オメプラゾールとは

オメプラゾールは胃酸の分泌を抑える薬で、「オメプラール」「オメプラゾン」のジェネリック医薬品です。

日本で初めて作られたプロトンポンプ阻害薬(PPI:プロトンポンプインヒビター)で、胃潰瘍や逆流性食道炎など胃酸の過剰な分泌が原因で起こる疾患の治療に使われます。

プロトンポンプ阻害薬には、ほかに「タケプロン(一般名:ランソプラゾール)」「パリエット(一般名:ラベプラゾール)」「ネキシウム(一般名:エソメプラゾール)」などがあります。

オメプラゾールには錠剤と注射用があり、規格はそれぞれ10mgと20mgです。

オメプラゾールの効果

胃酸の分泌をおさえるので、胃酸が原因となる胃や腸の潰瘍や逆流性食道炎などに効果があります。

ピロリ菌の除菌治療を行う際は胃酸が抗菌薬の働きに影響してしまうため、胃酸をおさえて抗菌薬の効果が十分発揮できるように補助薬としても使用されます。

どこに作用する?

オメプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬は、胃粘膜にあるプロトンポンプという細胞に作用しその機能を阻害します。

プロトンポンプは胃酸を分泌させる働きを持っているので、プロトンポンプの機能を妨げる(阻害する)ことで胃酸の分泌をおさえます。

オメプラゾールの用法・用量

オメプラゾールは腸で溶けるように調整された薬剤です。かんだり砕いたりせず、そのまま飲み込んでください。

胃潰瘍・ふん合部潰瘍十二指腸潰瘍・Zollinger‐Ellison症候群の場合

15歳以上の方は、1日1回20mgを使用します。

なお、胃潰瘍・ふん合部潰瘍・十二指腸潰瘍では使用期間に制限があります。通常のケースでは、胃潰瘍やふん合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの使用とされています。

逆流性食道炎の場合

15歳以上の方は、1日1回20mgを使用します。なお、通常のケースでの使用期間は8週間までとされています。

また、再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法では、1日1回10~20mgを使用します。

非びらん性胃食道逆流症の場合

15歳以上の方は、1日1回10mgを使用します。なお、通常のケースでは使用期間は4週間までとされています。

なお、非びらん性胃食道逆流症に必要とされるオメプラゾールの量は10mgなので、20mg製剤は非びらん性胃食道逆流症には使用されません。

ピロリ菌の除菌補助の場合

15歳以上の方は、オメプラゾールを1回20mg、抗生物質のアモキシシリン(先発品名:サワシリン)を1回750mg(力価)およびクラリスロマイシン(先発品名:クラリス)として1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間使用します。

なお、クラリスロマイシンは必要に応じて医師の判断により増量しますが、400mgが上限となっています。

上記3剤の除菌では効果が不十分だった場合、クラリスロマイシンに代わりメトロニダゾール(先発品名:フラジール)として1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間使用します。

オメプラゾールの副作用

オメプラールは副作用の報告が少ない薬ですが、下痢・軟便・便秘などの胃腸症状、発疹、じんましん、光線過敏症などが起こる恐れがあります。

オメプラゾールは肝機能の数値にも影響するので、長期にわたって使用する場合は血液検査をするケースがあります。また、血液検査の結果にも影響するので、健康診断の際にはオメプラゾールを使用していることを申告してください。

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少、劇症肝炎、肝機能障害、黄だん、肝不全、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、視力障害、間質性腎炎、急性腎不全、低ナトリウム血症、間質性肺炎、横紋筋融解症、錯乱状態といった重大な副作用が報告されています。

オメプラゾールを使用後に体調に変化が現れた場合は医師・薬剤師に問い合わせ、重大な副作用について確認してください。

オメプラゾールの注意:飲み合わせ・妊娠中の使用など

オメプラゾールや先発薬のオメプラール、オメプラゾンを使用して体に不調をきたすなどの過敏症を起こしたことがある方は使用できません。

また、薬を使用して体の不調を起こしたことがある方、肝障害のある方は事前に医師に報告してください。

飲み合わせ

アタザナビル硫酸塩(先発品名:レイアタッツ)、リルピビリン塩酸塩(先発品名:エジュラント)とは併用できません。オメプラゾールの胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩およびリルピビリン塩酸塩の血中濃度が低下することがあるためです。

また、ワルファリンやジゴキシン、セイヨウオトギリソウなど、併用する際に注意が必要な薬が多数あります。使用している薬がある場合は、必ず医師・薬剤師に伝えてください。

妊娠中・授乳中の使用

妊娠中の方、妊娠している可能性がある方には基本的に使用されませんが、医師の判断で使用するケースがあります。

授乳中も基本的には使用しませんが、治療上どうしても必要と判断された場合には使用されます。なお、授乳中にオメプラゾールを使用する場合、授乳は避けてください。

オメプラゾールの薬価

オメプラゾールは東和薬品や沢井製薬など、多数の製薬会社から販売されているジェネリック医薬品です。先発品のオメプラール、オメプラゾンと比べると、ジェネリック医薬品は約半額以下となっています。

10mg規格

10mg規格の薬価は、先発品(オメプラール、オメプラゾン)は約75円、ジェネリックは約32~40円となっています。詳しい薬価は次の表をご参照ください。

製品名 区分 1錠あたりの薬価
オメプラール錠10 先発 74.7円
オメプラゾン錠10mg 75円
オメプラゾール錠「トーワ」10mg
オメプラゾール錠10「SW」
オメプラゾール錠10mg「TSU」
オメプラゾール錠10mg「TYK」
オメプラゾール錠10mg「アメル」
オメプラゾール錠10mg「日医工」
オメプラゾール腸溶錠10mg「マイラン」
オメプラゾール腸溶錠10mg「武田テバ」
オブランゼ錠10
ジェネリック 31.8円
オメプラゾール錠10mg「MED」
オメプラゾール錠10mg「ケミファ」
オメプロトン錠10mg
39.2円

※薬価は2017年8月現在のものです。

20mg規格

20mg規格の薬価は、先発品(オメプラール、オメプラゾン)は約129円、ジェネリックは約50~66円となっています。詳しい薬価は次の表をご参照ください。

製品名 区分 1錠あたりの薬価
オメプラール錠20 先発 128.9円
オメプラゾン錠20mg 128.3円
オメプラゾール錠「トーワ」20mg
オメプラゾール錠20mg「TSU」
オメプラゾール錠20mg「TYK」
オメプラゾール錠20mg「アメル」
オメプラゾール錠20mg「日医工」
オメプラゾール腸溶錠20mg「マイラン」
オメプラゾール腸溶錠20mg「武田テバ」
オブランゼ錠20
ジェネリック 49.3円
オメプラゾール錠20「SW」
オメプラゾール錠20mg「MED」
オメプラゾール錠20mg「ケミファ」
オメプロトン錠20mg
65.6円

※薬価は2017年8月現在のものです。

オメプラゾールとほかのプロトンポンプ阻害薬との違い

オメプラゾールと、ほかのプロトンポンプ阻害薬であるランソプラゾール・ラベプラゾール・エソメプラゾールとの違いは下記のとおりです。

効果の違い

プロトンポンプ阻害薬は、どの薬であっても胃酸の分泌をおさえる効果に違いはありません。しかし、薬によって適応する疾患に違いがあります。

ランソプラゾールとエソメプラゾールは、低用量アスピリンやNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の使用による胃・十二指腸潰瘍の再発防止にも効果があります。

効果時間の違い

どの薬であっても、薬を使用してから効果が現れるまでの時間は約2~3時間です。ただし、ランソプラゾールの規格のひとつであるOD錠は、効果が現れるまでの時間が約1.5~2時間とほかの薬に比べて効き目が早く現れます。

また、効果の持続時間については、ほとんど違いがありません。

値段の違い

プロトンポンプ阻害薬は、成分や症状によって1回の必要量が異なります。今回は処方される機会も多い、逆流性食道炎の治療に必要とされる1回量をもとに薬価を比較します。

逆流性食道炎で必要とされる1回量はそれぞれ、オメプラゾールは20mg、ランソプラゾールは30mg、ラベプラゾールは10mg、エソメプラゾールは20mgとされています。

この1回の使用量から比較すると、オメプラゾールはほかのプロトンポンプ阻害薬に比べて1錠あたりの価格が4~8円ほど安く設定されています。なお、ネキシウムは新しい薬で先発品の販売のみのため、オメプラゾールなどに比べて高価になっています。

それぞれの詳しい薬価については次の表をご参照ください。

製品名 薬価(1錠あたり)
オメプラゾール20mg錠 49.3~65.6円
ランソプラゾールOD錠30mg 55.6~73.6円
ラベプラゾールNa錠10mg 53.3~67.2円
ネキシウムカプセル20mg 145.1円

※薬価は2017年8月現在のものです。

おわりに

オメプラゾールは高い制酸作用をもちますが、効果が強く副作用などにも注意が必要なため、医師・薬剤師の指導を受ける必要があります。

そのため、オメプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬に市販薬はありません。オメプラゾールが必要な場合は医療機関を受診し、医師に処方してもらいましょう。