アトルバスタチンの効果

アトルバスタチンは、肝臓におけるコレステロールの合成を抑える働きがあり、主に以下の疾患に効果があります。

・高コレステロール血症
・家族性高コレステロール血症

高コレステロール血症は、血液中のコレステロール値が高すぎる状態のことです。家族性高コレステロール血症は、遺伝など先天的な要因による高コレステロール血症のことを指します。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を大幅に減少させる作用があるため、動脈硬化の予防などが期待できる薬です。

アトルバスタチンの種類

アトルバスタチンには、錠剤(5mg、10mg)、OD錠(5mg、10mg)といった剤形の種類があります。

OD錠は口の中で溶けるタイプのもので、水なしで使用することができます。効果や効きの早さについては、錠剤タイプと特に違いはありません。

アトルバスタチンの用法・用量

通常、成人は10mgを1日1回で使用します。

年齢や症状の度合いにより量を増減しますが、高コレステロール血症において重症の場合には20mgまで、家族性高コレステロール血症において重症な場合には40mgまで増量することができます。

アトルバスタチンの副作用

アトルバスタチンの主な副作用として、胃の不快感、そう痒感、手指のしびれ、不眠、下痢、胸やけ、便秘、頭痛、全身の倦怠感などが報告されています。

副作用と考えられる不調が現れた場合には、早めに医師・薬剤師に相談してください。

重大な副作用

命に関わる重大な副作用が発生することはほとんどありませんが、以下の副作用が報告されています。

・横紋筋融解症、ミオパチー(筋肉痛、脱力感、赤褐色の尿)
・劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸(肝臓の異常)
・過敏症(血管性浮腫(ふしゅ)、アナフィラキシー反応、蕁(じん)麻疹)
・無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症(鼻血などの出血、血液成分の異常)
・中毒性表皮壊死症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑(皮膚や粘膜の異常)
・高血糖、糖尿病(口の渇き、頻尿、全身の倦怠感)
・間質性肺炎(せき、発熱、呼吸困難)

脱毛は副作用?

添付文書で報告されているその他の副作用として、発生の頻度はまれですが、脱毛症が報告されています。

ダイエット目的の使用は?

アトルバスタチンをダイエット目的として使用することは危険です。適切な症状に使用しないと副作用のリスクが非常に大きくなることが考えられます。

また、成分であるアトルバスタチンによる体重増加を示す実験結果もあります。アトルバスタチンの安易なダイエットへの使用は避けてください。

アトルバスタチンの使用上の注意

アトルバスタチンの使用が禁止されている方

以下に該当する方の使用は禁止されています。

・アトルバスタチンが含まれる薬で、過去にアレルギー反応を起こしたことのある方

・急性肝炎、慢性肝炎の急性憎悪、肝硬変、肝がん、黄疸などにより、肝臓の代謝機能が落ちていると考えられる方

・妊娠中、または妊娠している可能性がある方、授乳中の方

・テラプレビル、オムビタスビル、パリタプレビル、リトナビルなどのC型肝炎治療薬を使用している方

使用に注意が必要な方

以下に該当する方は、医師・薬剤師の指示に従って慎重に使用しましょう。

・肝障害の方、または過去にかかったことのある方

・アルコール中毒の可能性のある方

・腎障害の方、または過去にかかったことのある方

・フィブラート系薬剤(ベザフィブラートなど)、免疫抑制剤(シクロスポリンなど)、ニコチン酸製剤(ニセリトロールなど)、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾールなど)、エリスロマイシンを使用している方

・糖尿病の方

高齢者

一般に高齢者は生理機能が低下しているため、アトルバスタチンの血中濃度が増加しやすい傾向があります。また、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告もあります。

副作用と思われる体調の変化があらわれた場合には、すぐに使用を止めて適切な処置を行ってください。

飲み合わせに関する注意点

フィブラート系薬剤との併用

腎機能に異常のみられる方は、アトルバスタチンとフィブラート系の薬剤(ベザフィブラート、フェノフィブラートなど)を併用すると横紋筋融解症が現れやすくなります。

原則として併用されませんが、治療上やむを得ないと医師が判断した場合に使用されることがあります。

グレープフルーツジュースとの飲み合わせ

アトルバスタチンは、グレープフルーツジュースと併用するとアトルバスタチンの作用が強まることが報告されています。

グレープフルーツジュースに含まれる成分が、薬の分解をうながす代謝酵素の働きを邪魔するため、薬の効き目が強くなり副作用が出やすくなってしまいます。

アトルバスタチンを使用中の際は、グレープフルーツジュースは飲まないように気をつけましょう。

先発品リピトールとの違い

アトルバスタチンは、リピトールの後発品(ジェネリック医薬品)です。

アトルバスタチンとリピトールは主成分の量が同じであり、効果はほとんど同じといえます。

先発品とジェネリックの違い

先発品とジェネリックの大きな違いは、開発にかかっている金額です。ジェネリックは質が良くないから安いのではなく、数百億円程度の研究開発費がかからないため、安くで購入することが可能になっています。

先発品とジェネリックは効果はほとんど同じであるということができ、安いから効きが悪いという心配はありません。

しかし実際にはジェネリックに変えたら薬の効きが悪くなった、というケースはあります。含まれている添加物の違いにより吸収に若干の影響を与えてしまうからではないかと考えられています。

先発品からジェネリックに変更して違和感を感じるのであれば、医師に相談して先発品に戻すことも考えてみましょう。

アトルバスタチンの薬価を比較

アトルバスタチンには「サワイ」や「トーワ」など、多くの製薬メーカーから販売されるジェネリック医薬品があります。

先発品リピトールと、アトルバスタチンの主なメーカーとの価格の違いは次のようになります。

5mg1錠

製品名 製造会社 薬価
リピトール錠5mg アステラス 51.8円
アトルバスタチン錠5mg「サワイ」 沢井 26.4円
アトルバスタチン錠5mg「トーワ」 東和薬品 22.9円
アトルバスタチン錠5mg「サンド」 サンド 22.9円
アトルバスタチン錠5mg「日医工」 日医工 15.2円
アトルバスタチンOD錠5mg「トーワ」 東和薬品 22.9円

10mg1錠 

製品名 製造会社 薬価
リピトール錠10mg アステラス 98.6円
アトルバスタチン錠10mg「サワイ」 沢井 50.4円
アトルバスタチン錠10mg「トーワ」 東和薬品 43.5円
アトルバスタチン錠10mg「サンド」 サンド 43.5円
アトルバスタチン錠10mg「日医工」 日医工 29.2円
アトルバスタチンOD錠10mg「トーワ」 東和薬品 43.5円

※薬の価格は2017年6月現在のものです。

アトルバスタチンは、製薬メーカーによって薬価がそれぞれ異なります。特定の製品を希望する場合には、薬を購入する薬局に事前に問い合わせることをおすすめします。

おわりに

アトルバスタチンは、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールを大幅に減少させる効果があり、動脈硬化の予防などにも優れています。しかし、副作用や飲み合わせに注意が多い薬でもあります。

薬の服用後に異常がみられた場合には、すぐに使用をやめて、医師や薬剤師に相談してください。医師や薬剤師の指示のもと、必ず用法・用量を守って使用しましょう。