生理前の症状はPMS(月経前症候群)

PMSはPremenstrual Syndrome(プレ・メンストラル・シンドローム)の略で、いわゆる月経前症候群のことです。

女性の生理が始まる1週間ほど前から起こるカラダのさまざまな不快症状のことですが、精神的な症状を感じるのは女性の60%以上、身体的な症状を感じる女性は80%以上にものぼるようです。

この症状は通常、生理が始まると自然に緩和していきます。

PMS(月経前症候群)の原因とは?

PMS(月経前症候群)は1931年に初めて医学論文としてその概念が報告されました。

しかし、それから数々の研究が進められてきたにもかかわらず、西洋医学においてはまだ原因がはっきりと解明されていないようです。その理由は、ただでさえ個人差が激しいのに、その症状が150種類以上も存在しているから。

ただ、はっきりと解明がされていないにしても、ホルモンバランスの変化が引き起こしている、という考え方が一般的に支持されているようです。諸説あるなかで、主な原因とされているのは以下の通り。

【西洋医学】

・排卵が終わると上昇するプロゲステロン(女性ホルモンのひとつで、黄体ホルモンとも呼ばれる)が関与しているという説。プロゲステロン(黄体ホルモン)が影響し、GABA(脳内物質)や水分代謝に変化が生まれ体調が不安定になる。

・排卵後、女性の身体を正常に機能させる働きのある女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)が減少するために、喜び・多幸感を与える神経伝達物質セロトニンがバランスを崩す。

【東洋医学】

東洋医学においては肝や腎に深い関わりがあると考えられています。生理前は子宮内に気血を集めるために肝臓が活発に働くのですが、女性の出産が減り生理の回数が増えたことにより、肝臓の負担も増えたというワケです。

また、昔に比べると女性も仕事などで多くのストレスを抱えるようになってしまったので肝臓への負担が激増してしまいました。このように肝の機能が低下すると、東洋医学の3大要素である「気・血・水」のなかの「気」がスムーズに流れなくなり、イライラや不安感、乳房が張るといったPMS(月経前症候群)の症状が起こるという見解です。

また、環境や社会から受けるストレスやその人物の生活習慣や性格も影響するそうです。

 
【PMS(月経前症候群)になりやすい生活習慣】

タバコを吸う、アルコールやコーヒーをたくさん摂取する、間食が多いなど

【PMS(月経前症候群)になりやすい性格】

真面目、几帳面、神経質、潔癖症、ガマンが多い、ほか、女性であることや月経に拒否反応が強い人

PMS(月経前症候群)の症状が起こる時期はいつから?

PMS(月経前症候群)は、個人差はありますが、だいたい生理の1週間ほど前から症状が出始めます。そして、その症状が最も強くあらわれるのは生理の2~3日前。ただし、早い人では排卵直後(だいたい生理の14日ぐらい前)から症状があらわれる人もいるようです。

PMS(月経前症候群)のつらい症状を経て、さらに不快感の多い生理を終えたら、やっと肌や髪の色つやが良くなり、精神的にも肉体的にも元気な時間を過ごせます。

そのハッピーな期間は生理終了後の10日間ほどですが、女性にとって最も気分の良い期間といわれています。

PMS(月経前症候群)のさまざまな症状

PMS(月経前症候群)の症状はなんと150種類以上!なかでも一番多く訴えられているのが「イライラ」「乳房が痛い」「乳房が張る」「腹痛」などです。

◆身体的な症状

お腹が痛い(腹・下腹部・胃)、下腹部膨満感(下っ腹が張る・膨らむ)、腰痛、腰が重い、関節痛、お尻から背中が痛い、しびれ、肩コリ、頭痛、頭が重い、吐き気、寒気、乳房の痛み、乳房が張る、むくみ、目がハレる、体重増加、脚が重い、肌荒れ、にきび、かゆみ、のぼせ、動悸、めまい、貧血、食欲増加、消化不良、下痢、便秘、痔の悪化、のどに引っ掛かりがある、微熱、眠気、頭皮が脂っぽい、目の奥が痛む、口内炎、おならが出やすくなる、尿が臭う、体臭がキツくなる、デリケートゾーンがかゆい、おりものが増える、おりものに血が混じる、アルコールで酔いやすくなる、など。

◆精神的な症状

イライラする、怒りっぽい、憂うつ感がある、無気力、疲れやすい、孤独感、集中力が低下する、不眠、朝なかなか起きられない、なかなか寝つけない、精神不安定、涙もろくなる、など

PMS(月経前症候群)による吐き気の症状について

PMS(月経前症候群)による吐き気の症状は、「気持ち悪いけれど何も吐けない」といった症状が妊娠超初期症状に非常に似ています。妊娠のしているかどうかは基礎体温と妊娠検査薬で判断できます。また、匂いに敏感になったり、高温期が続けば妊娠の可能性があり、体温が下がり症状が緩和するのであればPMS(月経前症候群)です。

PMS(月経前症候群)による眠気の症状について

PMS(月経前症候群)による眠気の症状は、月経関連過眠症(月経前過眠症)ともいわれています。実は、このPMS症状にかかる女性の半数が、この眠気症状を抱えているとのこと。また、PMS(月経前症候群)の症状が重い人ほど、眠気が強いという傾向がみられるそうです。

PMS(月経前症候群)による”手足のしびれ”の症状について

PMS(月経前症候群)による”手足のしびれ”の症状は、血糖値が関係しているといわれています。

血糖値が低下して脳からの指令が行き渡らなくなるために起こるとのこと。また、東洋医学においては、血液中に老廃物がたまり、酸素や栄養素の配給が滞っている状態が”手足のしびれ”を起こしていると考えられています。

PMS(月経前症候群)の治療

これまでPMS(月経前症候群)の治療薬は日本では発売されていませんでしたが、2014年より、PMS治療薬としてプレフェミンが市販されるようになりました。

有効成分は「チェストベリー」という果実の乾燥エキスで、これはギリシャ・ローマ時代から婦人科系の病気の治療に用いられてきた西洋ハーブです。チェストベリーによってプロラクチンの分泌を抑える事で女性ホルモンのバランスを整えPMSの症状を緩和する、と考えられています。

医療機関ではカウンセリングを行ったうえで、その人の症状に合った治療が施されます。

症状がひどいようであれば、一度婦人科に相談してみましょう。

【その他の治療法】

・漢方処方
・治療用サプリメント(栄養療法)
・食事指導(栄養療法)
・ピルなどの処方(薬物療法)
・抗不安剤など(薬物療法)
・PMSレス注射

おわりに

ウォーキングなどの有酸素運動を行うことで、症状が緩和されることもあるようです。

また、栄養療法という治療法があるように、バランスの良い食事をとることもPMS(月経前症候群)の緩和には役立ちます。

ちなみに、症状のなかには集中力の低下もあるので、身体がつらいのに無理して仕事を続けても良いことはありません。PMS症状でカラダがしんどい日は無理せず、「お先に失礼します!」と言う勇気を持ちましょうね!