安らかな眠りを激しい痛みで突然引き裂く「こむら返り」。
正式には腓腹筋(ひふくきん)痙攣といい、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が突然痙攣し、筋肉が収縮したまま緩まない状態になるもので、激しい痛みを伴います。

運動中であれば、準備運動不足や筋肉の使い過ぎ?と原因が何となく思い当たりますが、寝ている間もこむら返りが起きるのは何故でしょうか。

今回はこむら返りの原因と対処法、そして特効薬ともいわれる漢方薬「芍薬甘草湯」の効果効能をご紹介します。

こむら返りの原因と対処法

私たちの体の筋肉は、脳や脊髄からの電気的な信号が筋肉に伝わることで収縮・弛緩しますが、こむら返りはこの筋肉の収縮が異常に起こるものです。
原因のひとつは、細胞や血液中にあるナトリウムやカリウムといった電解質のバランスが崩れること。
大量の汗をかいたときや、水だけ飲んで電解質が補給されないときなどに多く発生します。特に夏場はこむら返りになりやすい季節といえるでしょう。
もうひとつの原因は、末梢神経への過剰な負荷です。激しい運動や冷え、長時間同じ姿勢でいることなどがこれにあたります。
その他、ビタミンB1不足や糖尿病、腎不全などの病気が関係している場合もあります。

就寝中のこむら返りの原因

体を休めているはずの就寝時、突然こむら返りに襲われることにはちゃんと原因があります。
上向きに寝ているときの膝下の状態を思い浮かべてください。
足首が伸びて、ふくらはぎの筋肉が収縮している状態、その状態が長時間続きます。
そこに、運動による疲れアルコールの摂取発汗による電解質バランスの乱れといった要因が重なることで、睡眠中にこむら返りが起こるのです。

こむら返りのとき脚はどっちに伸ばす?

こむら返りはふくらはぎの筋肉が異常に「収縮」している状態なため、逆に「伸ばす」ことが対処法のカギです。
膝を伸ばした状態で、つま先をゆっくりと顔の方に曲げてふくらはぎの筋肉を伸ばしてください。
こむら返りが治ったら、ふくらはぎを優しくさすりましょう。筋肉の緊張を和らげ、血流を改善させると痛みも早くとれます。

こむら返りに効く漢方・芍薬甘草湯

こむら返りに用いられる漢方薬の代表は芍薬甘草湯です。
急に起こる筋肉の痙攣と、それに伴う激しい痛みをやわらげる薬で、実際にこむら返りが起こってから服用しても効果があります。

【芍薬甘草湯の特徴】

●症状や体質:体力に関わらず使用できる、筋肉が引きつって痛む、こむら返り、関節痛、腰痛などに
●構成生薬:芍薬、甘草
●気をつけること:甘草を含むため、他の漢方薬との併用による甘草の過剰投与に注意、高血圧や利尿薬で治療中の方も服用に注意
●投与が禁忌の人:アルドステロン症の患者、ミオパチー(筋疾患)のある患者、低カリウム症の患者

芍薬と甘草は筋肉の引きつりを緩める作用がある生薬で、実際に引きつってから服用しても効果があります。こむら返りに関わらず、さまざまな筋肉の引きつりに対処します。
例)月経痛、胃痛、腹痛、しゃっくり、痛風の痛み、坐骨神経痛、顎関節症

寝ている間に脚がつるのを抑えるためには、1日1回、夕食後に服用します。

漢方薬というと「体質改善」などを目的に長期に渡って服用するイメージがあるかと思いますが、芍薬甘草湯の場合は長期服用は避けてください。
また持病をお持ちの方や薬を服用中の方は、服用前に担当医にご相談ください。

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就寝時のこむら返りの予防法

就寝時、こむら返りになることを予防するには、以下の3点に気を付けましょう。

●寝る前の水分・ミネラル分を補給
●ストレッチをおこない、アキレス腱を伸ばす
●膝下に枕などを入れて、少し膝を曲げた状態で眠る

私たちは寝ている間も汗をかきます。夏はさらに大量の汗をかきますので、眠る前に充分ミネラル分と水分を補給しておきましょう。
ノンカフェインの麦茶やハーブティーなどがおすすめです。
軽くストレッチをしたり、丸めたタオルや枕を膝下にいれてふくらはぎの筋肉を緩めるのもいいでしょう。

おわりに

健康な人でも半数以上は、一生のうちに一度はこむら返りを経験するといわれています。

しかし、あまりに頻繁におこったり、痛みが何日も続く場合は、何らかの病気が隠れている場合もありますので、一度整形外科で診てもらいましょう。