アリセプトとは

アリセプトは日本で開発されたアルツハイマー型認知症の進行を遅らせる薬です。ドネベジルという有効成分を配合し、海外での評価も高く広く使われている薬です。

錠剤を飲むことが難しい高齢者のためにさまざまな種類が販売されています。また、ジェネリック医薬品も豊富にあることも特徴です。

アリセプトの種類

アリセプトには錠剤のアリセプト錠、口の中で溶けるアリセプトD錠、アリセプト内服ゼリー、水に溶かして飲むアリセプトドライシロップ1%、粉薬のアリセプト細粒0.5%があります。

それぞれ3mg、5mg、10mgの成分量の種類があります。なお、錠剤や内服ゼリーなど、薬の種類によって効果が変わることはありません。

アリセプトの成分であるドネベジル塩酸塩には苦味がありますが、アリセプト錠はフィルムコーティングされ、苦味が軽減されています。また、他の種類においても苦味が軽減する工夫がされています。

ただし、長時間口の中に含んでいると苦味が現れることがあるため、口に入れたらすぐに飲み込むようにしましょう。

アリセプトの効果

アリセプトはアルツハイマー型認知症と、レビー小体型認知症の認知症状を進行を遅らせる効果があります。

もともとはアルツハイマー型認知症に使われる薬として開発されましたが、2014年にはアルツハイマー型認知症だけでなく、レビー小体型というタイプの認知症にも効果が認められました。

レビー小体型認知症に効果が認められた薬は、アリセプトが世界初になります。

アリセプトの作用機序

アルツハイマー型認知症では、脳の中にある神経伝達物質のアセチルコリン濃度が減少することが判明しています。アリセプトはアセチルコリンを分解する酵素を阻害することで、アルツハイマー型認知症における認知症状の進行を防ぎます。

また動物実験では、アリセプトの神経保護作用が報告されています。

アリセプトの副作用

アリセプトの臨床試験では、実際の使用では10.7%の副作用がみられました。

主な副作用は吐き気、食欲不振、嘔吐、腹痛などの消化器系の症状です。特に薬を使用し始めた頃は、軽い吐き気や軟便などの副作用がでやすい傾向があります。

また、アリセプトを使用し始めの頃は、焦燥感、多弁、興奮などが現れるという報告もあります。

多くの場合は一週間程度で副作用は消えていきます。副作用の症状が長引いたり悪化したりする場合は、医師に相談しましょう。

認知症状と副作用の見分けは?

薬を飲んでいても活発になったり興奮したり、イライラする症状は認知症の症状が進行している可能性もあり、必ずしも薬の副作用とは言い切れません。

夜眠れなくなるなど、いつもとは違う症状が現れた場合は医師に相談しましょう。

重大な副作用

アリセプトには以下のような重大な副作用の報告もあります。中には、命に関わるものもあるため、使用後の体調の変化には十分注意しましょう。

副作用と思われる変化が現れた場合は、薬を処方した医師に相談してください。

・QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含 む)、心室細動、洞不全症候群、洞停止、高度徐 脈、心ブロック、失神
・心筋梗塞、心不全
・消化性潰瘍、十二指腸潰瘍穿孔、消化管出血
・肝炎、肝機能障害、黄疸
・脳性発作、脳出血、脳血管障害
・錐体外路障害
・悪性症候群(Syndrome malin)
・横紋筋融解症
・呼吸困難
・急性膵炎
・急性腎障害
・原因不明の突然死
・血小板減少

アリセプトの用法・用量

アリセプトは症状に合わせて医師の診察のもと使用量が調整されます。

通常は、1日1回3mgから開始します。服用後1〜2週間後に、医師の診察のもと5mgに増量します。なお、5mgの効果がでるまでは約3か月ほどが目安になります。症状に応じて5mgで4週間以上使用し、10mgに増量することもあります。

なお、食事による影響は受けないため、どのタイミングで使用しても問題ありません。

アリセプトを飲み忘れた場合

アリセプトは薬の血中での濃度が半減する時間が比較的長い薬です。そのため、1回分を飲み忘れても、比較的影響が少ないといえます。

次の日に通常通り1回分を飲み、飲み忘れたからといって2日分を一度に飲むことはやめてください。

アリセプトの使用上の注意

アリセプトの効果が感じられないからといって、自己判断で薬の使用を中止することはやめてください。薬の効果で症状の進行を抑制していたものが、治療をしない場合の症状と同じ状態になってしまう可能性があります。

また、認知症状が変化しないことも、症状の進行を止めている薬の効果といえます。薬の服用に心配や不安がある場合は、担当医に相談してください。

なお、寝たきり状態や摂食困難などの高度アルツハイマー型認知症の方にはアリセプトは使用できません。

妊娠中・授乳中の使用

妊娠中や授乳中の場合は必ず医師に申告してください。

おわりに

アリセプトは、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の認知症状によく処方される薬です。使用実績もあり日本だけでなく広く使われている薬です。

認知症の治療は、本人だけでなく家族の理解と協力がとても大切になります。薬について不安なことがある場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。