子宮内膜増殖症とは子宮内膜が異様に厚くなった状態

子宮の中では受精卵が着床した時のベッドとして子宮内膜が作られています。

子宮内膜は細胞の集合体です。

そして、生理は子宮内膜が不要な場合に出血として体外に排出されたものなのです。

生理の終盤、私たちの体の中では女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されます。

エストロゲンは肌のハリや髪のツヤといった美容に欠かせないホルモンです。

しかし、分泌量が多すぎると子宮内膜を過剰に厚くします。

 

子宮内膜が厚いということは、月経血の量が増えるということです。

これが過多月経につながり、ほかにも酷い生理痛や不正出血を引き起こす可能性があるのです。

 

つまり子宮内膜増殖症とは、エストロゲンへの過剰反応による子宮内膜の異常増殖なのです。

 

子宮内膜増殖症には3つのタイプがある

子宮内膜増殖症には3つのタイプがあります

 

1)単純性子宮内膜増殖症

2)混合性子宮内膜増殖症

 

このふたつは7~8割の患者が経過観察をしているうちに自然消滅しており、特に問題ないとされています。

やっかいなのは、3つ目のケースです。

 

3)異型子宮内膜増殖症

 

細胞に異型が認められたケースです。数年後には、約30%が子宮体癌に発展すると言われてます。

閉経後に見つかった場合はその可能性が高まるので、頻繁に検査を行うか、子宮全摘を考慮する必要があるとされています。

子宮内膜増殖症の原因は?

エストロゲンの過剰分泌を引き起こすきっかけになる、肥満や月経異常、卵巣機能の低下のほか

ストレスなどによるホルモンバランスの乱れ、エストロゲン剤の単独使用が原因となります。

 

子宮内膜増殖症の検査は?

子宮内膜増殖症は超音波検査によって発見が可能です。子宮内膜の厚みに異常がある場合は、細胞診や組織診を行います。

確定診断は組織診です。また場合によっては、子宮内膜全面掻爬(麻酔が効いた状態で子宮内膜を全面削り取る)を行います。

 

早期発見のポイントは 「不正出血が続く」、「経血量が明らかに増えた」 という症状が見られたら、すぐに婦人科へ行くことです。

年齢や症状、妊娠希望の有無などによって治療方法はさまざまです。

異型の見られない 「単純性子宮内膜増殖症」と「混合性子宮内膜増殖症」 の治療は経過観察がほとんどです。

ただし、卵巣機能の低下で排卵障害が起こっている場合は排卵誘発療法を行います。

またプロゲステロン(もうひとつの女性ホルモン)の投与を行う場合もあります。

 

「異型子宮内膜増殖症」 の場合は子宮全摘術を行います。ただし、妊娠を希望する場合は子宮内膜全面掻爬をした上で高用量のプロゲステロン剤によるホルモン療法を行います。そして3か月ごとに再検査を行い、経過を見ていきます。

子宮内膜増殖症と子宮内膜症の違い

これまでの解説の通り、子宮内膜増殖症は子宮内膜の異常な増殖です。これは子宮の中でのみ、起こります。

一方の子宮内膜症は、子宮以外の場所で子宮内膜に似た組織が増殖する病気です。その場所は卵巣や腹膜などさまざまです。

名前は似ていますが、全く違った病気なのです。

さいごに

「子宮内膜増殖症」という病名を初めて聞いたという方も多かったのではないでしょうか?

 

しかし、酷い生理痛や経血量が多いことによる慢性的な疲労感、だるさや貧血は多くの女性が経験していると思います。

“実は病気のサインだった!”ということもあるので、症状がずっと続いたり、どんどん悪化して気になるという場合は迷わず早めに婦人科へ行きましょう。