ロヒプノール錠の基本情報

ロヒプノール錠とは、エーザイ株式会社が製造販売する不眠症治療剤です。1984年3月から販売され、使用実績も多く比較的歴史が長い薬といえます。

ロヒプノール錠1と2の違い

ロヒプノールは、有効成分(日局フルニトラゼパム)が1mg含まれているものと、2mg含まれているものの2種類があります。

それぞれ販売名が異なり、1mgのものは「ロヒプノール錠1」、2mgのものは「ロヒプノール錠2」といいます。

錠剤を見ると、線が入っていない方の面にそれぞれ大きく「1」「2」と数字が書かれています。

ロヒプノール錠が青くなった?

薬の悪用を防ぐため、厚生労働省からの要請によって、ロヒプノール錠には青色の着色剤が添加されるようになりました。

青くなったロヒプノール錠は、水などの飲料にいれると、錠剤の色が溶けて水の色が変化するようになっています。通常は表面が淡い青色で、中の素錠部分が濃い青色になっています。

ロヒプノール錠の入手方法

ロヒプノール錠は医師の診断を受けて病院で処方してもらう薬です。処方箋無しにドラッグストアや薬局で購入することはできません。また、通販で購入することもできません。

ロヒプノールには注射剤もある?

ロヒプノール錠には、同じ有効成分(日局フルニトラゼパム)が含まれている「ロヒプノール静注用」という注射剤があります。しかし、こちらは麻酔導入剤なので、不眠症の治療には使われません。

ロヒプノール錠の飲み方と作用時間

ロヒプノール錠は、不眠症の治療薬や麻酔前投薬として使われます。ここでは、不眠症の治療に使われるケースについて解説します。

ロヒプノール錠の飲み方

ロヒプノール錠は通常成人の場合、1日1回ルニトラゼパムとして0.5~2mgを使用します。用量は症状や年齢によって調整する必要があり、高齢者の場合は1回1mgまでと定められています。

薬を飲むタイミングは、睡眠の直前です。薬を飲んだ後に、一時的とはいえ仕事や作業などをする必要がある場合は、使用を避けてください。

ロヒプノール錠の効果が続く時間

ロヒプノール錠の場合、薬の望ましい効果が得られる「血漿中濃度」は、使用の約45分後にピークを迎えます。

そして、薬が代謝されて血液中の濃度が半分になる「半減期」は、およそ19.2時間後に迎えます。

これらの時間帯を、ロヒプノール錠が効果を発揮する時間として参考にすることはできますが、薬の代謝速度には個人差があるため、必ずしも当てはまるとは言えません。

ロヒプノール錠が効き始めるまでの期間

睡眠薬全般にわたっていえる傾向として、効き始めるまでの期間は比較的短いです。早ければ使用した初日から効果を発揮することがあります。

初日に効かなかったという人でも、1週間以内に効果を実感するケースが多いです。その後、1~2週間以上にわたって使用を継続すれば、より効果を安定させることができます。

ロヒプノールにもこれらの傾向が当てはまると考えられます。

ロヒプノール錠を使用するケース

不眠症とひと口に言っても、いろんなタイプがあります。そして、幅広い症状に対応できるよう、睡眠薬にもいくつかのタイプがあります。

症状や薬の効き方には個人差があるため、「こんなケースでロヒプノール錠を使用する」というのは、一概にはいえません。

不眠症は症状別に4つのタイプにわけることができます。

不眠症のタイプ
入眠困難 寝つきが悪い
中途覚醒 夜中に目が覚める
早朝覚醒 早朝に目覚める
熟眠困難 ぐっすり眠った感じがしない

中途覚醒と早朝覚醒は「睡眠維持障害型」と呼ばれ、入眠困難と同時に現れることもあります。

睡眠薬は、効果が持続する時間の長さによって4種類に分類することができます。

超短時間作用型
ゾルピデム(マイスリー)、ゾピクロン(アモバン)、エスゾピクロン(ルネスタ)、トリアゾラム(ハルシオン
短時間作用型
エチゾラム(デパス)、ブロチゾラム(レンドルミン)、リルマザホン(リスミー)、ロルメタゼパム(エバミールロラメット
中間作用型
ニメタゼパム(エリミン)、フルニトラゼパム(サイレース)、エスタゾラム(ユーロジン)、ニトラゼパム(ベンザリンネルボン)、クアゼパム(ドラール
長時間作用型
フルラゼパム(ダルメート)、ハロキサゾラム(ソメリン

※カッコ内は商品名

フルニトラゼパムが含まれるロヒプノール錠は、「中間作用型」に属します。

これらのタイプを見極め、医師はそれぞれの患者に適した薬を処方します。ロヒプノール錠が処方される一例としては、超短時間作用型や短時間作用型で効果が得られなかった場合に処方されるケースがあります。

症状と合わない薬を使用すると、十分な効果を得ることが難しくなります。たとえば、中途覚醒の人が効果時間が短い超短時間作用型の薬を使用しても、夜中に目が覚めてしまう可能性があります。

ロヒプノール錠が効かないときは?

中には、1週間以上飲み続けてもロヒプノール錠が効かないという人もいます。薬の効果が感じられない場合は医師に相談しましょう。

通常の範囲内で用いられる用量であれば、薬の量を増やすことが可能です。少量では聞かなかったという人も、増量によって強い効果を得られることがあります。

ただし、薬の増量は副作用の頻度を高めるリスクにもつながるため、独断で行うことは避けてください。

ロヒプノール錠が合っていないのか、あるいは睡眠環境の改善を行えば効果を引き出すことができるのかといったことも含めて、医師と十分に相談してください。

ロヒプノール錠の副作用

副作用の頻度と主な症状

ロヒプノール錠を承認する際に行われた調査では、6.0%の人に副作用が認められました。主な副作用は、ふらつき(感)、眠気、倦怠です。

このほか重大な副作用として、以下のものが現れることがあります。

・依存性
・刺激興奮、錯乱
・呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシス(呼吸機能が高度に低下した場合)
・肝機能障害、黄疸
・横紋筋融解症(筋肉痛、脱力感などが特徴)
・悪性症候群(高熱、頻脈などが特徴)
・意識障害
・一過性前向性健忘、もうろう状態

離脱症状について

ロヒプノール錠の重大な副作用のひとつである依存性は、「離脱症状」を引き起こすことがあります。

離脱症状とは、いわゆる禁断症状のことです。不眠や動悸、吐き気、不安感といった症状が主にみられます。

離脱症状が現れるリスクには個人差があるものの、長期間使用している人や用量が多い人に起こりやすい傾向があります。

離脱症状を避けるためには、定められた用法容量を守り、医師と相談の上で減薬を行うことが大切です。

ロヒプノール錠の使用中の注意点

飲酒について

原則として、どんな睡眠薬であっても使用している間は酒を飲んではいけません。

酒と睡眠薬を併用すると、血中アルコール濃度が高くなり、中枢神経を抑制する作用が起こります。

ロヒプノール錠にも同じ作用があるため、いわゆる「薬が効き過ぎた状態」となってしまい、副作用の発現頻度が高まるおそれがあります。

このほか、睡眠薬を飲んでから寝付くまでの間に行ったことを、翌朝の起床時に記憶していないといった現象が起こることもあります。

飲酒から時間が経ち、酔いも覚めているから問題ないだろうと、睡眠薬を使用することも控えてください。酔っぱらっている感覚はなくても、体の中には代謝しきれていないアルコールが残っている可能性があります。

妊婦・授乳婦・子どもの使用について

妊娠中の使用は避けることが望ましいですが、医師が必要と判断すれば処方される事があります。

授乳中に使用する場合は、授乳を控えてください。母乳を通して薬の成分が赤ちゃんに移行することが認められています。

また、ロヒプノール錠は15歳未満の子どもに対する安全性が認められていません。15歳未満の使用は避けましょう。

ロヒプノール錠のジェネリック医薬品

ロヒプノール錠には、1mgと2mgそれぞれにジェネリック医薬品(後発薬)があります。

ジェネリック医薬品は先発薬と同じ主成分が使用されているため、同等の効果が期待できます。しかし、製薬会社によって使用される添加物に違いがあり、効果の程度に影響を与える場合もあります。

先発薬とジェネリック医薬品のどちらを選ぶと良いかは、医師や薬剤師に相談すると良いでしょう。ロヒプノール錠のジェネリックは以下の通りです。

製造会社 販売名
日本ジェネリック フルニトラゼパム錠1mg「JG」
フルニトラゼパム錠2mg「JG」
シオノケミカル フルニトラゼパム錠1mg「SN」
フルニトラゼパム錠2mg「SN」
共和薬品工業 フルニトラゼパム錠1mg「アメル」
フルニトラゼパム錠2mg「アメル」
辰巳化学 フルニトラゼパム錠1mg「TCK」
フルニトラゼパム錠2mg「TCK」

なお、上記ジェネリック医薬品の薬価(2017年7月現在)は、1mgは1錠あたり5.6円、2mgは1錠あたり5.8円となっています。

おわりに

ロヒプノール錠の使用は、医師との二人三脚で行うことが大切です。安全に薬の効果を得るためには、医師に定められた用法用量を守りましょう。

また、独断で薬の使用を辞めてしまうことも控えてください。不眠症が治りきっていないうちに薬の使用を中断してしまうと、症状の悪化や再発を招く原因となります。

不眠症の完治を目指すためには、薬の使用だけに頼るのではなく、寝室を快適にしたり、定期的な運動をするといった昼間の過ごし方の工夫も心がけたいですね。