手首が痛い…これって腱鞘炎?

育児中のママの中には「手首が痛い…」という悩みをお持ちの方が多いようです。

毎日、赤ちゃんを抱っこするだけでなく、料理や洗濯などの家事で手首を酷使したり、買い物で重い荷物を持ったり…

「この痛みが《腱鞘炎》なの?」

そんな疑問をお持ちの方に、まず、あなたの痛みが腱鞘炎なのかどうか、判断する方法をお伝えします。

正式名称は「狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)」

手首の腱鞘炎の正式名称は、「狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)」。
手首には、親指の動きを司る《腱》が2本あり、腱の動きをスムーズにするための《鞘(腱鞘)》に覆われています。その鞘に炎症が起こって腫れてしまい、腱を圧迫することによって生じる痛みが「狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)」です。

腱鞘炎になると、手首の親指側の突起が痛み、ひどい場合には赤く腫れ上がります。
突起部分を押すと痛みがあったり、親指を握り込んだ状態で手首を小指側に曲げたとき、強い痛みがあれば、あなたの症状は《腱鞘炎》だと言えるでしょう。

育児中の女性に腱鞘炎が多い理由

赤ちゃんを抱くとき、手首や腕に力を入れすぎている

手首の痛みで医師のもとを訪れるママの多くは、初産を終えたばかりの方。1人目のお子さんで抱き方も慣れていないため、手首や腕に余計な力を入れすぎてしまっていたり、不自然な体勢になってしまったりするようです。


(image by PhotoAC)

子育てが進むにしたがって負担がかからない抱き方を覚えていくのか、2人目以降のお子さんを育児中のママになると、腱鞘炎で悩む方の割合はぐっと減るそう。

■ 心当たりがある方は…
赤ちゃんを抱くときに力みすぎず、腕全体をつかって抱えることと、できるだけ楽な体勢で抱っこすることを意識してみてください。長時間の抱っこを避け、授乳も添い寝をしながら、などの工夫をしてみてください。

出産後のホルモンバランスの影響

育児中の抱っこや家事による手首の酷使のほかに、出産後のホルモンバランスの乱れも関係があると言われています。

出産後には、出産のためにゆるんだ子宮や骨盤を元の状態に戻そうと、女性ホルモンの一種「プロゲステロン」が分泌されます。このプロゲステロンが、出産と関係のない手首の腱や鞘にも影響し、鞘の隙間が狭くなることで摩擦が起こりやすくなり、腱鞘炎を引き起こしてしまうのです。

■ 心当たりがある方は…
出産後のホルモンバランスの乱れは、おおよそ産後半年〜1年程度で落ち着くと言われ、それにともなって腱鞘炎も治っていくケースが多いようです。

ホルモンバランスを整えるため、まず気をつけるべきなのは食事。野菜を中心とした栄養バランスのとれた食事を、毎日決まった時間にとるようにしましょう。血行をよくしてくれる女性ホルモンの一種「エストロゲン」と似たはたらきを体内でしてくれる「イソフラボン」を多く含む大豆食品もおすすめです。

そして、自律神経の調子を整えるために散歩などの軽い運動を行うようにしましょう。
ストレスをため込みすぎないよう、自分なりにリフレッシュできる時間を意識的に設けることも大切です。

「今」の痛みを乗り切るためのアイテム

育児中の腱鞘炎は、お子さんを抱っこする時期が過ぎれば治っていくケースがほとんどです。
痛みを和らげるには関節を動かさないことが一番ですが、そうは言っても毎日の育児や家事を休むわけにはいかず、

「とにかく、今の痛みをどうにかしないと!」

そんなふうに焦っている方もいらっしゃると思います。
痛みに効果のある外科治療としてはステロイド注射などがありますが、授乳中には避けたい…という方も多いはず。

以下に、外科治療以外の対処療法として、腱鞘炎の痛みを和らげてくれるアイテムを紹介しています。
自分に合ったものを選び、上手に活用してみてくださいね。

アイテム① テーピング

テーピングの目的は、患部を固定すること。親指の動きをテープで制限し、筋肉が動くことによる痛みを抑えます。
薬局にはさまざまな幅のテーピングがありますが、女性には3cm幅のものが適当でしょう。手が大きめな方は、4cm幅を選んでみてください。

手を握手のために差し出すようなかたちにし、親指の第一関節から、手首の親指側の突起にかけての延長線上に20cmほどテープを貼ります。最初に貼ったテープに重ねるかたちで、もう2方向、左右に交差させて20cmほどテープを貼ります。3方向のテープを交差させる場所は親指の第二関節です。親指の根元を巻き込むようにし、しっかり固定しましょう。

手首の腱鞘炎時のテーピングの方法にはさまざまなものがあります。
テーピングを購入する際に薬局の薬剤師などに相談し、症状に合った正しい貼り方を教わってみてください。

アイテム② 医療用サポーター

テーピングを正しく貼れる自信がないという方におすすめなのが医療用のサポーターです。

着脱も簡単ですので、洗い物などの水仕事が多い育児中のママにはぴったり。
病院だけでなく、薬局でも購入することができます。

手首用サポーター 手首安心 ブラック-F

アイテム③ 湿布

湿布には、患部を冷やす冷湿布と、温める温湿布があります。
腱鞘炎の痛みの緩和に湿布を活用する場合、このふたつをタイミングごとに使い分けることが大切。

まず、痛みはじめの「急性期」には、冷湿布を貼って患部を冷やしましょう。
急性期には筋肉が熱を持ち、炎症を起こしている状態です。この熱をクールダウンさせることで炎症を抑え、痛みを和らげることができます。消炎鎮痛成分である「インドメタシン」配合の冷湿布なら、痛みを抑える効果がさらに強いはず。

腱鞘炎の痛みが慢性化している場合、温湿布で患部を温めることをおすすめします。
慢性化した痛みによって筋肉はコリかたまり、血行が悪くなってしまっています。温めることで血行をよくすれば、痛みやだるさの原因にもなる老廃物が流れていきます。筋肉や細胞がほぐれれば、自然治癒力も高まっていきます。

アイテム④ 塗り薬タイプの鎮痛・抗炎症剤

鎮痛・抗菌成分であるロキソニンジェルやフェルビナク配合の塗り薬が薬局で購入できます。
経口の鎮痛剤と違い、母乳への移行はほぼ気にする必要はないでしょう。ただ、塗り薬を塗った患部を赤ちゃんが舐めてしまわないよう、注意してくださいね。

おわりに

対処療法としてのアイテム活用法をお伝えしましたが、手首の痛みを和らげるには、やはり、できるだけ動かさないことが一番。

育児をひとりで抱え込まないよう、家族や周囲に積極的にSOSを出し、重い荷物は持ってもらったり、洗い物を代わってもらったりしましょう。

また、箸を使うと親指の筋肉に負担がかかるため、食事をフォークとスプーンに切り替えたり、食材の皮むきは包丁ではなくピーラーを活用する、といった工夫もおすすめです。

お子さんが大きくなり、抱っこする機会が減っても腱鞘炎の症状が治まらないという場合、何かほかの原因があると考えられますので、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。あまりにも症状がひどく日常生活に支障をきたす場合、ステロイド注射とともに、腱鞘切開手術という最終手段もあります。

今回ご紹介した方法によってあなたの痛みが和らぎ、育児中の負担が少しでも減ることを祈っています!