レミニールとは

レミニールは、軽度および中等度のアルツハイマー型認知症において、その認知症症状の進行を抑える薬です。

レミニールの剤形

錠剤(4mg、8mg、12mg)、OD錠(4mg、8mg、12mg)、内用液(4mg/mL)の3種類の剤形から、使用する方の状況に合わせて処方されます。

錠剤

錠剤は、水またはぬるま湯と一緒に使用します。

ほかに併用している薬がある場合、OD錠や内用液は単独で使用する必要がありますが、錠剤はほかの薬と一緒に使用することができます。

OD錠

OD錠は、口の中ですぐに溶けるタイプの錠剤で、唾液のみでも使用することができるという特徴があります。

ただし、レミニールは口の粘膜からの吸収で効果が得られる薬ではないため、溶けた後は唾液か水でしっかりと飲み込む必要があります。また、寝たままの状態では、水なしで使用してはいけません。

内用液

内用液は、液体の薬が入った袋をゆっくりとしぼって、切り口から直接飲むタイプのものです。

固形物を飲み込むのが難しい方でも使用しやすく、介護する方にとっても扱いやすいというメリットがあります。

レミニールの効果

アルツハイマー型認知症では、脳内コリン機能と呼ばれる機能が低下することが原因で記憶障害になると考えられています。

レミニールの有効成分であるガランタミンは、マツユキソウの球根から発見された天然の有機物です。アセチルコリンエステラーゼという神経組織の酵素を阻害する作用と、ニコチン性アセチルコリン受容体と呼ばれる部分を増強する作用を持っています。

これら2つの作用により、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの濃度を高め、かつ脳内コリン機能を増強させることで、アルツハイマー型認知症における記憶障害の進行を抑えます。

効果に関する注意点

レミニールがアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑えるという結果は得られていません。

また、アルツハイマー型認知症以外の認知症(レビー小体型認知症、血管性認知症など)について、レミニールが有効かどうかは確認されていません。

レミニールの用法・用量

通常、15歳以上の成人は、ガランタミンとして1日8mg(1回4mg を1日2回)から使用を開始して、4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量して使用します。

なお、症状に応じて1日24mg(1回12mg を1日2回)まで増量しますが、増量が必要な場合は、4週間以上同じ用量で使用した後に増量します。

用法・用量に関する注意点

レミニールの用法・用量に関して、以下の内容に注意してください。

・1日8mgから使用を開始する理由としては、胃や腸などの消化器官への副作用の発生を抑える目的があります。8mgは薬の効果を十分に得られる用量ではないため、4週間後には増量します。
・中等度の肝障害のある方は、4mgを1日1回から開始して少なくとも1週間使用した後、1日8mg(1回4mgを1日2回)を4週間以上使用してから増量します。症状に応じて1日16mg(1回8mg を1日2回)まで増量できます。
・副作用が発生する危険性を減らすため、なるべく食後に使用してください。
・ご家族や介護をされる方、または医療従事者の管理のもとで使用してください。

使用する量は、症状に合わせて医師が決定します。必ず医師・薬剤師に指示された用法・用量を守ってください。

レミニールの副作用

レミニールの主な副作用として、悪心(14.9%)、嘔吐(12.4%)、食欲不振(8.3%)、下痢(6.2%)、食欲減退(5.4%)、頭痛(4.6%)などが報告されています。

重大な副作用

発生の頻度はまれですが、以下の症状が重大な副作用として報告されています。

・失神:気を失う
・徐脈:めまい、意識の低下、息切れ、脈が飛ぶ、脈が遅くなる
・心ブロック:めまい、気を失う
・QT延長:動悸、めまい、気を失う
・急性汎発性発疹性膿疱症(きゅうせいはんぱつせいほっしんせいのうほうしょう):だるさ、高熱、皮膚の広範囲が赤くなる、皮膚に小さなブツブツが出る、食欲不振)
・肝炎:だるさ、白目が黄色くなる、吐き気、嘔吐、食欲不振、皮膚が黄色くなる
・横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう):脱力感、筋肉痛、手足のしびれ、手足のこわばり、赤褐色の尿

ご家族や介護をされる方の十分な観察のもと、副作用と思われる異常が現れた場合には、すみやかに担当の医師・薬剤師に相談してください。

誤って多く使用してしまった場合

レミニールを多く使用してしまった場合、次のような副作用が発生するおそれがあります。

・筋力の低下または筋肉の不規則な痙攣(けいれん)に加え、重度の吐き気、嘔吐、消化管の痙攣、涙やよだれを流す、排尿、排便、発汗、徐脈、低血圧、虚脱(冷や汗、力が抜ける)、痙攣など

呼吸を行う筋肉が緩んでしまうことで呼吸困難となり、生命に危険がおよぶおそれもあります。これらの症状が現れた場合には、すぐに使用を止めて、担当の医師に連絡してください。

レミニールを使用できない方

過去にレミニールの成分に対して、過敏症を起こしたことのある方は使用することができません。

また、心臓に疾患のある方、過去に消化性潰瘍があった方、非ステロイド性消炎鎮痛剤を使用している方、てんかんの方、肝障害または腎障害のある方などは慎重に使用する必要があります。

使用を開始する前に必ず医師・薬剤師に申告してください。

妊娠中、授乳婦は使用は?

妊娠中はできるだけ控えることとなっていますが、どうしても必要な場合は必要最小限の範囲で使用します。妊娠の有無を必ず医師に伝えてください。

授乳中も同様に止むを得ず使用する場合は、薬が効いているとされる間は授乳は避けてください。

レミニール使用上の注意

自動車の運転に注意

レミニールの使用後、初期の段階でめまいや眠気が現れることがあります。

また、アルツハイマー型認知症では、運転や機械操作に関する能力が徐々に低下する場合があるので、自動車の運転など危険をともなう機械の操作には十分に注意してください。

体重の減少について

レミニールを使用することにより、体重が減少することがあります。

また、アルツハイマー型認知症でも体重が減少することがあるので、薬の使用中には体重の変化に十分に注意し、体重が減った場合は医師に相談し てください。

レミニールとほかの認知症薬との飲み合わせ

アリセプト(成分名:ドネペジル塩酸塩)とメマリー(成分名:メマンチン塩酸塩)は、レミニールと同じアルツハイマー型認知症の治療薬です。

アリセプトは、レミニールと同様にアセチルコリンエステラーゼの阻害作用を持つのに対し、 メマリーは、NMDA受容体チャネルと呼ばれる部分の活性を抑える作用を持ちます。

アリセプトとメマリー、レミニールとメマリーでは作用している場所も効き方も違うので、両方はそれぞれ併用することができます。しかし、アリセプトとレミニールは作用する場所が同じであり薬の効果が強まってしまうので、併用することはできません。

中等度または高度アルツハイマー型認知症の方には、アリセプトとメマリー、レミニールとメマリーのようにタイプの違う組み合わせで使用することがあります。

おわりに

レミニールは、軽度および中等度のアルツハイマー型認知症における症状の進行を抑える薬ですが、アルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑えるという結果は得られていません。

メマリーなど作用の異なる薬と併用することで、より症状の進行を防ぐ効果が期待されます。

ご家族や介護をされる方の十分な観察のもと、医師・薬剤師の指示に従い、必ず用法・用量を守って使用してください。薬の使用後に副作用とみられる異常が現れた場合には、すみやかに担当の医師・薬剤師に相談してください。