漏斗胸(ろうときょう)とは

「漏斗胸(ろうときょう)」は先天的な骨の形成異常で、胸椎(きょうつい)、肋骨(ろっこつ)、胸骨(きょうこつ)など胸郭(きょうかく)が内側に陥没している状態です。

生まれたときから胸の中心とお腹の境目に「へこみ」が見られますが、小さい頃はへこみに気が付かないこともあり健診で指摘されるケースもあります。

3歳頃になるとへこみが目立ってきて小学校から中学校にかけて胸の形は少しずつ変化し、多くは変形が進行します。

比較的男の子に多く見られ、へこみは左右同じような場合と左右の形が違う場合があります。

ほとんどは健康に支障がないものが多いのですが、へこみが大きい場合は健康に影響が出ることがあるため注意が必要です。

漏斗胸の影響は?

■肺機能

胸がへこんでいることで肺の容積が少なくなり、気管や気管支も狭くなるため空気の通りが悪くなります。

肺活量も少なくなるため、かぜを引いたときなどは、ぜーぜーしやすくなったり咳が長引いたりすることがあります。

■心機能

胸のへこみのちょうど真下に心臓があるため、へこみが強いと心臓が押され、位置と形が変わってきます。ほとんど心機能には影響がないといわれますが圧迫の程度により、まれに弁膜症(心臓の弁に異常が出る)ことがあります。

■外見上の問題

成長によって皮下脂肪がつくことによって外見的にはよくなったように見えますが、骨の変形が治ったわけではありません。

年齢が低い頃は親御さん本人も、それほど気にならないのですが、プールなどの集団行動の際、他の子との違いが分かり、またからかわれてコンプレックスを持つなど、成長するに従って外見上の問題で精神的な悪影響が大きいといえます。

漏斗胸に見られる主な症状は?

▶やせ形で胸板が薄い
▶猫背の姿勢
▶食が細く体重が増えないことが多い
▶食後に吐くことが多い
▶疲れやすい、息切れしやすい
▶かぜから気管支炎や肺炎になりやすい
▶いびきをかくことが多い
▶胸の痛みを伴うことがある

これらの症状には個人差があり、特に日常生活に支障がない場合もあります。

軽症の場合は運動で軽快の可能性も

軽いへこみの場合は自然に治る場合もあるため、医師からは様子を見ましょうと言われることもあります。

また特別なエクササイズや水泳など、胸の筋肉を鍛えることで軽快することもあります。

健康に影響がある場合は手術も

中程度~重度の漏斗胸は、肋骨の変形が自然に治ることはないため、成長するに従い深刻になることがあります。

胸のへこみが強く、健康上の障害がある際には手術療法が必要になる場合があります。

ただしあまり年齢が低いと肋骨が柔らかすぎ、年齢が高くなると今度は骨が硬くなるため、手術においては、年齢、変形の程度、術後の矯正の程度、傷跡など、リスクも含めて総合的に考える必要があります。

手術については、医師とよく話し合った上で検討します。

さいごに

漏斗胸については、健康上に障害が無ければ治療をする必要はないといわれていますが、外見上の問題を気にし始める頃から思春期に悩みが深刻になることで手術を検討するケースが多く見られています。そのような場合、まずは子どもの気持ちをよく聞いてあげることが大切です。