月経不順が続いていたり生理がきても無排卵だったり、不妊に悩んでいたり。。。

そのような悩みを持っている方が病院に行った際に受ける治療は主に「排卵誘発剤」を使った治療です。

毎月生理はきているけど排卵がない無排卵月経みたい。。。ストレス社会の現代では、何かとストレスを溜めこんでしまう人が多くそれが月経不順へと影響してしまいます。中でも無排卵月経に悩んでいる人は多く、放置していると今後妊娠することが難しくなってしまう可能性もあります。だけど無排卵月経を排卵のある正常な月経に戻す治療ってどんなことをするの?費用はどれぐらいか

しかし、排卵誘発剤の治療によっては「卵巣過剰刺激症候群」という病気を引き起こしてしまう可能性もあります。

卵巣過剰刺激症候群とはどういう症状なのでしょうか。その原因や治療法などについてみていきましょう。

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卵巣過剰刺激症候群とは?

卵巣過剰刺激症候群とは「ovarian hyperstimulation sydrome」を略して「OHSS」とも呼ばれます。

卵巣過剰刺激症候群とは、無排卵月経や不妊治療の際に排卵を促すために使われる排卵誘発剤によって、卵巣が膨れ上がるなどの様々な症状が出てくることをいいます。

卵巣は親指ほどの大きさ(3~4センチ)ですが、排卵誘発剤によって卵巣を過剰に刺激することにより、卵胞を多数発育させて卵巣全体を倍以上にも腫大させてしまうこともあります。

また血管内の水分が血管外に漏れ出して、腹水や胸水(内部に漏出液や血液などが貯留した状態)などを同時に引き起こすことが多いとされています。

卵巣過剰刺激症候群は軽傷から重症までありますが、重症化すると腎不全や血栓症、呼吸不全などの合併症までも起こしてしまう可能性があるので注意が必要です。

卵巣過剰刺激症候群ってどんな症状?

自分でわかる初期症状としては、

・腹部膨満感

・腹痛(主に下腹部)や腰痛

・吐き気

・体重増加

・尿の量が減少

・のどがやたら乾く

・下痢

・息苦しい

などの症状を感じるようになります。

病院では、腹水や胸水の他に卵巣の腫大や、血液検査でヘマトクリット(血液の濃度を表す値で40~45%が正常値)などの値を検査します。

軽傷の場合はお腹の張りを少し感じるぐらいですが、重症化するにつれて卵巣が膨れ上がり、お腹に水が溜まってお腹がぽっこりと出てきて腹水などを起こします。

卵巣が10センチ近くまで腫大化しているほどに重症化している場合は入院を必要とします。

そのときは同時に腹水や胸水も大量に発生していたり、ヘマトクリットの濃度は45%以上になって全身浮腫なども起こしている可能性があります。

最も重症化するとヘマトクリット55%以上、呼吸困難や急性腎不全、血栓塞栓症などを起こし、卵巣が壊死したり、最悪の場合死に至る危険性もあるので早めの診断と治療が必要です。

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卵巣過剰刺激症候群の原因って?

卵巣過剰刺激症候群を発症させる原因は排卵誘発剤の使用によるものです。

排卵誘発剤は飲み薬として服用するタイプと注射治療するタイプがありますが、原因となっているのは強力な注射製剤によるものです。

注射製剤として使われるhMG-hCG(ゴナドトロピン製剤)療法の製剤は、卵巣に刺激を与えて卵巣の働きを活発にさせますが、卵巣内の卵胞を一気に成長させてしまうので卵巣が腫大し、表面の血管から水分が腹腔内へ漏れ出てしまうことが原因となります。

排卵誘発剤を使っていてもhMGやhCGの製剤を使用していなければ卵巣過剰刺激症候群を発症することはごく稀にしか起こりません。

また卵巣過剰刺激症候群になりやすい人の特徴として、

・35歳以下の若い人

・やせ型

・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状がある

・前に卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になったことがある

などの要因があると発生するリスクが高くなります。

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卵巣過剰刺激症候群の治療法は?

排卵誘発剤としてhMGやhCGの製剤を使用している場合はその中止を検討しましょう。

hMG製剤は、卵巣に直接働きかけて卵胞を育てて排卵させる作用を持ちますが、含有する卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の成分のうちLHの成分を多く含むものが多いです。

ですので、LH成分を含まない「FSH製剤」と呼ばれる低用量漸増投与法に変えれば、発症する確率は格段に下がるので有効的とされています。

卵巣過剰刺激症候群だと診断されてもほとんどは軽症の場合が多く、外来通院して安静にしていればいずれ快方に向かうことが多いとされています。

中等症以上の場合は、尿の量や血液検査、超音波検査などから程度を判断して必要に応じて入院を必要とすることもあります。

治療では体内の水分量のバランスを保つことが大切だと考えられているため、尿の排出量と水分の摂取量とのバランスを保って、腹水を増加させないようにします。

腹水を抜く必要がある場合は、静脈内に再還流する方法などの治療が慎重に行なわれます。

もし重症の状態で妊娠が成立した場合は、さらに重症化することを避けるために妊娠中絶の選択を余儀なくされることもあります。

膨らんだ卵巣にこれ以上刺激を与えないように、安静にして症状が治まることを待つことがまず大切だとされています。

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さいごに

妊娠することを目的として排卵誘発剤を使いたいのに、その排卵誘発剤が原因で卵巣の病気を引き起こしてしまう可能性もあるなんて難しい話ですね。

しかし、妊娠するためには自分の体の特徴を知って乗り越えなければならないこともあります。

この病気は早期発見が大切です。今後のためにも自分の体は大切にして、気になることがあったら早めに病院を受診しましょうね。