大事な仕事や試験、家庭の事情などで、体調が悪くても飛行機に乗らなくてはいけない場面は誰にでもあると思います。
しかし、本当に具合が悪いときは無理して空港まで行っても飛行機に乗るのを断念することになったり、航空会社側から止められてしまう場合もあるものです。

一般的に飛行機に乗ることが禁忌とされているのはどのような疾患・健康状態の人なのか把握し、判断の目安としましょう。


 

新生児・妊娠36週目以降の女性は注意!

生後48時間未満の新生児は、飛行機に乗ることは禁忌とされています。
早産だった場合は飛行機に乗るべきでない期間はさらに長くなりますので、医師のアドバイスに従ってください。

妊娠中の女性については、36週目(約8か月半)を過ぎての飛行機の搭乗はできるかぎり避けましょう。双子や三つ子の場合は32週以降です。
実家へ帰省して産む場合や、海外赴任中の方で日本へ帰国して産む場合などは、十分な余裕をもって妊娠中期(妊娠5〜7ヶ月)のうちに移動しておくと安心です。

なお、日本国内の航空各社では基本的に、出産予定日の28~8日前の搭乗には診断書・同意書の提出が必要となり、出産予定日の7日以内は加えて医師の同伴が必要になります。

妊娠中の飛行機移動を予定されている方は以下の記事もご参考ください。


 

心臓病や肺疾患、手術をされたばかりの方も注意が必要です

以下にあてはまる人は、一般的に飛行機を利用すべきでないとされています。
どうしても飛行機に乗る必要がある場合は、数日前に航空会社へ連絡し酸素補給機器を用意してもらうなどの手配が必要となる場合もあります。

  • 狭心症または安静時の胸痛
  • ダイビング後の減圧症(潜水病)
  • 頭蓋内圧亢進
  • 最近の心筋梗塞
  • 最近の脳卒中
  • 最近の手術や怪我により体に空気やガスを内包している可能性がある(腹部損傷、胃腸手術、頭蓋顔面外傷、眼外傷、脳外科手術、眼科手術など)
  • 重度の慢性呼吸器疾患
  • 気胸
  • 安静時の呼吸困難
  • 鎌状赤血球症(かまじょうせっけっきゅうしょう)
  • 鼻・耳・耳管の感染症(中耳炎など)

上空では気圧が低くなり、酸素濃度も薄くなります。そのため、重度の心臓病肺疾患などのある方は、酸素の補充が必要となる場合があります。必ず医師に相談してください。
また、気圧の変化により上空ではペットボトルが膨張するように、手術の後などで体内に空気やガスが残っている方は、閉じ込められた気体の膨張により痛みや組織の損傷が起きる場合があるため航空機搭乗は禁忌となっています。気胸も同様です。


 

症状は治まっていても感染力がある場合も!感染症は回復期も要注意です

飛行機内での感染がほかの公共交通機関と比べ特に多いわけではないことが判明していますが、飛沫感染や接触感染により、飛行機で近くに座った人に病気をうつしてしまうリスクは存在します。
感染症によって感染力の持続する期間は異なり、飛行機に搭乗すべきでない期間も異なります。

疾患名 伝染性を有する期間
水痘(水ぼうそう) 発疹の出る1~2日前から、疱疹がすべてかさぶたになるまで(通常約5日後)。免疫不全状態の場合はより長くなる
インフルエンザ 症状が出始めてから3~5日程度。幼児の場合は最大7日
麻疹(はしか) 前駆期の1日前(発疹出現の約4日前)から発疹の4日後まで。(学校保健安全法では熱が下がって3日経つまでが出席停止の基準となっています)
流行性耳下腺炎(おたふく風邪) 耳下腺炎(耳の下の腫れ)が出る7日前から9日後まで。感染力が最大となるのは発症2日前から4日後まで
百日咳 カタル期から痙咳期のはじめまで(最初の2週間)。通常3週目以降は感染力はなくなる
風疹(三日はしか) 発疹出現の1週間前から4日後まで
結核 治療効果を得られて2週後まで。日本では感染力のある期間は法律により入院が義務づけられています

航空会社は感染性の疾患が疑われる乗客の搭乗を断ることができるため、たとえばお子さんが水痘から回復しすでに感染力がない期間であっても肌に発疹のあとが残っている場合などには、医師に一筆書いてもらっておくとよいでしょう。
お子さんの感染症は、学校の出席停止期間中はほかの子どもにうつしてしまう可能性があるということなので、当然飛行機にも乗るべきではありません。

また、世界的に増加傾向にある結核については、確率的には低いとしながらも飛行機内での感染の可能性をWHO(世界保健機構)でも指摘しています。
これまでに8時間以上のフライトでのみ感染が記録されているとのことですが、結核患者は日本を含む多くの国で入国拒否の対象となっています。
検査により感染力がないと示されるまで、結核患者は飛行機に搭乗すべきではありませんし、搬送も最低限にすべきとされています。


 

おわりに~不調のときは、遠慮せずに優先搭乗を利用しましょう

妊娠中の方や小さなお子さん連れの方、怪我・病気などで歩行が困難な方、ゆっくりとしか歩くことができない方は、余裕をもって搭乗ゲートへ行き、事前に申し出て優先搭乗を利用しましょう。空港内の移動も、歩行が困難な方のためにカートを運行している施設が多いので、遠慮せずに呼び止めて乗せてもらいましょう。

妊娠中でもおなかが目立たない場合や怪我をしていても一見してわかるようなギプスや包帯をしていない場合、つい人目を気にしてしまい優先搭乗を利用しづらいということもあるかもしれませんが、優先搭乗を利用した方がスムーズに搭乗でき、結果的にほかの搭乗客の方を待たせる時間も短く済むという場合もあります。

また、搭乗前の急な下痢や吐き気などは、座席をトイレの近くに変更したり症状が治まるまで搭乗便を遅らせるなど柔軟に対応してもらえる場合もあるので、ゲートで係員の方に相談してみるとよいでしょう。
 

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