はやり目(流行性角結膜炎):症状・潜伏期間・感染予防

はやり目はアデノウイルスが原因となるウイルス性結膜炎の一種で。夏に結膜炎という、はやり目の症状や感染予防について知り、感染の拡大を防ぎましょう。

はやり目はどんな病気?

はやり目(流行性角結膜炎)は、アデノウイルスによって引き起こされる結膜炎の一種です。結膜炎は大きくわけると細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎の三種類にわけられます。
ウイルス性結膜炎のなかでもアデノウイルスというウイルスに感染することによって引き起こされる結膜炎のことを「はやり目(流行性角結膜炎)」と呼びます。一年中発症する可能性はありますが、8月を中心とした夏季に流行しやすい病気です。

この記事では、はやり目の症状や治療方法などについて解説します!

はやり目の症状

結膜炎は結膜に炎症が起こる病気です。
結膜は上下のまぶたの裏側と、白目を覆っている透明の膜のこと。直接外の空気に触れるため、いろいろな病気の原因となる物質に晒されやすい環境にあります。

はやり目では以下のような症状がみられます。
・結膜の充血
・目やにや涙が多量に出る
・まぶたの裏に小さなぶつぶつができる
・まぶたの腫れ
・目の痛み


両目に強い症状があらわれますが、発熱や喉の痛みなどはほとんどありません。また、目のかゆみもほとんどありませんが、耳の前やあごの下にあるリンパ節が腫れることもあります。
症状が強い場合には、結膜の表面に白い膜ができることもあります。
通常発症してから約1週間で症状がピークに達し、その後徐々に改善していきますが、炎症が強い場合は、黒目(角膜)の表面に点状の小さな濁りが残り、目が曇った感じが続く場合もあります。
この濁りは時間とともに消えていきますが、完全に消えるまでには数か月かかる人もいます。

​約1〜2週間の潜伏期間の後、片目もしくは両目に発症します。小児からお年寄りまで幅広い年齢層がかかる可能性があります。

はやり目の感染経路

アデノウイルスはとても感染力が強いウイルスです。

流行性角結膜炎の場合、手や触ったものを介した接触感染によって感染します。
流行性結膜炎にかかった人が目を触ったり手でこすったりすると、手に大量のウイルスが付着します。その手で触れた場所にウイルスが付着し、そこをほかの人が触れ、無意識にめや口に触ってしまうことで、簡単に感染してしまいます。

はやり目の治療方法

アデノウイルスに効果のある抗ウイルス薬はいまだ開発されていません。(2016年6月現在)
ウイルスは抗生物質での治療ができないため、はやり目になってしまったらウイルスに対する抗体が体内で作られるのを待つしかありません。

流行性角結膜炎の場合、主に目の症状を引き起こすので、眼科での治療となります。
通常は、炎症を抑え、他の最近による2次感染を防止する目薬を使用します。
症状が強い場合、ステロイドを配合した目薬が処方されることがありますが、副作用を引き起こす危険性もあるので、必ず医師の指示に従って使用するようにしましょう。

はやり目の感染を予防しましょう

はやり目の感染経路は接触感染なので、主に手や触れたものを介して感染が広まります。手洗い・手指消毒や身の周りの消毒を行うことが大切です。

・患者とそれ以外の人で、手や顔を拭くタオル、洗面器などを分ける
・患者とその家族は、こまめに手を洗い、手指の消毒をするようにする
・ドアノブや手すり、おもちゃなどはこまめに消毒する
・お風呂は、患者が最後に入るようにする

などの予防策を行うことが大切です。

また、症状が治まった後も2週間ほどはウイルスを広めてしまうことがあります。
完全にウイルスを広める可能性がなくなるまでは十分に気をつけるようにしましょう。

はやり目の出席停止期間

流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は、学校感染症に指定されています。学校保健安全法で指定された期間は、登校は禁止されています。

学校への出席が停止されるウイルス性の結膜炎は3種類あります。

流行性角結膜炎 くしゃみなどによる飛まつ感染はしませんが、集団生活で感染が広がる可能性が高い感染症として学校感染症に指定されています。
医師が周囲への感染力が無くなったと判断するまでは、出席停止です。
急性出血性結膜炎
咽頭結膜熱 接触感染だけではなく、くしゃみによる飛まつ感染の可能性も高いため、学校感染症に指定されています。
主要症状(38〜40度の高熱)が無くなったあと2日を過ぎるまでは、登校禁止です。

なお学校保健安全法は、幼稚園・小中高校・大学までが適応となっています。

仕事も休むことが望ましい

登校に関しては学校健康安全法によって定められていますが、出勤に関しては明確な基準があるわけではありません。
会社によって基準は違いますので、最終的には職場の人による判断となります。

しかし、流行性角結膜炎は感染力が強く集団感染してしまう危険性があるので、医師の許可が出るまでは出社を自粛することが望ましいです。
医師から診断書を出してもらい、会社と相談してみましょう。

どうしても出社しなくてはいけない場合は、以下のことなどに注意しましょう。

・目をこすらない
・自分が使っているものに触れないよう、周りに呼びかける
・人との接触は最低限にする
・こまめに手洗い・手指消毒をする
・マスクをつける

流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は手や触れたものを介して感染するので、自分が触れるものには注意しましょう。

その他のウイルス性結膜炎もチェック

流行性角結膜炎の他にも、気をつけなければならないウイルス性結膜炎がいくつかあります。この機会にチェックしましょう!

◆咽頭結膜熱
流行性角結膜炎と同じように、アデノウイルスによって起こる結膜炎です。
この結膜炎は、充血や目やにといった眼の症状は流行性結膜より弱いですが、喉の痛みや39度前後の発熱など、呼吸器系の症状が出ます。
プールの水を介して感染することもあるため、「プール熱」とも呼ばれています。
幼児から学童にかけての小さな子どもがかかりやすい病気で、内科や小児科に相談することが一般的です。目の症状が強い場合は、眼科にも相談しましょう。

◆急性出血性結膜炎
エンテロウイルスやコクサッキーウイルスという、エンテロウイルスの仲間によって起こる結膜炎です。昔はアポロ病とも呼ばれていました。
ウイルスの潜伏期間が1日と短いために、症状がでるのが早いです。白目が真っ赤になるのが特徴で、突然の目の痛み、ゴロゴロとした異物感、目のかすみ、まぶたの腫れ、まぶたの裏側にブツブツができるなどの症状が出ます。症状は1週間ほどで治ります。
小学生以下の小さな子どもと、20代に多くみられる病気です。

◆ヘルペス性結膜炎
ヘルペスウイルスによる結膜炎で、子どもが初めてヘルペスウイルスに感染したときにみられることが多い病結膜炎です。
ヘルペスとは水ぶくれが集まった状態のことをいい、白目が充血したり目やにが多く出たりすることに加えて、目の周りの皮膚に小さな水疱が出ることがよくあります。

おわりに

はやり目はアデノウイルスという治療薬のないウイルスに感染してかかる、ウイルス性結膜炎です。積極的治療はないため体内で抗体が作られるまで待たなければならないので、完治に時間のかかる辛い病気であるといえます。
もしはやり目にかかってしまったら、自分の体調にももちろん気をつけなければなりませんが、周囲の人に感染を広めてしまわないように注意しましょう。
また、自己判断で治療をすることは大変危険なので、はやり目の症状が出たら、必ず医師の診察を受けましょう。

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