妊娠希望カップルの10%が不妊症。その半数の女性に子宮内膜症が・・

現在、妊娠を希望するカップルの10%は不妊症と言われています。

そして不妊症の女性に腹腔鏡検査 (お腹の中をモニターで見る検査) を行った結果、約半数に子宮内膜症が見つかっているのです。

これは重い生理痛をはじめとする、自覚症状が全くない場合でも同じです。

それだけ子宮内膜症は、女性にとって他人事ではない病気になっていることが分かります。

子宮内膜症の検査には内診や超音波検査などがありますが、病巣を直接見るまで確定診断はできません。

これが可能なのは、腹腔鏡検査のみとなっています。

不妊治療において、早めに腹腔鏡検査を受けることは2つの理由から効果的とされています。

・子宮内膜症以外の病気ではないか確認する

・早めに病巣をとれば妊娠力がアップする

とはいえ、手術というと大がかりな気がして決断するにも勇気がいる・・と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、腹腔鏡検査(手術)とはどんなものか詳しく見ていきたいと思います。

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重い生理痛だから子宮内膜症とは限らない、病気の鑑別に腹腔鏡検査は不可欠

不妊に悩んでいて、生理痛が重いから子宮内膜症とは限りません。

骨盤内炎症や骨盤内癒着といった別の病気の可能性もあります。

不妊の原因を見つけて妊娠へ繋げるには、どの病気か的確に判断して最適な治療を行うことが大切です。

腹腔鏡検査は、そのために最も効果的な検査となります。

また腹腔鏡検査で子宮内膜症が見つかった場合、即座に治療ができます。

さらに腹腔内を生理食塩水で洗浄し、異常な腹水も取り除くので妊娠しやすい環境が整うこともメリットです。

妊娠希望の場合は、早めに腹腔鏡手術を受けることをお勧めします

腹腔鏡手術を受けた後、妊娠する確率がどれくらい上がったのか?

それは年齢によって大きく異なります。

30歳以下の場合

・・手術の20か月後の妊娠率は60%。60か月後には80%を超えます。

31~35歳の場合

・・手術後20数か月あたりで50%になり、40か月後あたりで60%になります。

一方で36歳以上の場合は確率が大きく下がります。

36歳以上の場合

・・10数か月後まで確率は0%で、20か月後に10%ほどになります。

30か月を過ぎたあたりから20%に回復しますが、その後の上昇は見られません。

これは卵子のエイジングの影響と考えられます。

手術に抵抗がある場合、ホルモン剤による薬物療法が行われますが療養期間中(約半年)は妊娠ができません。

また鎮痛剤で痛みを抑えながら妊娠を目指す方法もありますが、別の病気だった場合は無効となります。

こうした点や卵子のエイジング面からも、手術が最も確実で短時間で済む治療方法だと考えられます。

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子宮内膜症の腹腔鏡手術、手術時間や術後の経過は?

手術は症状を取り除くと同時に、体への負担があるものです。

手術を受けようと思っても、術後の経過が心配だという方も多いと思われます。

そこで最後は腹腔鏡手術の手術時間や術後の経過について解説します。

腹腔鏡手術は症状の進行度によって手術時間が変わってきます。

初期のものは15~30分であるのに対し、進行したものは長くて120分かかるケースもあります。

麻酔が切れた直後はどうしても痛みが生じてしまいますが、鎮痛剤を処方してもらうことが可能です。

発熱など不安な症状が生じた場合は、我慢せずに相談しましょう。

時間の経過とともに痛みはなくなり、術後2日目には普通食を食べたり、シャワーを浴びることができる場合がほとんどです。

病院によりますが、4~6日後には退院ができます。

水分を多く摂ったり、足を動かすことを意識して、なるべく歩いたり、ベッドでも足首を動かすと回復を助けます。

さいごに

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子宮内膜症による不妊治療のひとつである腹腔鏡手術について見ていきましたが、いかがでしたか?

手術を受ける場合は入院前の準備や回復期間などで時間を要します。

パートナーや主治医と相談しながら、スケジュールを立てていきましょう。