タキソールとは?

タキソールは、パクリタキセルというイチイの樹脂から取り出された成分でできた抗がん剤の一種です。

1960年代にアメリカの化学者が、白血病細胞に対してイチイの樹皮を含む混合物が有効であることを発見しました。そこから作用成分が分離され,タキソールと命名されました。

その後1990年代の前半にかけて、多くの研究者によりタキソールの合成が可能になり、医療現場で使われるようになりました。

乳がんや子宮がんに有効な治療薬と考えらえています。

抗がん剤とがんのステージ

がんのステージは以下の3つを基準として判断されます。

1.がんの大きさ(広がり)
2.リンパ節に転移しているかどうか
3.他の臓器へ転移しているかどうか

多くのがんのステージは0〜Ⅳの5つにわけられ、ほとんどの場合、ステージⅠまでは手術できれいにがん細胞を摘出することができます。

ステージⅡからは治療法の選択肢が増え、その中に抗がん剤治療を使用するというものが含まれることがあります。手術では除き切れないがん細胞を治療するため、手術前後に抗がん剤治療を行う場合もあります。

ステージⅣは、いわゆる「末期ガン」の状態にあたります。痛み止めなどを使用しながら患者の生活の質(QOL)を維持するための治療が行われるケースと、抗がん剤を投与しながら延命治療をするケースの2つがあります。

タキソールはどのステージから投与される?

タキソールは一般的な抗がん剤と同じように、ステージⅡあたりから投与されるケースが多くあります。手術と合わせてタキソールを投与することにより、がん細胞を除き切れる可能性を高めることができます。

タキソールの効果

タキソールは卵巣がんや乳がん他、さまざまながんに使用されます。タキソールが細胞の中に入り、悪性の細胞を死滅させ増殖するのを抑えます。

卵巣癌,非小細胞肺癌,乳癌,胃癌,子宮体癌,再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌,再発又は遠隔転移を有する食道癌,血管肉腫,進行又は再発の子宮頸癌,再発又は難治性の胚細胞腫瘍(精巣腫瘍,卵巣腫瘍,性腺外腫瘍)


タキソールタキソール注射液30mg/ タキソール注射液100mg 添付文書

タキソールの副作用

抗がん剤はがん細胞を殺す効果がありますが、血液の流れに乗って全身にめぐるため同時に健康な細胞も傷つけてしまい、副作用を引き起こします。

以下のような症状が副作用としてよく見られます。

時期 症状
投与中・当日 アレルギー症状
吐き気・嘔吐
数日〜数週間 感染症
間質性肺炎
関節・筋肉の痛み
手足のしびれ
脱毛
口内炎
下痢や便秘
だる気
数週間〜数ヶ月 脱毛

その他にも個人によって、上記以外の副作用があらわれることがあります。

タキソールとタキソテール

タキソールと同じタキサン系いう分類にわけられる抗がん剤に、タキソテールというものがあります。よく似た名前で効果もほぼ同じですが、成分、副作用、価格が少し異なります。

下記はタキソールとタキソテールの比較したものです。副作用があらわれる頻度などは一般的にいわれているものであり、個人差があります。

なお、副作用の白血球減少は、タキソールのような一過性の場合はすみやかに回復するので、外来での治療が可能です。

  タキソール タキソテール
成分 パクリタキセル ドセタキセル
副作用 過敏症状 多くの場合起こる 起こりにくい
むくみ 起こることがある 多くの場合起こる
神経症状(しびれ) 多くの場合起こる 比較的症状が軽い
筋肉の痛み 多くの場合起こる 起こりにくい
白血球減少 投与後しばらく続く 一過性
その他 共通
価格
100mg 22,071円/30mg 7,310円
100mg 68,306円
価格(1年平均) 約1,274,000円 約1,184,000円

※価格(1年平均)は1年52週、3週間に1回、タキソールは1回330mg、タキソテールは1回100mgで計算。
※2017年7月現在の薬価

おわりに

がんに限らず病気の治療は周りのサポートと医師の適切な判断が大切です。

現在の医療では抗がん剤には副作用がつきものとなっていますが、副作用のない抗がん剤が開発されることを期待したいですね。