ドライアイは涙の質が悪くなったり、量が減ることで眼が乾きやすくなり、ゴロゴロや乾燥感・充血などの不快な症状が現れます。症状が悪化すると視力が落ちたり、目の表面がはがれることもあるため、症状に不安がある場合は病院を受診して治療を行いましょう。

この記事では病院で行われるドライアイの検査・治療法を解説します。

ドライアイの診断方法

ドライアイの治療には、眼科専門医による診断と適切な治療が必要となります。眼科での診断には次のような検査が行われます。

シルマー検査

涙の量を調べる検査です。ドライアイの診断によく行われる検査で、細長いろ紙を下まぶたのふちに挟み、ろ紙が濡れた量により涙の量を判定します。

染色検査

角膜の傷を調べる検査です。ドライアイでは目の表面に傷がつきやすいので、染色液を点眼して目にある傷を確認する検査です。

フルオレセインという黄色の染色液を少しずつ点眼し、スリットランプという専門の顕微鏡を使って目の表面に傷がないか確認します。

BUT(涙液層破壊時間)検査

涙の質・安定性を調べる検査です。まばたきを我慢して目の表面が乾く時間と程度を調べます。

ドライアイの治療法

ドライアイに使用する目薬

ドライアイの治療の基本は目薬の点眼になります。涙の量を補うものや、涙の質を改善するものなど、症状や原因に合わせて以下のような目薬を使用します。

目薬の種類 作用
人工涙液 涙の量を補う
ヒアルロン酸製剤 涙の蒸発を防ぎ保湿する
ジクアホソルナトリウム 涙を構成するムチンや水分の分泌を促す
レパミピド ムチンを生産する

ほかにも、炎症にはステロイド点眼薬を、眼の表面の傷には傷を治す目薬を使用します。目薬による治療で症状が改善されない場合は、次にような治療を行う場合があります。

涙点プラグでの治療

眼に涙を貯めるための治療法です。

涙は目尻の方から目頭のほうに向かって流れていき、目頭のあたりにある「涙点」という涙の出口から排出されます。眼に涙が留まるよう涙点をプラグでふさぎ、涙の流出を抑えてドライアイを改善します。プラグの大きさや材質にはさまざまなものがあり、保険適用にもなっているので最近ではよく行われる治療法です。

涙点をふさぐプラグが外れてしまうような場合には、手術で涙点を縫い合わせることもあります。

血清点眼での治療

自分の血液を用いて作成した血清点眼薬を使う治療法です。

血液の血清成分と涙の成分はよく似ているため、血液から血清を作り5倍程度に薄めて点眼します。血清の中には細胞の増殖を助ける成分や細胞の成長を促す成分が含まれているので、眼表面の傷の治療に効果を発揮します。

マイボーム腺の詰まりを取り除く

まぶたのふちには油分を分泌するマイボーム腺という小さな穴があります。マイボーム腺が何らかの原因で詰まる「マイボーム腺機能不全」を起こすと、涙に必要な油分が足りずにドライアイになる場合があります。

マイボーム腺の詰まりの主な原因は、油分が固まってフタをしてしまうことです。詰まっている油分は蒸しタオルなどで温めて軽くマッサージをすると取れる場合もありますが、温めても改善しない詰まりには専用の器具や綿棒などで絞り出す方法が取られることもあります。

また、LipiflowやE-Eyeというマイボーム腺機能不全専用の治療器具を使った治療法もありますが、保健適用がされていないため非常に高価な治療法となっています。

おわりに

涙には乾燥を防ぐ・ゴミやホコリを洗い流す・細菌やウイルスなどの殺菌・角膜の代謝に必要な栄養補給などの役割があります。ドライアイで涙が不足するとこれらの役割が十分に果たされず、目に傷がついたりアレルギー反応を起こしやすくなったり、コンタクトレンズでのトラブルが多くなります。また、マイボーム腺に油分が詰まっていると細菌に感染してものもらいにかかるリスクも高くなります。

目が乾きやすい・疲れやすい・充血しているなどの症状が見られた場合は、早めに眼科を受診し治療を始めましょう。