はじめに ~B群溶血性連鎖球菌(GBS)感染症とは~

感染症の原因となる細菌の一種である「溶血性連鎖球菌(溶連菌)」は、病原性の弱いものから、「劇症型」と呼ばれる極めて強いものまで、数十種類が存在しています。
通常は体内に普段からいる常在菌で、ほとんどは自覚症状はありませんが、感染した場合はその種類によって軽症から命に関わる重症まで様々な症状があります。

中でも「B群溶血性連鎖球菌(GBS:group B streptococcus)」は、腟や肛門周辺、直腸などに多く常在する菌の1つで、妊婦さんの10%~20%が保菌しているといわれています。

妊娠中には菌が増えることがあり、通常感染症を起こすことは稀ですが、気づかないままでいた場合、赤ちゃんに重篤な症状や命に関わる危険があります。
そのためB群溶血性連鎖球菌(GBS)) 」は、妊娠中に注意すべき感染症の1つとなっています。

 

感染経路と赤ちゃんへの影響は?

母体が発症すると、卵膜に炎症を起こし、前期破水や早産の原因になることがあります。

赤ちゃんへの感染経路は、①子宮内での感染 ②破水時や分娩時の産道感染があり、GBS感染症の発症率は1%前後と低いのですが、感染後に発症すると急速に重篤化し、重い後遺症や死亡に至ることもあります。

 

GBS感染後の赤ちゃんの症状は?

感染・発症には「早発型」と「遅発型」があります。

■ 早発型=生後6日以内に発症

■ 遅発型=生後7日~89日までの間に発症

症状としては、出生直後から敗血症、髄膜炎、肺炎、その他に関節炎、骨髄炎などを起こすことがあります。
割合は早発型が多く、早発型の90%は誕生後24時間以内の発症で、4人に1人は死亡するという大変危険な病気です。

ただし退院後に軽い症状からの発症もあります。

  • 発熱(37.5度以上)、咳、鼻水
  • 陥没呼吸などの呼吸障害
  • 不機嫌、元気がない
  • 嘔吐や哺乳不良

などが見られた場合には、すぐに病院へ連絡し受診しましょう。

 

GBSの検査方法と治療法は?

検査方法
妊婦検診の項目の中にB群溶血性連鎖球菌(GBS)検査があります。
妊娠33~37週に、綿棒で膣や肛門周辺から検体を採取し、培養検査を行います。

治療法
GBSを保有していると分かった時点から抗生剤の内服で治療する場合もあります。
一旦は検査で陰性になることもありますが、また増殖し再発する場合も多くあります。

そのため赤ちゃんへの感染予防には、妊娠中からの内服治療よりも、より確実な方法として「分娩時の点滴治療」が行われます。
陣痛時、破水時から分娩終了まで」ペニシリン抗生剤の点滴を行い、赤ちゃんへの感染を予防します。

 

さいごに

GBS:B群溶血性連鎖球菌は、基本的に妊娠の経過には影響を及ぼすことはありません。
ただし、感染に気が付きにくいため、定期的に行われる血液検査でGBS抗体の有無について確認できます。
安心して出産できるように、妊婦健診は忘れずに受けましょう。