はじめに

子どもの病気といわれる感染症には、子供自身の症状は比較的軽くても、妊婦さんが感染すると赤ちゃんに危険が及ぶものがあります。
りんご病もその1つ。原因は「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスによって感染しますが、赤ちゃんへの影響についてはあまり知られていないとの調査報告があります。
りんご病は妊娠中にはぜひ知っておきたい感染症の1つです。確認しておきましょう。

 

りんご病の症状は子どもと大人で違う!

りんご病は、1~3週間の潜伏期間の後、典型的な症状として両方のほおに紅斑(赤い発疹)が出ます。
発疹同士がくっついて広がるため、レース状の網目模様や波模様に見えるのが特徴で、発疹はかゆみやほてりを伴います。
熱は微熱で、多くは発疹以外に症状はなく、発疹は1~2週間で薄くなり快方に向かいます。

ところが大人が感染すると、典型的な紅斑が出現しないことが多く、強い症状として発熱や関節痛が出ます。
かぜのような症状だけのため、見落とされるケースがあります。
そのため成人の感染の半分は、症状が出ない「不顕性感染」の場合があり、自覚がなくウイルスの保有者となり感染源になる場合があります。

そもそもパルボウイルスの感染力があるのは、発疹が出る1週間前位です。
この時はウイルスが血液中で最も増えた状態で、感染力が強い時期ですが、この時点でりんご病と診断することはほぼありません。

一方、発疹が出てほおが赤くなった時点では感染力はなくなります。
そのため、発疹が出てリンゴ病と気づいたときには、すでに周りの人が感染している可能性が高くなるのです。
特に妊娠中に感染すると赤ちゃんに危険が及ぶことがあるため注意が必要です。

 

妊娠20週までが特に注意!

妊娠初期から中期、特に妊娠20週までに妊婦さんが感染すると、赤ちゃんが胎児水腫(たいじすいしゅ)になるといわれています。
胎児水腫は全身の浮腫(むくみ)や心不全、重症の貧血などになり、死産、流産になる可能性があります。
子宮内胎児死亡の20%にパルボウイルス感染があるともいわれています。

2011年の厚生労働省研究班の全国調査によると、感染した妊婦が69人確認され、うち約7割の49人が流産、死産していたことが分かっています。
69人のうち家族もリンゴ病にかかっていたのは37人。このうち34人が子供でした。
ところがパルボウイルスB19を知っている妊婦は少ないとの調査結果がありました。

感染したかどうかは血液検査で分かる為、定期的に検診を受けることをおすすめします。

 

りんご病にはワクチンがありません

りんご病と同様、風疹も妊娠中の女性が感染することで、胎児に大きな影響を与えてしまう可能性のあることは知られ始めています。
ただし決定的な違いは、りんご病には風疹のように有効なワクチンがありません。
感染しないようにすることしかなく、また不顕性感染も多いため、家族みんなでの予防対策がとても重要になりす。


 

妊娠中にりんご病になってしまったら?

妊婦さんがりんご病に感染してしまった場合は、すぐに産婦人科の先生に相談しましょう。
診断のために、抗体検査や遺伝子検査が行われます。
胎児超音波検査で胎児水腫が認められるときには、妊娠週数などを考慮して治療法が選択されます。


妊娠中にりんご病にかかってしまった場合、悪化を防ぐためには早めの診断がとても大切になります。
りんご病の感染者と接触したり、かぜのような症状が出た場合は早めに受診しましょう。

 

さいごに  ~徹底した予防を心がけましょう!

感染予防には、人ごみを避ける、手洗い、うがいを徹底し、インフルエンザのように手や指の消毒もしましょう。
幼稚園や学校などからの集団感染があるため、子どもにも注意を呼びかけ、特に妊娠中は十分に気を付けて過ごしましょう。
 

image by Ashley Rehnblom/IMG_2060
image by  Caitlin Sturdivant/The Bauers