赤ちゃん・子どもに起こる「ばね指」とは?

「ばね指」とは手の指の関節が曲がっていてまっすぐに伸ばせず、指の動きがスムーズに行かない状態です。

「ばね指」は「腱鞘炎」の1つとして知られていて、「弾発母指(だんぱつぼし)」や「強剛母指(きょうごうぼし)」ともいわれます。

通常は大人に多い病気というイメージがありますが、赤ちゃんや子どもにも起こり、子どもに発症する場合は「小児ばね指」といわれます。

ただ赤ちゃんは指を丸めていたり曲げていることが多いため、すぐには気が付かず、1歳くらいで発見されます。

「もしこのまま赤ちゃんや子どもの指が曲がったままだったらどうしよう・・・」と不安を経験したママも多くいます。

発症するしくみは大人と異なるため「小児ばね指」の基礎知識を知っておきましょう。

小児ばね指の症状は?

・親指の第一関節が曲がったまま伸びない
・無理に伸ばしてあげると関節が鳴り、離すとばねのように元に戻る
・親指の付け根にしこりがあるがほぼ痛みはない(痛みがある場合もある)
・ほとんど親指のみに起こり、片手だけの場合と両方に起こる場合がある

大人も同じような症状ですが、大人の場合は熱感や腫れ、痛みが伴い、子どもの場合はほぼ痛みが無いのが特徴です。

ばね指になるしくみは?

指は腱(けん)によって曲げ伸ばしをすることができます。

「腱」は骨と筋肉をつなげて筋肉を動かす働きをし、腱の周りには「腱鞘:けんしょう」があります。

「腱鞘」とは腱の鞘(さや)と書き、腱を通すトンネルの役割をしています。

チューブのような構造をしていて内部は滑液により満たされ、腱のすべりをなめらかにしていますが、指の使いすぎの負荷により動かす度に摩擦による炎症が進んで、腱鞘が腫れて厚くなる(肥厚)が起こり、腱の通過障害を起こすものが一般的な原因です。

大人と子供では発症するしくみが違う

大人の場合

成人の場合は、前述のように炎症を起こすことにより、腱鞘が肥厚になることでトンネルの役割をしている腱鞘が狭くなり、腱がスムーズに通らずに痛みが出ている状態です。指を良く使う職業やスポーツに多く見られ、またリウマチや糖尿病などの疾患にも発生します。

母指(親指)に多く見られますが、他の指にもよく起こります。

子供の場合

子どもの場合は腱鞘に炎症を起こしているわけではなく、何らかの原因で腱(屈筋腱)自体が腫れて異常に太くなることで、トンネルの役割をしている腱鞘を通りにくくなるため、屈伸運動の時に弾発現象を起こします。

炎症によるものではないため通常は痛みを感じません。

このように、大人と子供では、ばね指が起こる仕組みが違います。

原因は子どもの場合はあまりはっきり分かっておらず、以前は先天的なものといわれていましたが、赤ちゃんは親指をよく握っていることや、小さな外傷の後に見られることもある為、後天的なものともいわれています。

小児ばね指の治療法は?

小児科か整形外科を受診しましょう。

治療法は「装具療法」と「手術」がありますが、子どもの場合は成長と共にほとんどは自然に治るため、急に手術はせず、定期的に経過を見ます。

矯正方法としては、指を伸ばす装具を付けて安静にします。少々時間はかかりますが、1~2年位治療することでほとんど治ります。

6歳くらいまでは経過を見て、それでも治らない場合は手術を考える場合があります。

手術に関しては焦らず、医師と相談し行いましょう。

おわりに

子どものばね指は自然に治ることが多いので、あまり神経質になることはありません。

ただ、まれに治らない場合は指の使い方の覚えに遅れが出たり、大きくなって手を使う時に不自由を感じるため、子どものばね指に気が付いたら早めに受診しましょう。