薬の服用中は、「相互作用」に注意しなければなりません。相互作用とは、薬の併用や食べ物によって、作用が強く出すぎたり、逆に効果が弱くなったり、場合によっては副作用が出やすくなることです。

ワーファリンは、血が固まって血栓ができるのを予防する「抗凝固薬」として古くから使われている抗血栓薬で、肺塞栓症、脳塞栓症などの血栓塞栓症の治療や予防に使われています。

一般に血液をサラサラにする薬として知られていますが、効き目が強すぎると出血しやすくなり、血が止まらなくなることがあります。

ワーファリンの詳細についてはこちらをごらんください。
ミナカラおくすり辞典:ワーファリン錠1mg

ワーファリンの処方量は血液検査によって決まる

ワーファリンは血液凝固検査により、その人に合った薬の量を決めます。
そして、ワーファリン服用中にも定期的に検査を行い、薬の効果を測定して治療に際しての投与量を決めていきます。
検査は、プロトロンビン(PT)という血液凝固因子ができるまでの時間を計るもので、プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)により判断し、数値を測定するものです。

PT-INRの数値は、血液がサラサラになる度合ともいえるため、数値から以下のことが分かります。
・数値が大きいほど効き目が強い→血が固まりにくく、出血傾向が強くなる
・数値が小さいほど効き目が弱い→血が固まりやすく、血管を詰まらせるリスクが高くなる

この数値は、他の薬と併用すると変動することがあるため、薬の飲み合わせには十分に注意しなければなりません。

ワーファリンと風邪薬は一緒に飲んでもいい?

ワーファリンとNSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる解熱鎮痛剤は相互作用があります。
風邪薬には、このNSAIDsの解熱鎮痛成分を含んだものが多いため、気をつけなければなりません

またNSAIDs(解熱鎮痛剤)は、風邪薬だけではなく、頭痛、生理痛薬などとしても数多く販売されていますが、ワーファリンと併用すると、ワーファリンの作用が強まり、血が止まりにくくなることがあります。
よって以下のような解熱鎮痛剤との併用は注意が必要です。

■主な解熱鎮痛剤

医薬品の成分 処方薬 市販薬
アスピリン バファリン バファリン、ケロリンなど
ロキソプロフェン  ロキソニン ロキソニンSなど
イブプロフェン ブルフェン イブ、ノーシンピュアなど
エテンザミド エテンザミド ナロンエース、セデスなど
アセトアミノフェン※ カロナール タイレノール、バファリンルナなど
ジクロフェナクナトリウム ボルタレン ボルタレンEXテープ、 フェイタスZなど
インドメタシン インダシン サロンパスEX、バンテリンコーワなど

※アセトアミノフェンはNSAIDsではありませんが、ワーファリンとの相互作用があります。

ワーファリン服用中に、風邪などで他の薬を併用する場合は、ワーファリンを減量するなどの検討が必要になることがあるため、自己判断で使用せず、必ず医師や薬剤師に相談して下さい。

抗生剤は一緒に飲んでもいい?

抗生剤は種類が多く、ワーファリンに影響させないものもありますが、一部の抗生剤は​、ワーファリンと併用すると作用が強くなるとされています。

主に以下の抗生物質には注意が必要です。
・ペニシリン系
・テトラサイクリン系
・マクロライド系
・アミノグリコシド系
・クロラムフェニコール系
・セフェム系

これら抗生剤とワーファリンを併用することで、PT-INRの数値が高くなるという報告がある一方、そもそも風邪などの感染症自体がワーファリンのコントロールを不安定にしている、という報告もあります。
いずれにしても、ワーファリン服用中に他の薬を併用する場合は、自分の数値を確認しながら、出血傾向に注意することが必要です。

ワーファリンは相互作用を起こす薬が多数!

ワーファリンの効果を強めてしまう薬には、風邪薬や抗生剤以外にも、他の抗血栓薬、精神神経用剤、抗てんかん薬、痛風治療剤、糖尿病用剤、高脂血症用剤、甲状腺ホルモン剤、抗真菌剤、アレルギー用薬など、非常に多くの薬があります。

反対に効果を弱めてしまう薬には、抗結核薬、催眠鎮静薬、ビタミン剤(ビタミンK及びビタミンK含有製剤)などがあります。

また、骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤は併用禁忌とされています。
骨粗鬆症治療をしていて、血栓治療も必要とする場合は、併用すると作用が弱くなるため、ワーファリンによる治療を優先し、骨粗鬆症治療用の投与を中止することとされています。

サプリメントにも注意

サプリメントでも、ワーファリンの作用を弱めたり強くするものがあるため、注意しましょう。

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は、ハーブとして不眠やイライラに効くサプリメントなどが販売されていますが、医薬品の効果を弱めることでも知られています。
ワーファリンも併用すると効果を弱めるとされているため、避けてください。
また、健康食品やサプリメントは成分表示が不明確なものもあるため、摂取前には必ず医師、薬剤師に相談し、自己判断で併用しないようにしましょう。

グルコサミン・コンドロイチン

膝の痛みなどの関節痛に効果があるといわれているグルコサミン・コンドロイチンというサプリメントは、中高年を中心に人気が高い商品ですが、ワーファリンの効果を強めるとされています。

血液をサラサラにして関節痛をなくすつもりが、血が止まらない状態を引き起こす可能性があるため、ワーファリンを服用する場合には、速やかにグルコサミン・コンドロイチンの服用を中止し、担当の医師に相談しましょう。

さいごに  ワーファリンは食べ物にも注意!

血栓予防や治療に使われる抗血栓薬には、ワーファリンのような「抗凝固薬」の他にバイアスピリンのような「抗血小板薬」があります。同じ血栓治療の薬でも、バイアスピリンは食べ物の相互作用はほとんどないとされていますが、ワーファリンは、納豆をはじめ、いくつか注意する食品があるため、合わせて注意しましょう。

食べ合わせの相互作用についてはこちらをご覧ください。
関連記事:ワーファリンの相互作用:納豆など注意すべき食品を解説!