アレルギー性結膜炎と対処法・治療薬について解説【薬剤師監修】

目がかゆい・充血するなど、目に起こるアレルギー症状はアレルギー性結膜炎と呼ばれます。 アレルギー性結膜炎について、原因・種類・治療・予防法まで徹底解説します。

目がかゆい、まぶたが腫れている、目ヤニがたくさん出る・・・

こんな症状が出たら、アレルギー性結膜炎かもしれません。

アレルギー性結膜炎は、目に起こるアレルギー疾患の総称です。アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)が目の表面に付着することで、まぶたの裏と白目の分部を覆っている結膜が炎症を起こした状態です。

この記事では、アレルギー性結膜炎の原因・症状・治療法・予防法を詳しく解説します。

アレルギー性結膜炎の原因

アレルギー症状とは、外から入ってきた異物を排除しようとする体の免疫反応の一つです。ウイルスや細菌などの病原性微生物に対する反応とは異なり、本来無害なものに対して体が過剰に反応してなんらかの症状が起こることをアレルギー反応といいます。

アレルギー反応が起こると、肥満細胞という細胞からヒスタミンという物質が大量に放出されます。ヒスタミンは目の知覚神経や毛細血管などを刺激し、かゆみや充血といった炎症反応を引き起こします。

アレルギー症状が目に多くみられる理由として、目は直接外界に接していてアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が入りやすいこと、アレルゲンのたんぱく質が涙に溶けやすいこと、結膜に免疫細胞や血管が多く炎症を起こす物質が体内に入りやすいことなどがあげられます。

アレルギーを引き起こすアレルゲン

アレルギー性結膜炎のうちアレルゲンの85%が花粉です。なかでもスギ花粉がアレルゲンとなっているケースが最も多く、スギ花粉が飛散する季節には毎年多くの人がアレルギー性結膜炎を発症しています。

スギだけでなく、ヒノキ・ブナ・マツ・ブタクサ・ヨモギなど、アレルゲンとなる花粉はさまざまあり、2月~11月頃までそれぞれ時期がずれながら花粉が飛んでいます。そのため、スギ花粉の時期だけではなく1年を通してアレルギー性結膜炎を発症する可能性があります。

花粉のほかにもダニ・ホコリ・カビなどのハウスダスト、動物の毛、コンタクトレンズの汚れなどもアレルゲンとなりアレルギー性結膜炎を引き起こします。

アレルギー性結膜炎の症状

アレルギー性結膜炎の代表的な症状では、目・まぶたにかゆみが現れます。片側だけではなく左右両方の目に症状が現れることが特徴です。

また、眼球よりもまぶたやまぶたのふちなどに現れることが多く、かけばかくほど症状は悪化してしないます。

アレルギー性結膜炎の中でもいくつか種類にわけることができ、症状も異なります。

季節性アレルギー性結膜炎の特徴

特定の花粉が原因となり特定の季節にのみ症状が現れます。アレルギー性結膜炎で最も多く見られる種類で、症状は一般的に花粉症と呼ばれます。季節性アレルギー性結膜炎では次のような症状が現れます。

・目のかゆみ
・目がゴロゴロするなどの異物感
・目の充血
・水っぽいゼリー状の目ヤニ

通年性アレルギー性結膜炎の特徴

ダニ・ホコリ・カビなどのハウスダストが原因となるアレルギー性結膜炎です。季節に関係なく、1年中症状がみられるのが通年性アレルギー性結膜炎の特徴です。

・目のかゆみ
・目がゴロゴロするなどの異物感
・目の充血
・水っぽいゼリー状の目ヤニ

春季カタルの特徴

子供に多くみられる重症のアレルギー性結膜炎です。アトピー体質によく見られ、5歳頃に発症し10歳頃にピークを迎えます。次のような症状が1年中みられますが、春~夏にかけて悪化するので春季カタルと呼ばれます。

10代後半までに自然治癒することが多い病気です。

・かゆみ
・目の充血
・まぶたの腫れ
・目がゴロゴロするなどの異物感
・白い糸状の目ヤニ
・まぶたの裏にブツブツができる(乳頭)
・視界がかすむ

まぶたの腫れやまぶたの裏にブツブツができると角膜(黒目)を傷つけてしまう場合もあります。

アトピー性角結膜炎の特徴

アトピー性皮膚炎をともなうアレルギー性の結膜炎で、1年を通して次のような症状が現れます。アトピー性皮膚炎・喘息をもつ成人の方にみられる病気で、春季カタルが自然治癒しなかった方がアトピー性角結膜炎に移行するケースもみられます。

・かゆみ
・涙が流れる
・まぶたの腫れ
・目がゴロゴロするなどの異物感
・水っぽいゼリー状の目ヤニ
・まぶたの裏にブツブツができる(乳頭)
・視界がかすむ
・角膜がめくれる

巨大乳頭結膜炎の特徴

コンタクトレンズに付着した汚れが原因となる結膜炎です。コンタクトレンズを使用する人によくみられ、まぶたの裏に「乳頭」というブツブツができる症状です。

目の手術後・目に入った異物・義眼によって引き起こされる場合もあります。乳頭のほかに次のような症状が現れます。

・かゆみ
・目がゴロゴロするなどの異物感
・コンタクトレンズがずれる
・コンタクトレンズが汚れる

アレルギー性結膜炎の治療法

季節性・通年性アレルギー性結膜炎によく使われるのは抗アレルギー点眼薬です。かゆみを引き起こすヒスタミンの作用を阻止するヒスタミンH1拮抗(きっこう)点眼薬、ヒスタミンの放出を抑えるメディエーター遊離抑制(ゆうりよくせい)点眼薬のどちらかが使われます。

目薬だけで症状がおさまらない場合は飲み薬の抗アレルギー薬を使用します。

コンタクトレンズが原因となった巨大乳頭結膜炎では、コンタクトレンズの正しい装着法やケアの仕方もあわせて指導します。

治療は症状が出る前から

花粉症など季節性アレルギー性結膜炎に対しては、花粉が飛ぶ前から薬を使用する初期療法が有効です。

毎年花粉で悩んでいる人は、1月中に眼科を受診して抗アレルギー薬を処方してもらうか、市販の目薬を使い始めると症状の軽減が期待できます。

春季カタル・アトピー性角結膜炎の治療法

重症となった春季カタル・アトピー性角結膜炎ではステロイド点眼薬や免疫抑制剤を使用します。どちらも高い効果が望める薬ですが、副作用も強いため医師の指導のもとで使う必要があります。

薬で症状が改善しない場合は乳頭を切除する手術を行います。

減感作療法(原因療法)

アレルギーを根本から改善する治療法です。

アレルゲンを少しずつ体内に取り入れ、その量を徐々に増やしていくことで体を慣らしアレルギー反応が起こらないようにする方法です。

治療は毎日継続して長期間行うことで効果を感じられやすくなります。平均して3〜5年間は治療を継続する必要があります。

市販薬の活用

アレルギー性結膜炎は結膜炎の種類の中でも、唯一市販の目薬で治療が可能です。

市販薬にはかゆみや充血など症状に合わせた目薬や、目にしみにくい目薬、防腐剤フリーの人口涙液などがあるので、好みや目的に合ったものを選びましょう。

市販の目薬について、詳しくは関連記事をごらんください。

アレルギー性結膜炎の予防法

アレルギー性結膜炎の予防にはアレルギー反応を起こさないよう、日常生活からアレルゲンを避ける工夫が必要です。

季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)の予防法

なるべく花粉に接しないような行動をを心がけましょう。

・花粉が多いときの外出は避ける
・マスクやメガネを着用する
・花粉が飛ぶ時期にはコンタクトレンズを着けない
・帰宅したら衣類や髪についている花粉を払い落す
・帰宅後に人口涙液や水道水で目の花粉を洗い流す
・ファストフードや加工食品を摂りすぎない
・タバコや酒、刺激の強い香辛料は控える

通年性(ハウスダスト)・春季カタル・アトピー性アレルギー性結膜炎の予防法

ダニやカビ・ホコリ・ペットの毛などが主な原因となるので、部屋はこまめに掃除し清潔に保つことが大切です。

・家具や棚の上は雑巾で濡れ拭きする
・床は丁寧に掃除機をかける
・掃除中は窓を開けて換気をする
・クーラーや除湿器を使って温度・湿度を調節する
・ペットの換毛期にはブラッシングをして抜け毛を捨てる

巨大乳頭結膜炎の予防法

コンタクトレンズに汚れが残らないよう丁寧に洗いましょう。こすり洗い用の洗浄液を使ってしっかりと汚れを洗い流すとより効果的です。

また、使い捨てのコンタクトレンズを使用している場合は、規定の期間よりも長い期間使わないようにしましょう。

おわりに

アレルギー性結膜炎は他人にうつることはありませんが、放っておくと視力に障害を残す可能性がある病気です。薬や日常生活から症状を抑え、悪化させないよう上手に付き合っていきましょう。

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