「ピロリ菌」という名前は知っている人は多いと思いますが、自分にピロリ菌がいるかどうかを知っている人は少ないと思います。

またピロリ菌が胃の中にいるとよくないということも知っていると思いますが、ピロリ菌は一体いつの間に胃の中に住みくのでしょうか。

 

ピロリ菌の感染の時期、感染経路、体への影響などピロリ菌についての基本を知っておきましょう。

 

ピロリ菌とは?

ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)」といい、胃の中に住みついている細菌です。

ヘリコ=らせんじょう、バクター=細菌、ピロリ=胃の出口付近の幽門(ピロルス)という意味で、ピロリ菌は大きさが3~4ミクロン程度のらせん状をしており、素早く回転しながら胃粘膜の表面を自在に動き回ります。

 

長い間、胃には胃酸による強い酸性のため細菌は住めない、生きていけないと考えられていましたが、1980年代にオーストラリアの医師たちによって報告され知られるようになりました。

なぜ胃の中で生きていられるのか

ピロリ菌は胃酸に耐えて生きていくために「ウレアーゼ」と呼ばれる酵素を吐き出します。

この酵素は胃粘液の成分である尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解します。

アンモニアはアルカリ性のため、ピロリ菌の周りは強い酸性の胃酸を中和させます。

こうして自分の周りにバリアを作り胃酸から身を守っているため、胃の中で生きていらるのです。

ピロリ菌感染による主な病気

菌が出す毒素によって胃の粘膜が炎症を起こし、その状態が長く続くことによって様々な胃の病気が発症します。

 

▶慢性胃炎

▶胃潰瘍、十二指腸潰瘍

▶萎縮性胃炎

▶胃がん

 

胃潰瘍の7割~8割、十二指腸潰瘍の9割以上、胃がんも多くの場合、ピロリ菌が関わっていることが明らかになっています。

 

ピロリ菌に感染すると全員が胃の病気になるわけではありませんが、胃の病気のリスクが高くなり、中でも最も怖いのは胃がんの発症です

 
 

ピロリ菌感染の影響と症状

小児期に胃がんになることはほとんどありませんが、一度感染すると自然になくなることはなく、除菌しないと一生胃の中に住み続けるため、胃の病気のリスクは高まります。

ピロリ菌感染により胃潰瘍や十二指腸潰瘍を合併すると、腹痛、吐き気、消化管出血、体重増加不良などの症状がでます。

ただしピロリ菌感染があっても無症状のこともあり、ピロリ菌感染の有無と症状は必ずしも一致しないため、症状や病気が見つからない限り気が付かないケースが多くあります。

ピロリ菌の感染経路と感染者数

ピロリ菌の感染経路は、水や食べ物などによる経口感染が主な原因です。

 

日本では国民の半数にあたる約6千万人が感染しています。

実に2人に1人は感染していることになります。

ただし、ほとんどの人は感染に気付かずに過ごしています。

 

感染は世代によって大きく変わり、今の若い世代は2~3割と低いのですが、50代以上では7~8割が感染しているといわれています。

この年代に感染者が多い理由は、幼少期に上下水道が整備されておらず衛生状態の悪い環境で成長したことにあるといわれています。

 

その後は上下水道などが整備され、衛生状態も良くなったため、日本においては今の若い世代は感染しにくくなりました。

ただし新たな感染経路として「家族間感染」が挙げられます。

そのため乳幼児には注意が必要です。

 

ほとんどが0歳~5歳までに感染

ピロリ菌感染は、免疫力が弱い0歳~5歳までの乳幼児期に「経口感染」によって感染します。

これは幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生き伸びやすいためです。

 

現在は水道水などからの感染はなく、小さい子供に親が食べ物をかみ砕いて口移しであげることが原因とされています。

 

親がピロリ菌に感染していても自覚症状がないことが多く、気が付かないうちに子どもに移っているということです。

乳幼児が胃炎を起こした際、その多くに親にピロリ菌があることが確認されています。

 
 

大人になってからは感染しない?

ピロリ菌感染のほとんどは、免疫力のない乳幼児期に感染するため、大人になってからは感染しないといわれています。

そのため夫婦間や恋人間でのキス、コップの回し飲みなど、日常生活ではピロリ菌は感染しないと考えられています。

 

問題は幼少期に感染し、ピロリ菌を保有していることに気が付かないことで、親から子への家族感染を起こしてしまうということです。

乳幼児には口移しでものを食べさせることをしないよう注意が必要です。

 

子どものピロリ菌感染は除菌したほうがいいの?

ピロリ菌は乳幼児期から長い間住みついていると、胃の粘膜を傷つけているため、高齢になってからの除菌はリスクを下げることが難しいとされています。

そのためなるべく若いうちに除菌をすすめられていますが、あまり早すぎると、小さいうちはなかなか抗体ができず「偽陰性」になるケースや、後で再感染するケースがあるといわれます。

 

乳幼児で胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍がある場合でピロリ菌が発見された場合は、除菌治療をした方がよいでしょう。

状態により医師と相談しましょう。

 

もし何も症状がない場合には、将来の胃がんのリスクを減らすためにも、20歳を過ぎたら検査を受けることがよいとされています。

 

詳しい検査方法と除菌費用はこちらを参考にして下さい。

 

 

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、現在国民の半数にあたる6000万人が保有しているといわれています。0~5歳の頃の子供の頃に感染する可能性が高く、除菌しない限り一生涯胃の中に生息し続け、胃がんのリスクを高める危険な細菌です。



親が感染していると乳幼児に感染する可能性が高いため、感染予防が大切になりますが、もしかしてすでに子どもに

 

 

おわりに ~乳幼児はまず感染させないことが大切です~

ピロリ菌は親が感染していると0~5歳の頃の乳幼児に感染する可能性が高く、気が付かずにいると一生胃の中に住み続け、大人になってから胃のトラブル、または胃がんなどを引き起こす可能性があるしぶとい細菌です。

今の時代は家族間感染が主な原因のため、ピロリ菌を親から子へ受け継がせないことが大切です。