょう。