「けいれん(ひきつけ)」は、夜間に救急で子供が運ばれてくる中で、最も多い症状です。

目の前でわが子がけいれんやひきつけを起こしていたら慌ててしまうのは当然ですが、まず家でやるべき対処が非常に大切です。

けいれん(ひきつけ)は、起きる原因によって対処法や治療法が異なります。いざという時のためにけいれん(ひきつけ)の対処の基本を覚えておきましょう。

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「けいれん・ひきつけ」は病名ではなく「症状」です

「けいれん」と「ひきつけ」は同じ意味です。これに「てんかん」がよく混同して使われます。

けいれん(ひきつけ)が起きると、てんかんが起きたと思うことが多いようですが「けいれん」と「ひきつけ」=症状を表す言葉で、「てんかん」=病名です。

てんかんの症状の一つにけいれんやひきつけがあるということです。

例えば鼻水が出る=症状で、鼻炎=病名です。ただし鼻水が出るという症状は、他にも、かぜや副鼻腔炎など色々あります。

このことから、けいれんやひきつけを起こすものにも色々な原因があり、その原因によって対処や治療法が異なるということです。

熱が出るけいれん、熱が出ないけいれん

けいれんには、大きく分けて、「熱が出る」ものと「熱が出ない」ものがあります。

代表的な病気で見ていきましょう。

熱が出るけいれん

■熱性けいれん

38度以上の高熱の際、熱の上がり際にけいれんを起こします。

また、かぜやはしか、突発性発疹、尿路感染症など、高熱が出る時に起こりやすくなります。

3歳以下にはとても多く見られ、通常の熱性けいれんは治まれば後遺症などの心配は要りません

■髄膜炎・脳炎・脳症

高熱、頭痛、嘔吐を伴い、けいれんと意識障害が見られます。大至急受診が必要です。

■熱中症

直射日光や高温の状態に長時間いたために、呼吸が弱く名前を呼んでも反応がなくけいれんを起こします。

熱が出ないけいれん

■憤怒(ふんぬ)けいれん

「泣き入りひきつけ」ともいわれます。

かんしゃくを起こしたり、激しく泣いたり、急にびっくりしたときなどに起こすけいれんで、通常は1~2分で治まります。

特別な治療は必要ありません。

■てんかん

手足などの部分的なけいれんが起こる場合と、全身症状を伴い突然意識を失うことがあります。

■光過敏性てんかん

テレビやゲームをしている時にけいれんを起こします。色や光、画像などに誘発されるケースで起こります。

■脳腫瘍・水頭症

激しい頭痛や嘔吐を伴い、手足のけいれん、まひ、意識障害などを伴います。

このように、様々な病気の症状の一つとしてけいれんが起こります。

けいれん(ひきつけ)が起きた時は全身状態の観察を!

けいれんが始まったら大切なのは周りが慌てないことです。通常けいれんは1分から5分以内には治まりますが、5分以上続くときには至急病院へ連れていく必要があります。

まず以下のことを観察しましょう。

▶顔色、唇の色

▶目つき、目の動き

▶手足の動き、けいれんが体の片側か両側か

▶吐き気・嘔吐はあるか

▶呼吸、息づかい

▶脱力しているか、力が入っているか

▶熱はあるか(熱を測る)

▶何分間続いたか

慌てずに、これらを確認しましょう。

こんなときは至急病院へ

以下のような場合は救急車を呼びましょう。

■初めてけいれんを起こした時

■5分以上けいれんが続いた時

■続けてけいれんを起こした時

■発作の様子がおかしい

このような場合は大至急病院へ連れていきましょう。その際、マイカーでの受診はあまりおすすめできません。

慌てて事故になるケースが多くあります。特に夜間や休日などは救急車に委ねる方が安全です。

救急車を呼ぶ時も落ち着いて対処しましょう。

けいれんが起きた時の対処法

けいれんが起きたら、以下の点に注意して対処しましょう。

●オムツや衣服を緩める

●安全な場所で安静にさせる

●揺さぶったりしない

●手足をおさえたりしない

●舌をかむのを防ごうと口に指や物を入れない

●嘔吐がある時は、吐いたものが気管に入らないように横向きに寝かせる

これらは冷静にならないとできないことです。通常けいれんを起こしたからといってすぐに命を落とすことはありません。

逆に慌てて正しい対処ができないことが危険です。対処のポイントを覚えておきましょう。

おわりに

乳幼児の場合、病院に着いたらけいれんは止まっている、というケースも多いようです。

それだけ子どもにけいれんはよく起こるため、けいれんの基礎知識と対処法を知っておきましょう。