はじめに ~角膜ヘルペスとは~

「ヘルペス」は、「ヘルペスウイルス」が皮膚や粘膜に感染して、水疱(水ぶくれ)が多発し集まっている状態のことです。
代表的な病気に「口唇ヘルペス、性器ヘルペス、水ぼうそう、帯状疱疹(たいじょうほうしん)」がありますが、目の角膜(黒目)にもヘルペスは起こります。



人間に感染するヘルペスウイルスは8種類が知られており、大部分の人は子どもの頃にこのウイルスに感染していますが、感染後、ウイルスは神経節に潜伏感染し、感染していても普段は症状が出ない(不顕性感染)で発症はしません。

潜伏しているウイルスは抵抗力や免疫力が低下したときに活性化し発症します。
 

角膜ヘルペスの原因は?

角膜ヘルペスは角膜にヘルペスができるものですが、角膜ヘルペスを引き起こすウイルスは「口唇ヘルペス」と同じ「単純ヘルペスウイルスⅠ型」です。

ウイルスは目の後ろにある三叉神経節(さんさしんけいせつ)にも潜伏感染していることがあり、疲労やストレス、かぜなどにより抵抗力や免疫力が低下したときに、眠っているウイルスが活性化して角膜の表面に出てきます。
 

角膜ヘルペスの症状とタイプ

症状

  • 目の痛み
  • 目がゴロゴロする
  • 涙目
  • 充血
  • まぶしい
  • 視野がぼやける
  • 視力が落ちてくる


 

タイプ

角膜ヘルペスには2つのタイプがあります。

1、上皮型(樹枝状角膜炎:じゅしじょうかくまくえん)

角膜の表面の最も外側の上皮層で炎症が起こるタイプ。
主に目がゴロゴロ、充血、痛みなどで、視力の低下は軽度です。
 

2、実質型(円盤状角膜炎:えんばんじょうかくまくえん)

角膜の中心(実質層)で炎症が起こるタイプ。
角膜が腫れて濁ってきます。充血と共に視野がぼやけて、視力がかなり低下します。 
 

角膜ヘルペスは他の目の病気とは異なり、よく再発することが特徴です。
特に実質型の場合、視力回復が難しくなり、角膜移植が必要となる場合があるため、再発予防が大切です。

 

角膜ヘルペスの治療法は?

抗ウイルス薬、軟膏、点眼薬、抗菌薬などを使用します。
特に抗ウイルス剤(アシクロビル)の内服は、ヘルペスウイルスを死滅させ、角膜ヘルペスに対して非常に効果を発揮する特効薬とされています。
ただしヘルペスウィルスは、治療で症状が消えても神経の奥に潜んでいて、しばしば再発することがあります。
治療は医師の指示に従い、きちんと続けることが大切です。
 

角膜ヘルペスはうつるの?

ヘルペスは身体の中から起こってくる病気のため、他の人に伝染することはあまりありません。ただし感染者が自分の目を触った手によって乳幼児に感染させる可能性があります。
乳幼児はウイルスに対して抗体を持っていないため注意が必要です。
 

角膜ヘルペスの予防法は?

角膜ヘルペスは、眠っていたウイルスが活性化することで起こる為、普段から疲れをためず、体力を落とさないようにすることが大切です。
再発させないために

  • 規則正しい生活すること
  • 十分な睡眠
  • かぜをひかないように
  • コンタクトレンズをしている方は正しい扱い方を守る
  • サングラスを利用し紫外線を防ぐ



角膜ヘルペスは、再発しやすい疾患で、放置すると失明するリスクもあるといわれているため早期治療が大切です。
もし目に違和感を感じたら、早めに眼科を受診するようにしましょう。

image by Photo AC
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