妊活中の方は要注意!妊娠前の母親の体型が子どもの免疫系に影響します

はじめに

妊娠中の肥満は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクを高めるほか、喘息や将来の心臓病、Ⅱ型糖尿病リスクの増大など、生まれてくる赤ちゃんの健康にも影響することがわかっています。

では、一体いつごろから母親の体型が赤ちゃんの健康に影響するのでしょうか?
カリフォルニア大学リヴァーサイド校で行われた研究によると、母親の肥満は赤ちゃんの人生の始まりからすでに、免疫系への悪影響として現れているようです。

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肥満の母親から生まれた赤ちゃんの免疫細胞は抗原に対する反応が弱い

カリフォルニア大学リヴァーサイド校医学部でバイオメディカルサイエンスを専門とするIlhem Messaoudi准教授らは、ポートランド州オレゴンの39組の新生児とお母さんを対象とし、臍帯血(さいたいけつ)を分析することにより、妊娠前の母親の体型が新生児の免疫系に影響することを発見しました。
論文はPediatric Allergy and Immunology誌に掲載予定です(PubMed)。

被験者となった39人の女性は全員非喫煙者で、糖尿病患者はなく、満期産で双子や三つ子でない赤ちゃんを出産しました。
妊娠前のBMIからお母さんたちを適正体重(11人)・過体重(14人:BMI25~29.9)・肥満(14人:BMI30以上)の3グループに分類し、出産後に臍帯血の血球や免疫細胞などを分析したところ、白血球の中でもっとも大きな「単球(Monocyte)」と単球が変化した「樹状細胞(Dendritic cell)」という免疫細胞が、肥満体のお母さんから生まれた赤ちゃんでは適正体重のお母さんに生まれた赤ちゃんと比べ、細菌抗原に対して反応しないことを発見しました。

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また、リンパ球の一種の「CD4-T細胞」(ヘルパーT細胞)や、白血球の一種でアレルギー反応の制御を行ない喘息の病理にかかわる「好酸球(Eosinophils)」の数も肥満の母親に生まれた赤ちゃんでは有意に少ないことがわかりました。このことが、妊娠中に母親が肥満だった場合の、子どもの将来の喘息罹患率の高さにつながっているかもしれません。

今回の研究は妊娠中の母親の肥満と新生児の免疫系を結びつける初めてのもので、免疫系への影響は出産直後にすでにあらわれていることを示し、その影響は一生続く可能性を示唆しています。

これは、ワクチンや喘息の抗原(アレルゲン)への赤ちゃんの反応を変えてしまう可能性があるとMessaoudi准教授は語っています。「通常、生後2年間の間に子どもは多くのワクチン接種を受けます。肥満のお母さんから生まれた乳幼児では生後2年間のワクチンへの反応も弱まっているのでしょうか?肥満の母親から生まれた子どもへのワクチンの頻度を変えるべきでしょうか?ワクチンの量や回数を検討しなおすべきでしょうか?といった疑問が出てきます」

妊娠してからでは遅い?妊活中のプレママも、体重管理に取り組みましょう!

肥満は妊娠の可能性を低くするだけでなく、妊娠糖尿病や子癇(しかん:出産前後に異常な高血圧と共に痙攣や意識喪失、視野障害を起こすこと)、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり:分娩前に胎盤が子宮壁から剥離すること)のリスクも高めます。
妊娠を望む女性に対し、医師たちは喫煙や薬物乱用、アルコールなどのリスクとともに、体重管理の重要性についても説明すべきとMessaoudi准教授は語っています。

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食欲・嗜好の変化や激しい運動が制限されるなど、妊娠してからのダイエットはなかなか難しいもの。妊活中の方で現在過体重の場合は、妊娠前に適正体重となるよう、体重管理にも取り組んでおきましょう!

 

 

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