成長期に足が痛いと言って泣いたりする子どもがいます。「背が伸びる時だからきっと成長痛だねー」と思っている方が多いと思いますが、どんなに背が伸びても痛みを感じずに成長する子供もいます。果たしてその違いはなぜでしょうか?

誤解が多い子供の「成長痛(せいちょうつう)」の原因と対処法を知っておきましょう。

image by

photo AC

成長痛といわれる症状は?

多くは2歳~8歳の子どもに以下のような症状が見られます。

・日中元気に遊んでいたのに、夜間に目を覚まして両足が痛むと訴える

・痛む場所は主に太もも、膝関節周辺、ふくらはぎ、踵などに多い

・激しく泣く程痛がることもあるが、痛みは長く続かずしばらくするとまた寝る

・翌日には何事もなく元気に飛び跳ねている

・ケガや炎症などは見られない

・筋肉、骨、関節などには一切異常が認められない

・頻度は月に2~3回の割合で起こり、1~2年位続くことも多い

痛みの程度や頻度には個人差がありますが、これらの症状には、特に骨や組織など器質的な異常が無いことが特徴です。

「成長痛」って病気なの?

「成長痛」とは通称で、医学的には成長痛という病名はありません。

それでも子どもを診察してもらった時に、医師に「成長痛ですね」と言われた経験がある親御さんはたくさんいます。

これは成長期の子どもが、レントゲン、MRI、血液検査などでも異常が見つからず、「原因不明の一過性の痛み」があることを総称して「成長痛」と呼んでいる傾向があり、一般的に分かりやすいように医師も通称名を使って説明しています。

image by

photo AC

一般的な成長痛の原因は?

■日中の活動による筋肉疲労

一日中動き回っている結果、運動が負担になって筋肉の疲労が起こり、疲労感を言葉にできない子どもが足の痛みとして訴えるようです。

下肢の発達がまだ未熟なため、全身の関節が緩い「関節弛緩(かんせつしかん)」の場合に多くみられ、日中の活動が負担になっていると考えられます。これはスポーツによる局所的な筋肉疲労や障害とは別のものです。

■心理的要因(自律神経の乱れ)

幼稚園や小学校などの集団生活の開始や家庭内の生活環境の変化による心理的ストレスが挙げられています。

集団生活での緊張や、友達とのやりとりで嫌なことを感じたり、家庭では下の子の誕生や母親が働き始めるなど、心理的なストレスにより自律神経が乱れ、痛みを増幅させることがあります。​また甘えたいという欲求から起こるとも言われています。

共通点としては器質的な異常がなく、痛みが一過性であることです。

ただし成長痛といわれるものではなく、骨やその他の組織に異常があるために痛みが出ている場合があるため、まずは診断が必要になります。

治療法やケアは?

病気による痛みではなく、脚の変形など器質的な異常がないと分かった場合は、過度な心配は要りません。

◯薬は使わない

◯痛む場所をさすってあげる

◯温めてあげる

◯だっこしてあげる

などをすると安心することで痛みが消えることが多く見られます。

症状は長期化する場合がありますが、通常は成長と共に自然に治まり、後遺障害などは見られません。

ただ、子どもは大人が思っている以上にストレスを受けやすく、またうまく表現できないため溜めこみやすくなるため、痛みが続き心理的な要因が大きいと判断された場合は専門医の心理カウンセリングを受けることも考える場合もあり、また類似の症状で他の器質的な疾患という場合もあるため、診断によって識別することが重要になります。

成長痛とスポーツ障害の違いに注意しましょう

一般に成長痛といわれる痛みは、現在の医学では明確に原因が解明されていない障害のひとつとされており、症状も夜間に一過性で起こることが多く、翌日の日中には飛び回っているようなものです。遅くとも12歳位までには治まります。

ただし日頃からハードなスポーツを行っている場合には、同じような下肢の痛みでも、サッカーなどのように明らかに「下肢の使い過ぎ」による障害として「オスグット病」などがあります。これは膝周辺に明らかに痛みや腫れなどの症状があり、成長痛と勘違いされやすいスポーツ障害です。

このようなケースは他にもあり、成長痛と間違えて放置されてしまうこともあるので、知識として知っておくことは大切です。

image by

photo AC

■以下のような症状が見られたら注意しましょう。

・昼間も痛がる

・3日以上痛みが続く

・次第に痛みが強くなる

・歩き方がおかしい

・しゃがむのがつらそう

・普段から足を引きずっている 

などが見られた場合には、必ず小児科や整形外科で診断してもらい確認しましょう。

また感染症や腫瘍など別の病気によって痛みが出ている可能性もあります。そのため、成長痛か否かは、その症状の発症の原因を認識する事が大切です。

おわりに

原因がはっきりしないと言われている「成長痛」ですが、成長期の子どもがこのように体の痛みを訴えた場合、素人の判断は禁物です。

まずは医師に診断をしてもらいましょう。

特に異常がない場合は、ふれあいやコミュニケーションが不足しているサインかもしれません。今回の記事のポイントをひとつの参考にしてみてくださいね。