眼精疲労とは?

眼精疲労とは、目を長時間酷使することによって目だけではなく全身にもさまざまな不調が現れ、休息や睡眠をとっても十分に回復しない状態のことをいいます。

「疲れ目」と「眼精疲労」は違う

目の疲れを感じたとしても、睡眠をとるなどして休養をとることで改善される場合は、眼精疲労ではなく「疲れ目」であり過度に心配する必要はありません。

眼精疲労では、休養をとっても症状がいつまでも続き、放っておくと悪化のおそれもあるため、早めの対策が必要です。

眼精疲労の原因

眼精疲労の原因はひとつではなく、さまざまな要因が組み合わさって起こります。

目の異常によるもの

【メガネやコンタクトレンズの度が合っていない】

度の合わないメガネやコンタクトレンズを使っていると、見えづらい中で無理してピントを合わせようとすることで目の筋肉に負担がかかり、眼睛疲労が起こります。

【ドライアイ】

ドライアイとは、コンタクトレンズの装用やまばたきの減少、エアコンの風があたる環境などで涙が蒸発して量が減り、角膜や結膜に傷がつきやすくなる慢性疾患です。目の不快感や視力の低下をともないます。

作業環境によるもの

【長時間のVDT作業】

VDTとは、Visual Display Terminalの略で、パソコンやスマートフォン、テレビなどの画面の総称として使われます。

集中して画面を見つめることでまばたきが減ると、涙が蒸発しやすくなり目の乾燥が進みます。

現代では日常的にVDT作業を行う人が非常に多いため、眼精疲労の原因がVDT作業であるケースは増えてきています。

【エアコンの風】

室内にいる時間が長い場合、エアコンの風に長時間あたっていることで目が乾燥しやすくなります。

【光の刺激】

紫外線や過度の証明なども目を疲れさせる原因となります。

全身の異常によるもの

【高血圧、糖尿病、脳神経疾患など】

眼精疲労は目だけが原因とは限りません。

全身の健康に影響する疾患にかかると、目の疲れに耐える力が低下し眼精疲労を招きやすくなります。

精神的な不調によるもの

【精神的ストレスや自律神経失調症】

精神的にストレスがたまり自律神経のバランスが崩れると、目の筋肉が過度に緊張して血流が悪くなり、眼精疲労を招きます。

眼精疲労の主な症状

眼精疲労になると、目だけではなく全身にさまざまな不調が出てきます。

目の症状 痛み、乾き、充血、まぶしさ、まぶたのけいれん、物がかすんで見える、涙が頻繁に出る、物が二重に見える、目が重い など
体の症状 頭痛、首や肩のこり、吐き気、腕の痛み、手の痺れ、腰痛、背中の痛み など
心の症状 イライラ、不安感、憂鬱感 など

眼精疲労で全身症状がでるのはなぜ?

実は、眼精疲労が原因で全身症状が起こる理由は、はっきりとは分かっていないのが現状です。

目を使い続ける場面では、ずっと同じ姿勢を取っている場合が多いため、首や肩の筋肉も緊張して血流が悪くなることが不調に繋がっていると考えられています。

眼精疲労のセルフチェック

目の疲れや肩こり・頭痛などはよくある症状のため、眼精疲労かどうかを自分で判断するのは難しいかもしれません。

チェック項目を参考に、自分がいくつ当てはまるかを確認してみましょう。

眼精疲労のチェック項目

□1日5時間以上パソコンを操作している
□目の奥が痛む、または頭痛がする
□目の乾燥が気になり、頻繁に目薬をさす
□屋外に出るとまぶしいと感じる
□夕方頃になると遠くがぼやけて見える
□常に首や肩がこっている
□よくまぶたがけいれんする
□まぶたが重い感じがする
□近視が進んだように感じる
□夜、寝つきが悪くイライラする

チェック項目のうち、2つ以上当てはまる場合には注意が必要です。

当てはまる症状が多い場合は眼精疲労を疑い、早めの対策を取りましょう。

眼精疲労は何科にかかるべき?

眼精疲労は目を使いすぎた場合だけではなく、目や体の病気が原因となっていることもあるため、異変を感じたら早めに病院を受診しましょう。

眼精疲労を疑ったら、まずは眼科を受診しましょう。ドライアイや緑内障・白内障の有無など原因の特定をします。

目の病気が見つかった場合は治療をし、メガネやコンタクトの度が合わなければ作り直します。

眼精疲労自体の特効薬はありませんが、細胞の代謝を助けるビタミンの配合された点眼薬や内服薬で症状が改善することもあります。

眼精疲労の予防法

眼精疲労を予防するには、しっかりと目を休め、血流をよくすることが大切です。

十分な睡眠をとる

日中酷使した目を休めるために、1日最低でも6〜7時間以上の睡眠をとるようにしましょう。

まぶたを軽く閉じただけの状態では少し光を感じますが、熟睡すると黒目がまぶたの上の方を向きます。

黒目がまぶたの上に行くと光をほとんど感じなくなり、眼球の筋肉がリラックスします。

眼球周辺を温める

蒸しタオルやホットアイマスクを使って眼球周辺を温めましょう。

温めることで血流がよくなるため疲労物質が取り除かれ、眼球の筋肉が柔らかくなります。

また、温めたあとに冷やすと反動で血流が促進されるため効果的です。ただし、温めずに冷やすだけだと血流が悪化し逆効果になるため注意しましょう。

充血がひどい時や炎症を起こしている時は、温めると悪化することがあるため気をつけましょう。

パソコンの使い方に気をつける

パソコンで作業をする際は、目と画面との距離が40cm以上開くようにし、モニターの上辺が目線より数センチ高い位置に来るようにしましょう。

メガネやコンタクトは、作業距離と姿勢を調節した上で見えやすい状態になる度数のものを使いましょう。

パソコンで1時間作業をしたら15分の休憩をとるのが理想的ですが、休憩時間をとるのが難しい場合はぼんやり遠くを見るようにするなど工夫して目を休めることが大切です。

また、長時間同じ体勢で作業をする場合にはストレッチなどの軽い運動を小まめに行い、意識的に体をほぐすようにしましょう。

目の乾燥対策をする

目の乾きは眼精疲労を進行させるため、乾燥対策を意識的に行いましょう。

・まばたきの回数を意識的に増やし、涙で目をうるおす

・加湿器で部屋の乾燥を防ぐ

・エアコンの風に直接当たらないようにする など

自分でできる眼精疲労の解消法

眼精疲労の予防を意識していても、現代ではどうしても目を酷使する場面が多くなっているため防ぎきれないこともあります。

実際に眼精疲労になってしまった場合の、自分でできる対処法を紹介します。

目回し体操

眼球を意識的に動かし、いつもと違う動きを与えることで眼の筋肉をほぐします。

目回し体操をすることによって、眼筋の大きなストレッチ効果が期待できます。

【目回し体操のやりかた】

1.眼球を上下に動かす

2.眼球を左右に動かす

3.眼球を回す

眼球周辺を温める

蒸しタオルやホットアイマスクで眼球周辺を温めるのは、予防としても効果的ですが、眼精疲労になったあとでも有効です。

蒸しタオルの場合は水に濡らしたタオルをしっかりと絞り、600wの電子レンジで約40秒加熱します。

眼球周辺を温めることで血行が良くなって筋肉がほぐれ、リラックスできます。

また、市販のホットアイマスクであれば持ち運びにも便利で手軽に使うことができます。

マッサージ

仕事の合間などに、マッサージやツボ押しをすることも効果的です。

ツボ押しは、指の腹で一箇所を5〜6回程度押します。ただし、眼球は押さないように注意しましょう。

市販薬を使う

眼精疲労の治療には、メガネやコンタクトレンズを自分の視力に合ったものに作り直したり、パソコン作業をする場合に適度な休息を取るなど原因となるものを除いていく必要があります。

眼精疲労を直接治すものではありませんが、ビタミンの配合された点眼薬や飲み薬が眼精疲労で起こる症状を和らげることに有効なケースもあり、市販のビタミン剤などで改善できることがあります。

眼精疲労に使用できる市販薬について詳しくは関連記事をごらんください。

おわりに

目の疲れは体にさまざまな影響を及ぼします。

現代は仕事でもプライベートでも目を酷使する場面が多いため、疲れがたまりすぎないよう上手に目を労って肩こりや頭痛などのつらい症状を予防しましょう。