ストロフルスは赤ちゃん特有の虫刺され
「ストロフルス」は、強いかゆみを伴う虫刺されから広がる発疹のことで、小児ストロフルスまたは急性痒疹(きゅうせいようしん)とも呼ばれます。
赤ちゃんや子どもの虫刺されは、大人に比べて重症化しやすいため注意が必要です。特にストロフルスは、生後間もなくから1歳~2歳頃に多く見られる乳幼児特有の病気です。
5歳~6歳頃にはみられなくなり、うつる心配はありませんが、たかが虫刺されと思っても乳幼児にはつらい症状となるため予防がとても大切です。
ストロフルスの原因
赤ちゃんは虫に対する免疫力がないため、虫に刺された後に皮膚がアレルギー反応を起こすと考えられています。
ノミ、ダニ、蚊などに刺された後に発疹が発生することから、虫の唾液に含まれている成分に対する過敏反応が原因とされています。
また、アレルギー体質の家系やアトピー体質であることも原因のひとつです。成長するにつれて免疫力も備わってくるため、多くは学童期には改善していきます。
ストロフルスの症状
ストロフルスは、虫刺されの後に以下の症状がみられます。
・手足を中心にふくらみのある丘状の赤い発疹
・強いかゆみ
・水疱(水ぶくれ)や膿疱
・引っかくことによりとびひに発展することがある
・発熱することもある
・不機嫌、食欲不振、睡眠不足
・2週間程度で茶色いしこりになり軽快する
痒いところをかきむしることで二次感染を起こし、とびひやリンパ節炎などを続発することもあるため注意が必要です。
ストロフルスの治療
皮膚科やかかりつけの小児科を受診します。症状が強い場合は血液検査を行うことがあります。
ステロイド・抗ヒスタミン薬
皮膚科では抗炎症作用の強いステロイド外用薬が処方されますが、感染を伴う場合には、抗菌薬の外用薬か内服薬を併用します。
強いかゆみに対しては、かきむしりを予防するためにも、かゆみ止めの抗ヒスタミン薬が処方されます。
注意点はかゆみが止まったからといって治療をやめないことです。きちんと治療しないとまたかゆみが現れ、繰り返していると慢性化してしまいます。
必ず皮膚科医の指示に従いましょう。
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日常の予防と注意点
●丹念な掃除で室内のダニやノミを除去する
●蚊の多い場所や草むらなどへ行くときは、長そで、長ズボンを着る
●室内でも蚊に注意する
●赤ちゃんにも専用の虫よけスプレーなどを使用する
●手を常に清潔に
●虫にさされたところは引っかかないように爪を短く切る
●洗濯物を取り込む時には虫がついていないか気をつける
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おわりに
赤ちゃんや小さな子どもはかゆみを我慢することができず、かきむしることで二次感染を引き起こすケースが多くみられます。
特に春から夏はうっかりするとすぐに蚊などに刺されてしまうため、免疫のない赤ちゃんには虫刺されを避けるための予防が重要ですね。