アンヒバとは

アンヒバとは、熱を下げたり痛み止めの効果がある座薬です。主に子どもの解熱鎮痛薬として使われています。有効成分にアセトアミノフェンを含んでおり、解熱鎮痛薬に使われている成分の中でも特に安全性が高いという特徴があるため、子どもにもよく使用されています。

アンヒバの効果

有効成分のアセトアミノフェンは、脳の体温調節や痛みを感じる中枢に作用することで熱を下げる、痛みを抑えると考えられています。作用はおだやかであり、その分強い痛みや腫れなどの炎症をおさえる効果(抗炎症作用)はほぼありません。

子どもが風邪をひいて発熱したときの解熱・鎮痛には、安全性の高いアセトアミノフェンを使うことが一般的であり、アンヒバは赤ちゃんにも使われることがあります。

座薬は直腸粘膜からすぐに成分が吸収されるため、口から飲んで効果を発揮するまである程度の時間がかかる内服薬より、即効性のある解熱鎮痛効果が期待できます。

アンヒバの副作用

アンヒバはとても安全性の高い薬です。製薬会社の調査によると6,090例中、主な副作用として皮疹4件(0.07%)、食欲不振3件(0.05%)、下痢・軟便、吐き気・嘔吐が各2件(0.03%)の報告されています。

副作用がまったくないわけではありませんが、頻度はかなり低いので子どもでも安心して使うことができます。

重篤な血液の異常、肝障害、腎障害、心機能不全や、アスピリン喘息がある方は重篤な症状が起こるおそれがあるので、アンヒバを使用してはいけません。十分注意してください。

また、アンヒバとアセトアミノフェンを含んだほかの薬を一緒に使用すると、アセトアミノフェンの過量使用によって重篤な肝障害が発現するおそれがあります。併用には十分注意し、使用しているほかの薬がある場合は医師などに相談してください。

アンヒバの使い方

アンヒバ座薬には、子ども用として50mg、100mg、200mgの座薬があります。

アンヒバの用法用量

子どもには、成分のアセトアミノフェンとして体重1kgあたり1回10~15mgを肛門に挿入してください。熱が下がらなく、追加して使用する場合は4~6時間以上の間隔を空けてください。体重による1回あたりの目安は以下になります。

体重 50mg 100mg 200mg アセトアミノフェン量
5kg 1~1.5個 0.5個 - 50~75mg
10kg 2~3個 1~1.5個 0.5個 100~150mg
20kg - 2~3個 1~1.5個 200~300mg
30kg - - 1.5~2個 300~450mg

年齢や症状によって適宜増減しますが、アセトアミノフェンの1回あたりの最大用量は500mg、1日あたりの最大用量は1,500mgです。また、1日の総量は60mg/kgが限度です。

1/2個を使用する場合は座薬を斜めに切断してお使いください。医師の指示に従って用法用量を守って正しく使用してください。

アンヒバを使うときの注意

アンヒバはできるだけ排便後に使用しましょう。座薬を肛門から挿入し、挿入後5~10分程度は座薬が肛門から出ていないか確認してください。形のある座薬が飛び出ている場合は再度挿入し直しましょう。指でつまめないぐらいに座薬が柔らかくなっていれば、薬の成分は吸収されています。また、低出生体重児や3か月未満の子どもに対する安全性は確立していません。

原則として5日以内に限って使用してください。座薬は冷蔵庫に保管し、使うときはなるべく常温に戻してから使いましょう。

アンヒバは大人にも使える?

アンヒバの成分であるアセトアミノフェンは子どもから大人まで使える成分ですが、アンヒバは主に子どもの解熱鎮痛に用いられます。

大人が使えないわけではありませんが、子供と同じ用量では十分な効果が発揮されないこともあるため、基本的に大人にはあまり使われません。

アンヒバの使用期限は?

アンヒバの使用期限は未開封の場合、50mgが製造から3年、100mgと200mgが製造から5年が目安です。保存状態にもよりますが、処方から1~2年以内に使いましょう。また、薬局や病院によっても保存期間が違うため、薬をもらうときは薬剤師などに使用期限を確認しましょう。

使い残ったアンヒバの保存方法は光を遮り、密閉容器に入れ、湿気の少ない涼しい場所や、冷蔵庫に保管しておくとよいでしょう。次に診察を受けた際に、医師にアンヒバが残っていることとその数を伝えるようにしましょう。

アンヒバはインフルエンザに使える?

アンヒバは、子どものインフルエンザによる症状の高熱を下げるための薬としてもよく使われます。インフルエンザの発症はウイルスの感染によることが原因なので、ウイルスに対する効果はありません。

インフルエンザによる発熱は、必ず解熱させなければいけないものではありません。子どもに39℃以上の発熱があり、ぐったりしているようであれば解熱剤を使用しましょう。

インフルエンザの解熱には、アンヒバなど成分にアセトアミノフェンを含んでいる薬が主に使用されます。アスピリン(バファリン)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)メフェナム酸(ポンタール)などを誤って使用すると、「インフルエンザ脳症」を起こすおそれがあります。

インフルエンザ脳症って?

インフルエンザにかかった子ども(5才以下)に、急速に進行する合併症です。原因ははっきりしていませんが、発熱してから数時間~1日以内にけいれん、意識障害、異常行動(幻覚、大声を出す、ろれつがまわらないなど)などの神経症状が起こり、重症化すると命に関わる重篤な疾患になることがあります。

インフルエンザの解熱ばかりに気をとられ、自己判断で勝手に誤った解熱鎮痛薬を使用することはやめましょう。

ダイアップやナウゼリンとの併用

ダイアップ座薬との併用は?

ダイアップは、子どもが風邪をひいたときなど、通常38℃以上の熱を出したときに起こす熱性けいれんを予防する目的で使う座薬です。子どもが高熱を出したときに、解熱鎮痛薬のアンヒバと一緒に処方されることが多い薬がダイアップです。

ダイアップは、熱が37.5℃を超えてさらに上がりそうなタイミングで使用します。アンヒバとダイアップを一緒に使用する場合は、順番や間隔に注意してください。

ダイアップを肛門に挿入した後、30分以上の間隔を空けてからアンヒバを挿入して下さい。同時に使用したり順番を間違えて使用すると、ダイアップの有効成分の吸収が悪くなり、効果が発揮されなくなるおそれがあります。

ナウゼリン座薬との併用は?

ナウゼリンは、子どもが風邪をひいたときなどに現れる吐き気、嘔吐、食欲不振、腹部の膨満感、腹痛などの症状の改善に使われる座薬です。アンヒバと一緒に処方されることも多くなっています。

アンヒバとナウゼリンを一緒に使用する場合も、順番や間隔に注意が必要です。先にナウゼリンを挿入した後に、30分以上の間隔を空けてからアンヒバを挿入して下さい。順番を間違えて使用すると、ナウゼリンの有効成分の吸収が遅れて、効果が弱まるおそれがありますので注意してください。

アンヒバとカロナールの違いは?

有効成分にアセトアミノフェンを含み、アンヒバと効能効果や用法用量なども同じである座薬として、カロナール、アルピニー、パラセタ、アセトアミノフェン小児用などがあります。使い方などもほとんど同じなので、目立った違いはほぼありません。

また、カロナールは飲み薬もありますが、アンヒバ座薬と一緒に使うとアセトアミノフェンの過量使用につながり、重篤な副作用を起こすおそれがあります。自己判断で使用することは避けてください。

薬価としては2017年8月現在、どの種類の座薬でも50mgと100mgは19.30円で同じ薬価です。200mgだけは、アンヒバ200mgが28.00円であり、ジェネリック医薬品扱いになっているアセトアミノフェン坐剤小児用200mg、パラセタ坐剤200mgが19.90円で少し安価になっています。

処方薬には、薬価の他にも薬学管理料や調剤料が加算されるため、かかる費用は上記の金額通りではありませんが、保険適用の場合、自己負担額は合計の3割になります。ジェネリック医薬品を希望する場合は、医師や薬剤師に相談してください。

おわりに

アンヒバは、赤ちゃんにも使える作用がおだやかな薬のため、安心して使うことができます。正しい使用法を知っておき、発熱したときにすぐ対応できるようにしましょう。